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Core Ultra 200S Plusシリーズを検証【前編】

Core Ultra 7 270K Plusは定格運用で285K超え!Core Ultra 5 250K Plusは265Kにほど近い性能

2026年03月23日 22時00分更新

Core Ultra 200Sシリーズ&Ryzen 9700Xと対決

 今回の検証環境を紹介しよう。Core Ultra 7 270K PlusおよびCore Ultra 5 250K Plusの比較対象として、Core Ultra 200SシリーズからK付きを3モデル(Core Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245K)を準備。さらに、AMDからはRyzen 7 9700X(北米価格は現在300ドル付近と、Core Ultra 7 270K Plusにほど近い)を確保した。Ryzen 7 9850X3Dなどの性能が見たい方は残念だが、それは別の機会(近日公開予定)としよう。

 メモリーはレビューキットに同梱されていたDDR5-7200のモジュールで統一した。Core Ultra 200SシリーズおよびRyzenのメモリークロックは定格上限としている。また、ビデオカードはGeForce RTX 5080のFounders Editionを使用した。ドライバーはレビュー用に提供されたGameReady 595.79を使用。

 Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどはひと通り有効化し、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。インテル製CPUの電力設定はマザーボードのデフォルト設定、すなわち「Intel Default Settings」としている。

検証環境(インテル)
CPU インテル「Core Ultra 9 285K」(24コア/24スレッド、最大5.7GHz)、
インテル「Core Ultra 7 270K Plus」(24コア/24スレッド、最大5.5GHz)、
インテル「Core Ultra 7 265K」(20コア/20スレッド、最大5.5GHz)、
インテル「Core Ultra 5 250K Plus」(18コア/18スレッド、最大5.3GHz)、
インテル「Core Ultra 5 245K」(14コア/14スレッド、最大5.2GHz)
CPU
クーラー
EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザー
ボード
ASRock「Z890 Taichi」(インテル Z890、BIOS 3.24)
メモリー G.SKILL「Trident Z5 RGB F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」
(16GB×2、DDR5-7200/6400動作)
ビデオ
カード
NVIDIA「GeForce RTX 5080 Founders Edition」(16GB GDDR7)
ストレージ Crucial「T700 CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)、
Silicon Power「PCIe Gen 4x4 US75 SP04KGBP44US7505」
(4TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源
ユニット
ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)
検証環境(AMD)
CPU AMD「Ryzen 7 9700X」(8コア/16スレッド、最大5.5GHz)
CPU
クーラー
EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザー
ボード
ASRock「B850 LiveMixer WiFi」(AMD B850、BIOS 4.10)
メモリー G.SKILL「Trident Z5 RGB F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」
(16GB×2、DDR5-5600動作)
ビデオ
カード
NVIDIA「GeForce RTX 5080 Founders Edition」(16GB GDDR7)
ストレージ Crucial「T700 CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)、
Silicon Power「PCIe Gen 4x4 US75 SP04KGBP44US7505」
(4TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源
ユニット
ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)

定格勝負ではCore Ultra 9 285Kを超える性能を発揮

 いつも通りCPUの馬力を見るために「CINEBENCH 2026」を使用する。CINEBENCH 2026には特定の1コアに負荷をかけるテスト(SMTテスト)もあるが、すでにインテルはSMT(ハイパー・スレッディング)非対応に舵を切っているため、今回は実施していない。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

CINEBENCH 2026:スコアー(pts)

 このグラフからわかる通り、Core Ultra 7 270K PlusはCore Ultra 9 285Kを超え、Core Ultra 5 250K PlusはCore Ultra 7 265Kと肩を並べている。この理由は明らかで今回のCore Ultra 200S Plusシリーズはメモリークロックが定格でDDR5-7200と高く、さらに内部のD2Dクロックも従来より900MHz向上しているからである。

 ただし、今回の環境ではCore Ultra 9 285Kで以前取得したスコアーよりやや低いことが気になった。違いはメモリーモジュールだが、XMPをオンにしてDDR5-6400にしても、素のままでDDR5-6400にしてもあまり違いがない。というわけで、若干スコアーの開きが大きめな可能性がある、という点はあらかじめ記しておきたい。

 続いては消費電力をチェックしたいが、その検証を行う前提となる検証も見てこう。動画エンコーダー「HandBrake」を使用し、約3分の4K動画(60fps)をプリセットの「Super HQ 1080p30 Surround」ならびに「Super HQ 2160p60 4K HEVC Surround」を利用してエンコードする時間を計測した。消費電力計測にはこのうちSuper HQ 1080p30 Surround実行中のデータを取得している(後述)。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

