物理キーボードの夢再び! あのClicksがMagSafe対応キーボードと同社初のキー付きスマホを披露
2026年03月08日 12時00分更新
MWC 2026に合わせて、物理QWERTYキーボードアクセサリーで知られるClicks Technologyが新製品2機種を日本のメディアに披露。
MagSafe/Qi2対応のワイヤレスキーボード「Power Keyboard」と、Androidスマートフォン「Clicks Communicator」のいずれも2026年内の発売を予定している。創業社長のKevin Michaluk氏が自ら製品を手に取り、コンセプトを説明した。
MagSafeを利用してスマホにくっつけて利用可能
機種を問わずに使えるミニQWERTYキーボード「Power Keyboard」
Power Keyboardは、同社がこれまで販売してきたiPhone向けケース型のキーボードとはまったく異なるアプローチの製品だ。ケース型は機種ごとに専用設計が必要で、iPhoneのモデルが変わるたびにユーザーは買い替えを迫られた。
その点、Power KeyboardはMagSafeやQi2の磁力でスマートフォンの背面に吸着し、Bluetooth(BLE 5.4)で接続する。iPhone以外のAndroid端末でも使え、最大3台に同時ペアリングできる。
使わないときはキーボード部分を本体内にスライドして収納でき、見た目はモバイルバッテリーとほぼ同じ。2150mAhのバッテリーを内蔵し、装着中はスマートフォンへのワイヤレス充電できる。重量は180g。
磁石の吸着強度を3段階で調整でき、大型端末から小型端末、横向き利用まで対応する。フルQWERTYの配列に加え、専用の数字列と矢印キーも備えた。
筆者が持参したiPhone 17 ProやQi2対応のPixel 10 Pro Foldに装着して試した。Power Keyboard自体はモックアップだが、キーの触感は確認できる状態だった。
キーピッチはやや広めに作られており、打鍵時に隣のキーを誤って押す心配は少ない。Pixel 10 Pro Foldに装着した状態でも重量バランスもある程度取れていて、横向きで長文を入力する場面では快適に使えそうだった。
価格は109ドル(早期予約79ドル)で今春の出荷を予定している。
「コンテキスト」「コントロール」「選択肢」を掲げる
Androidスマホの「Communicator」
Clicks Communicatorは同社初の自社製スマートフォン。BlackBerryを思わせる物理QWERTYキーボードを搭載し、4.03型(1080×1200ドット)のAMOLEDディスプレーを組み合わせた。本体サイズは78.63×130.5×12mmで重量は170g。手に取ると画面サイズの割に縦幅があり、キーボードの存在感がしっかりある。
Michaluk氏はCommunicatorのコンセプトを「Context(コンテキスト)」「Control(コントロール)」「Choice(選択肢)」の3つの言葉で説明した。
Contextは通知の仕組みだ。側面のPrompt Key周囲にカラーLEDを搭載し、連絡先やアプリごとに発光色を変えられる。遠くからでも誰からの通知かを色で判別できる。ホーム画面はNiagara Launcherと共同開発したカスタムランチャーを採用し、メッセージアプリを中心に据えた構成だ。
Controlは入力手段の充実を指す。物理キーボードのキーは大型で押しやすく、タッチセンシティブ対応でスクロール操作にも使える。Prompt Keyを押せば音声入力に切り替わり、ボイスメッセージの送信や会議の録音もできる。Michaluk氏は「トランシーバーのような使い方もできる」と表現した。
Choiceは拡張性だ。3.5mmイヤホンジャック、microSDカードスロット(最大2TB)、nanoSIM+eSIMのデュアルSIM対応を備える。背面カバーは交換式で、カラーバリエーションやレザーなどの素材を選べる。
チップセットはMediaTek Dimensity 8300で、OSはAndroid 16を搭載する。Android 20までのアップデートと5年間のセキュリティパッチを提供する。バッテリーは4000mAhのシリコンカーボン電池で、Qi2ワイヤレス充電にも対応した。カメラは背面にOIS付き5000万画素、前面に2400万画素。5Gはn1からn78まで幅広いバンドをサポートし、グローバルで利用できる。
価格は499ドルで、早期予約価格は399ドル。カラーはClover Green、Smoke White、Onyx Blackの3色で、今年後半の出荷を予定している。
MWCの会場で触れたのはCES時点と同様のモックアップで、実際にOSが動作する状態ではなかった。キーボードの打鍵感やLEDの発光は確認できたが、ソフトウェアの完成度を評価するのはまだ先になる。
「一夜の成功ではなく、長く愛される製品を」
Michaluk氏は製品発表のタイミングについて、iPhoneも発表から出荷まで6ヵ月を要した例を挙げ、「最初の製品だからこそ、最高のものを作ることに集中する」と説明した。CES以降の注目と予約の反応を受けて、当初の計画よりも良い製品に仕上げられる手応えがあるという。
「一夜にして成功する会社ではなく、長く愛されるものを作りたい。使ってみて気に入らない点があれば教えてほしい。必ず改善する」。Michaluk氏はそう語り、物理キーボードへのこだわりを改めて示した。
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