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MacBook Neoの「イイところと課題」 iPhone用CPU搭載&10万円切りの入門機に迫る

2026年03月10日 22時00分更新

A18 Proチップと8GBユニファイドメモリの実力

 あとは実際にAシリーズのチップで、動作に不安がないのか、力不足を感じないのかが気になります。

 筆者がNeoを数日間試用した限りでは、日常的に使っているアプリケーションの動作はとても安定しています。Adobe Photoshopによる写真加工や、Microsoft Office系ツールなど比較的軽量なアプリケーションを中心とした用途では、いずれも単体で快適に動作しました。

一方で、Ollamaを使ってローカルLLM(Llama3/パラメータ数約80億)を動かしてみると、8GBのユニファイドメモリを搭載するNeoでは計算負荷が高まり、動作がやや不安定になる場面がありました。同時に起動していた「ミュージック」アプリの音楽再生が途切れたり、ノイズが目立つことも……。

 メモリ16GBの15インチM5搭載MacBook Airで、Ollamaを起動して同じローカルLLMを同じコマンドで実行すると、やはりAirの方が動作は安定します。

 Appleシリコンは、CPU・GPU・Neural Engineが同じメモリプールを共有する、ユニファイドメモリを採用しています。そのためAIモデルを動かす場合、チップの種類や世代だけでなく、搭載するメモリ容量によっても処理の快適さが大きく左右されます。

Apple

AppleシリコンのA18 Proを搭載。ユニファイドメモリの拡張オプションは用意されていません

 最近は写真や動画など、Mac上で大きな容量のファイルを扱う機会も増えてきました。Neoはオプションで最大512GBのストレージまで拡張できますが、メモリは8GBのみで選択肢がありません。AIエンジニアリングのほか、動画編集や音楽制作など高い負荷がかかる用途を想定する場合には、Neoではなく上位モデルを選び、メモリ容量などを強化する選択も検討した方がよいかもしれません。

 もっとも、先述したように軽めのアプリケーションを中心に使ったり、動画や音楽などのエンターテインメントコンテンツを楽しむ用途であれば、Neoで力不足を感じる場面はほとんどありません。NeoもAirと同じくファンレス設計の筐体を採用しているため動作音がなく、とても静かに使える点も魅力です。

最速USB 3のデジタルポートは上手く使いこなしたい

 USBポートは左側に2基(奥がUSB3/最大10Gbps、手前がUSB2/最大480Mbps)を備えています。MagSafe充電ケーブルが使えないため、Neoを給電しながら使用する間はフリーになるUSBポートが1つだけになります。

Apple

2つのUSB-C形状のポートを搭載しています

 同じ仕様のM1搭載MacBook Airを使ってきた筆者には、ポート数の制約もさほど大きな問題ではないと思っていました。ところが、このところはMacBookにも高速伝送に対応するUSB-C形状のThunderboltポート(TB4なら最大40Gbps)が普及しているので、Neoをセットアップする際に移行アシスタントによるデータ転送の時間が長くかかったことにあらためて不便さを感じました。Mac同士をThunderboltケーブルでつなぎ、データを高速伝送する手段が使えないので、あらかじめTime Machineバックアップを作成しておくべきです。

 筆者は3月4日にアップルがMacBook Neoを発表した当日、今回試用したものと同じスペック・同じカラーのモデルを購入しました。3月11日に手元へ届いた後は、バッテリーの持ちなど、実際に長く使うと見えてくる細かな使い勝手の良し悪しを検証してみたいと思っています。

 10万円前後という魅力的な価格を実現したMacBook Neoは、アップルが意図したとおり「新しいMacBookユーザー」を数多く獲得するモデルになるでしょう。より大きくて重いMacBookを使っている既存のユーザーにも、軽快に持ち運べるサブ機として注目を集めそうです。

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

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