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ソニー「INZONE M10S II」

人間の限界だろ!最高峰の720Hzモニターでプレーするゲームは違うのか、54歳ゲーマーの俺が試してみた

 ここからは、INZONE M10S II導入のメリットと購入時に確認したいポイントを整理します。

 本製品を簡潔に表現すると「描画遅延を許さない」という一点に尽きます。最高720Hzのリフレッシュレートで描画遅延が発生する要因は、モニター側ではなくグラボやPC、もしくはゲームサーバーや通信回線の状況でしょう。つまり、言い訳不要のガチ勝負の基準になります。

「INZONE M10S II」は、シビアなeスポーツの勝敗に影響する描画遅延の可能性を徹底的に排除する「ガチ勝負の基準」となる存在です

INZONE M10S IIを購入する3つのメリット

ポイント(1):この爆速描画速度は、ゲームの負けをモニターのせいにできない

 INZONE M10S IIの最大の特徴は、なんと言ってもその爆速リフレッシュレートです。フルHD(1920×1080)表示で最高なんと720Hz、QHD(2560×1440)解像度で540Hzという、現在考えられる最速レベルの高速パネルを搭載しています。

フルHD解像度(1920×1080)では最高720Hzという異次元のリフレッシュレート

QHD解像度(2560×1440)でもリフレッシュレートは540Hz。これを超えるフレームレートを叩き出せるグラボはあるのでしょうか

 イギリスを拠点とする世界的な名門eスポーツチーム「Fnatic」と共同開発しただけあり、競技シーンの最前線で戦うプロの要求に完璧に応える仕様です。実際にフルHD解像度の720Hz設定とQHD解像度の540Hz設定の両方を試してみましたが、どちらもまるで残像感がなく視点を回しても高速移動しても、描画はヌルヌルというか、一切遅延を感じません。これで描画遅延を感じられたなら、ご自分の眼の性能を誇るべきだと思いますね!

映像入力はDisplayPort×1 (Ver2.1 UHBR13.5)とHDMI×2 (Ver.2.1)。これに加えてUSB Type-B×1 (Upstream)とUSB Type-A×2(Downstream)、ヘッドホン出力を搭載

電源ボタンとOSDメニューを呼び出すジョイスティックは本体右側に配置

 まずは手始めに、現在筆者が絶賛攻略中のカプコン「プラグマタ」を起動。パズル+TPSという一風変わったジャンルの本作ですが、実はゲーム自体はゆっくりしています。なぜかというと、パズル形式のハッキング操作から射撃という二段構えだからです。

 とはいえ、緊急回避時は爆速ですがその間も描画のブレは一切なし。主人公のヒューが格好良くダッキングしている最中も、背中に乗ったダイアナちゃんの可愛らしい姿をガン見できます! もちろん、被弾するヒューの痛々しい姿もじっくり堪能できます。

 続いて、これまた下手の横好きで続けている「バトルフィールド」シリーズで垂直同期をオフにし、フルHD解像度の最高720Hz設定でプレイしましたが、もはや「ゲームのほうが遅いだろコレ」と実感する始末。

 いつも通り敵スナイパーからのヘッドショットや背後からの奇襲を堪能しましたが、敵の動きが手に取るようにクリアに見えるのが本当に困りもの。自分のミスが丸わかりですからね。

筆者の視力では「ヌルヌル動く」以外の感想が浮かびませんが、自分のミスに加えて敵が自分を倒す動きすらクリアに見えてしまうので、少々ヘコみます……

フレームレートテストでおなじみの「BLUR BUSTERS Motion Tests」のフレームレート比較でブレの違いを確認。テストの上限は480fpsまでですが、もちろんブレは一切発生しません

 このモニターを使って撃ち負けたなら、それはもう完全に自分の腕のせいです。これからは「モニターのラグのせいで負けた」という言い訳は一切通用しなくなる、ある意味で恐ろしい最高峰のデバイスと言えます。自宅では最高360Hzのモニターを運用中の筆者ですが、さらに負けた言い訳ができなくなりました。

YouTubeでソニー「INZONE M10S II」のレビュー動画を見る

ポイント(2):eスポーツ特化機能多数! 35°のチルト角はクリエイティブ用途にも◎

 INZONE M10S IIは単にリフレッシュレートが高いだけでなく、eスポーツに特化した機能が多数盛り込まれています。応答速度はGTG 0.02msという極限の数値を叩き出し、さらにモーションブラーを低減するアンチフリッカー機能(使用時は270Hz駆動)も搭載されています。

