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30年経ってもまだ人気! 海賊版から広がったKOF97が中国のゲーマーにとって今もエモい存在である理由

2026年03月22日 16時00分更新

登場からすでに30年
今でも中国のゲーマーはKOF97を愛している

 中国では、SNKが1997年にリリースした対戦格闘ゲーム「KOF97(The King of Fighters 97)」の人気が今も続いている。KOFは「拳皇」という名で中国では呼ばれており、中国のSNSを見るといまだファンによる関連投稿がされている。

KOF97

KOFのコスプレ動画などが今も続々と投稿される

 最近ではフィジカルAIの中国企業が、KOF97のオープニング動画を真似た動画を公開した例も。最新のヒューマノイド製品に30年前のそれはミスマッチにも思えるが、中国ではそれくらいの共通言語なのだ。

 近年では中国発のフィットネスアプリ「KEEP」が、KOF97コラボでボクシング体験サービスをリリース。さらに非公認のエリアではさまざまな店舗やイベントで、昔を回顧することを目的にKOF97が稼働するゲーム筐体を置いていた。

KOF97

フィットネスアプリのKOF97コラボ

 中国の老舗SNS「百度tieba」のKOF97フォーラムには、今もフォロワーが増え続け、その数40万、総投稿数1700万を記録する息の長すぎるコンテンツとなっている。モバイルアプリではSNK公認という「拳皇97 真人対戦」や「KOF97 OL」といったタイトルがリリースされ、中国で今もひっそりと人気を博している。ビリビリや抖音では「90年代アーケードの思い出」「KOF97連携技完全解説」などの動画が数千万回クラスで再生されている。

KOF97

2026年でなおKOF97が人気という記事

対戦型格闘ゲーム全盛期に登場したKOF97
日本での評価は他のナンバリングタイトルに比べると正直微妙

 もう30年前のリリースなので、そもそも読者の中には生まれる前の話という人もいるかもしれない。そこで当時の状況について振り返りたい。日本では90年代に対戦型格闘ゲーム全盛期を迎え、「ストリートファイターII」で知られるカプコン製品と「KOF」で知られるSNKを始め、各社からタイトルが登場し、ゲームセンターでは見知らぬゲーマー同士がコインを投入しては対戦していた。

 日本でKOFシリーズの最高峰と言われるのが対戦バランスの優れた98年リリースの「KOF98」で今も根強くファンの間で遊ばれている。一方その前作となるKOF97は、対戦バランスは悪く、バグもあり技は暴発しやすく、日本での評価は正直微妙。にも関わらず中国ではKOF97が人気なのだ。

 その背景には当時SNKが売り込みを行う一方で、香港・台湾経由での海賊版の流入がある。中国のアーケード筐体のコンパネの品質はよくなく、メンテナンスもされてないものが多かったが、それでもKOF97はガチャガチャ操作していれば技が暴発するのが、逆に初心者でも楽しく、ファンを増やした。

 筆者自身もゲームセンターで多くの台で遊ぶプレーヤーを見たし、街の有名なゲームセンターによっては日本のようにギャラリー(観客)を集めていたのを見た。中国全土でKOF97が人気である一方、所得の高い上海や北京ではバランスがいいKOF98を導入するゲームセンターもあり、遊ぶ層も一定数いたがKOF97には及ばなかった。

 上海で毎年開催される中国最大級のゲームの展示会Chinajoyをはじめとしたイベントでは、八神庵をはじめとしたKOFシリーズのキャラクターを演じるコスプレイヤーが多くいたのを見た。スト2のコスプレーヤーよりもKOFシリーズは圧倒的に多く、キャラクターの個性が中国人に刺さった。

KOF97

コスプレイベントではKOFが定番だった

 主人公格の草薙京や八神庵の不良的なデザインが、若者の黒社会を描いた当時の香港映画「古惑仔(Young and Dangerous)」と似ていて闘って気持ちが良かったという意見や、KOF97のストーリーが良かったという意見はよく見た。そうした部分でもKOFは中国人に愛された。

背景事情について、記事公開当初より、一部記述を追加しております。(3/23 14:00)

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