KDDI子会社の広告代理事業「99.7%」が架空取引 合計額は2461億円
2026年03月31日 19時50分更新
KDDIは、同社連結子会社であるビッグローブ、ビッグローブ子会社のジー・プランの不適切な取引についての疑いとともに、特別調査委員会を設置することを2月に公表していたが、その件についての調査報告書を公表するとともに、同社代表取締役社長CEO 松田浩路氏が記者会見で質疑応答に答えた。
今回の不適切な取引の内容は両社の広告代理事業で、循環による架空取引をしていたというもの。2月の時点で公表された数字は、取り消された売上高が2024年度だけでも約820億円、2025年度(第3四半期までの累計)で約680億円、営業利益ではそれぞれ約170億円、約250億円に及んでいた。今回、連結財務諸表に与える影響額として、この金額がほぼそのまま適用された。というのも、両社の広告代理事業における架空取引の割合が「99.7%」に達していたためとしている。
調査報告書によると架空取引が始まったのは遅くとも2018年8月頃。ジー・プランの部長であったa氏が、同氏が主導して開始した広告代理事業が想定の売上・利益を上げることができない中で、数十万円規模の赤字発生、数千万円単位の目標未達が見込まれる状況となった。そこで赤字補填・目標達成のために、架空の売上を一時的に計上することに至ったという。さらに2022年12月頃には、親会社のビッグローブも同事業に参入を決定。KDDIからのグループファイナンスを活用することで、架空循環取引の原資を提供することが可能になり、段階的に増加していったという。
一方で2025年2月には、当時のKDDI社長がビッグローブの広告代理事業の業績について、コンプライアンス上の問題について懸念を示し、社内の内部監査の対象に。さらに同年11月には広告代理事業の取引金額を抑えるよう指示を出した結果、循環取引が発覚した形となる。
今回の架空循環取引については、キーマンとなる2名(ジー・プラン従業員でビッグローブにも兼務出向)が、広告代理店とのやり取りを独占。また、広告代理店の先の商流については確認しないのが業界の取引慣行であるといった説明によって、発覚を免れるための対応をしていたとする。としても、ビッグローブの企業規模からすると(2024年度の売上高は1459億円)、架空循環取引による売上高の規模はあまりに大きい。KDDIでは、今後は損害賠償請求訴訟、刑事告訴も検討しており、それらを通じて、さらに明らかになる部分もありそうだ。
なお、今回の事態の責任を取る形で、KDDI出身のビッグローブ代表取締役社長を始め、同社常務2名と監査役、ジー・プランの社長および副社長が辞任。KDDI本体についても代表取締役会長と代表取締役社長 CEOの2名が月例報酬の30%を3ヵ月返納するなどの処分が実施されている。
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