モーションブラーを低減する機能も搭載しています

「FPS Pro+」は、先述のeスポーツチーム「Fnatic」と共同開発されたプリセットモードです

 プレーするタイトルに合わせて、競技シーンで主流の24.5インチモードに画面サイズを最適化することも可能です。画面位置をセンターもしくはボトムに設定できるのも心憎いですね。

24.5インチモードは画面の表示位置をセンターとボトムから選択可能。モニターの設置位置によって使い分けられます

FPSゲーマーにはおなじみのクロスヘア表示も、豊富なプリセットから形状を選択できます。素早いエイムには欠かせませんね!

 また、個人的にグッときたのがスタンドの柔軟性。一般的なモニターのチルト(上下の傾き)角度は20度~25°程度ですが、本機はなんと35°まで上を向かせることができます。

 ゲームプレー時に自分好みの角度に微調整できるのはもちろん、手元のペンタブレットや資料と画面を交互に見るような編集作業・クリエイティブ用途でも、目線の上下移動がスムーズに行えるため非常におすすめです。

高さ調整幅は120mm。底面のスタンドは丸型で、ゲーミングデスク上に置いた周辺機器と干渉しにくいのも利点

上方向へのチルト角は、なんと35°

上から見下ろすように設置することで、首の疲れを軽減可能。また、手元と画面を相互に見るような編集作業やクリエイティブ用途では、目線の上下移動がスムーズになりストレスフリーに

 そして、驚いたのはスタンド固定の状態で画面の全周回転が可能なこと。さすがに画面を全周回転できるモニタースタンドはそうそうありません。あらゆるシチュエーションに対応するプロ機材としての実力をひしひしと感じますね!

画像ではわかりにくいのですが、画面はぐるっと真後ろにどちらの方向からでも回転できます

ポイント(3):OLEDの美麗な画面を末永く満喫できる安心感

 もちろん、有機EL(OLED)パネルならではのコントラストが強く色鮮やかな映像美も堪能できます。TÜV Rheinland認証のブルーライト軽減やフリッカー軽減機能が備わっているため、長時間のゲームプレーや作業でも目の負担を和らげ、安心して美しい画面と向き合うことができます。

スクリーンセーバーやピクセルシフト、ピクセルリフレッシュ、パネルリフレッシュなど、パネルの劣化や焼き付きを防ぐ機能も多数搭載

 さらに、ゲーミングOLEDモニターで一番の懸念点といえばパネル劣化や焼き付きですが、その点も抜かりありません。長く使えるように独自のカスタムサーマルシステムを搭載しており、ヒートシンクによってパネルコントローラーやビデオプロセッサーの熱を効率的にパネル上方へ逃がす設計になっています。

独自のサーマルシステムを採用し、熱を上方向に効率的に逃がします

OLEDパネルには3年間の保証が付帯します

 決して安い買い物ではありませんから、高いパフォーマンスを長期にわたって維持できるこの信頼性の高さは非常にありがたいポイントです!

購入時に確認したい2つのポイント

ポイント(1):さすがに高価だが、爆速描画が必要なら迷う必要なし!

 高性能を極めたガチゲーマー向けの最先端パネルを搭載するため、直販価格は17万4900円とさすがに高価。しかし、ここまで高速なリフレッシュレートを実現した製品は市場にもそうそうありません。

「どうしても最速の環境が欲しい」「少しでもライバルに差をつけたい」という明確な目的があるなら、悩むことなく投資して損はないでしょう。

ポイント(2):最速パネルを求めないなら別の選択肢がある

 INZONE M10S IIの最高解像度はQHD(2560×1440)のため、「せっかくだから4Kの超高解像度でゲームを遊びたい」という人はターゲットになりません。直販価格の17万4900円前後の予算があれば、他社製の31インチ、4K OLEDで240Hz駆動といったハイスペックモニターも十分に射程圏内に入ります。

 INZONE M10S IIはガチガチのプロゲーマー向けという非常に尖ったコンセプトのモデルなので、「自分に必要なのは『世界最速クラスのパネル』か『それ以外』か」という二択になります。用途がはっきりしていれば、どれにするか悩むような製品ではないでしょう。

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