■HubSpot Japanが調査、生成AIが変える購買行動と営業の役割
HubSpot Japanは、第7回「日本の営業に関する意識・実態調査2026」を実施し、生成AIが買い手と売り手双方に与える影響について分析結果を発表した。調査は法人営業に関わる売り手1545名および買い手515名を対象に実施されている。
まず、買い手側の変化として、生成AIの影響力の拡大が顕著に表れている。生成AIを活用した買い手のうち、52.4%が「AIの提案により新たな購買候補を追加した」と回答し、55.3%が「AIで得た情報が最終的な意思決定に影響した」としており、購買プロセス全体においてAIの関与が強まっている。
また、BtoB購買における情報源としての生成AIの活用は、2024年の4.3%から2025年には11.7%へと約2.7倍に増加した。依然としてインターネット検索が主流であるものの、生成AIは急速に存在感を高めている。
購買検討時に生成AIを利用したことがある買い手は36.7%にのぼり、その多くが直近1年以内の利用であることから、ここ1年で急速に普及が進んだことがうかがえる。主な活用目的は「課題やニーズの整理」「情報収集」「候補のリストアップ」などであり、営業プロセスの初期段階に深く関与している。
一方で、営業に対する期待も変化している。「自社の課題に応じた提案が欲しい場合に営業を必要とする」と回答した割合は2022年の46.4%から2025年には39.0%へと減少したが、約8割の買い手が営業に対して「生成AIにはない価値」を求めていると回答している。具体的には、「個別事情を汲んだ提案」「潜在ニーズの引き出し」「共感や気配り」といった要素が挙げられた。
売り手側においても、生成AIの活用は進んでいる。営業職のAI活用率は1年で28.9%から43.4%へと拡大し、半数以上が週1回以上利用している。利用ツールとしてはChatGPTが75.4%で最多となり、GeminiやCopilotが続く。
有料版生成AIツールへの投資については、「高いリターンがある」が45.1%、「十分なリターンがある」が38.3%となり、合計83.4%が投資効果を実感している。
また、生成AIの活用頻度が高いほど業務効率化の効果も大きく、毎日利用する層では週あたり約3.6時間の業務削減が確認されている。特に「CRMへの活動記録入力」や「アプローチリスト作成」といった定型業務で高い効果が見られた。
生成AIによって創出された時間の使い道としては、「提案の質を高めるための思考」が43.9%で最多となり、「顧客との対話や関係構築」など、より付加価値の高い業務に再配分されている傾向が見られる。
さらに、生成AIの活用定着には組織的な取り組みが重要であることも明らかとなった。単に利用を許可するだけでは週1回以上の利用率は47.2%にとどまるのに対し、業務プロセスに組み込んでいる場合は74.8%に達しており、組織としての仕組み化が活用促進に大きく寄与している。
今回の調査から、生成AIは購買行動の初期段階から意思決定に至るまで影響を及ぼす存在となりつつあり、営業の役割は従来の情報提供から、顧客固有の課題理解や合意形成支援へとシフトしていることが示された。
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