HandBrake:エンコード時間。なお、最新のv1.1x系は筆者の検証環境では挙動が怪しかったので、少し前のv1.9.2を使用している

 傾向はCINEBENCH 2026と似ており、Core Ultra 7 270K PlusがCore Ultra 9 285Kよりも速かった。北米価格がほど近いRyzen 7 9700Xと比べれば、倍以上高速だった。一方で、Core Ultra 5 250K PlusとCore Ultra 7 265Kの差は大きくなった。CINEBENCH 2026ではEコアとメモリークロックなどのおかげで並んでいたが、こちらはPコアの数やMTPの制限によって上位のCore Ultra 7 265Kが有利になったという感じだ。

 ではこのHandBrake(Super HQ 1080p30 Surround)でエンコードしている最中に、システムおよびCPUがどの程度の電力を消費しているか比較する。電力計測にはHWBustersの「Powenetics v2」を使用し、電源ユニットからマザーボードとビデオカードに流れ込む電力を直接計測した。ちなみに、PCI Express x16スロットからの電力測定は、PCパーツへの物理的負荷や安定性への影響を考慮して除外している。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

システム全体の消費電力:ATXメインパワー+EPS12V×2+12v-2x6ケーブルを流れた電力の実測値

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

システム全体の消費電力:主にEPS12V×2の実測値

 Core Ultra 7 270K PlusはCore Ultra 9 285Kの消費電力を大きく上回っている。パワーが出るぶん消費電力も上がる、というセオリー通りの挙動が観測されたわけだ。とはいえ、Intel Default Settingsなのだから驚くほど大電力というわけではない。しかしながら、TDP 65WのRyzen 7 9700Xと比較するとCPUだけで3倍程度の電力を消費している。

クリエイティブな処理でも強みを発揮

 続いてはクリエイティブ系処理におけるパフォーマンスを見てみよう。CINEBENCH 2026に近いCG系から「Blender Benchmark」を利用する。Blenderのバージョンは先日追加された5.1.0を使用した。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

Blender Benchmark:スコアー

 ここでも大勢は変わらない。Core Ultra 7 270K PlusはCPU本体が安くて優秀ではあるが、現在DDR5-7200のモジュールが9万円前後することを考えると費用対効果という点ではどうかという感じがある。

 次は実際のアプリを用いて計測する「UL Procyon」の出番だ。まずは「Photoshop」「Lightroom Classic」を利用する「Photo Editing Benchmark」である。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

UL Procyon:Photo Editing Benchmarkのスコアー

 Image Retouching(オレンジ色のバー)のスコアーで示されたPhotoshopのスコアーは、Core Ultra 200S Plusシリーズの強さが内部レイテンシーやメモリークロックに強く影響されていることを示している。Photoshopのテストは使用するコア数が非常に少ないので、Core Ultra 9 285Kのようなコア数の多いCPUはかえって不利なのだ。

 ただ、そんなCore Ultra 200S Plusシリーズも、Ryzen 7 9700Xに完全に圧倒されてしまう。Photoshopの処理はRyzenと非常に相性が良く(特にZen 4以降)、メモリークロックの低いRyzenでもより高速に処理していた。

 「Premiere Pro」を使用する「Video Editing Benchmark」も見てみよう。4本の動画をエンコードし、処理時間からスコアーを算出するテストだが、今回はエンコード時間を直接比較してみよう。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

UL Procyon:Video Editing Benchmarkのスコアー

 インテル勢全体の中ではCore Ultra 7 270K Plusが僅差ではあるが良い結果を出せている。だが、Ryzen 7 9700Xも好成績で、Core Ultra 7 270K Plusとほとんど差がない。

 最後にクリエイティブ系処理ではないが、同じくProcyonに収録されている「Office Productivity Benchmark」も試してみた。これは「Office 365」を操るテストだ。

Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus

UL Procyon:Office Productivity Benchmarkのテスト別スコアー

 Office 365のようなアプリでは、Core Ultra 200S Plusシリーズも既存のCore Ultra 200Sシリーズに埋もれてしまっている。OutlookではCore Ultra 200S Plusシリーズが強いが、全体としては凡庸。むしろコア数の少ないRyzen 7 9700Xに負けているテストまである。

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