週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

若者にはペット、大人にはコンシェルジュ? ドコモ前田社長に聞くAIエージェントが目指す「先回り」の体験

 スペインで開催された世界最大のモバイル展示会「MWC Barcelona 2026」。NTTやドコモなどは「NTTグループ」として、1つのブースで出展していました。そんなNTTグループのブースでは、パーソナルデータを活用したAIエージェントの展示が注目を集めていたのです。ユーザーのライフスタイルに寄り添うAIの姿から、次世代通信「6G」への展望、そして目前に迫る「3G停波」まで、NTTドコモ代表取締役社長の前田義晃氏にお話を聞きました。

Z世代・α世代の「相棒」となるAIエージェント

 展示されたAIエージェントは、かわいらしいキャラクターの姿をしていました。これには明確な狙いがあると前田社長は語ります。 

 「ターゲットとして我々のような世代にも使ってほしいですが、これからどんどんAIを使っていく若いZ世代やα世代に刺さっていかないといけません。彼らは日常的に生成AIに触れており、AIを擬人化して接することに抵抗感がありません。なので、親しみやすい相棒になってくれるようなキャラクターを打ち出しました」

 そんな親しみやすさの裏側では、ユーザーを深く理解するための高度な処理が行なわれています。

 「私の体験なのですが、昔好きだったアーティストが再結成する情報を、AIが教えてくれてチケットが取れたということがありました。それをさらに先回りして教えてくれるような、驚きのある体験を提供したいと考えています」 と、単なる質疑応答にとどまらない「先回り」の価値を強調しました。

dアカウントが支える「パーソナライズ」と「安心感」

 このようなきめ細やかなサポートを可能にするのが、ユーザーの同意(オプトイン)に基づいたパーソナルデータの活用です。

 「dアカウントという一つのIDに、ライフスタイルのデータが紐付いています。このデータを活用することで、これまでにない便利な体験を作れるレベルにきています」。

 一方で、プライバシーへの配慮も欠かせません。過去に提供していた「iコンシェル」などのコンシェルジュサービスの経験も踏まえ、「ユーザーに安心感を持って使っていただくためのチューニングや見せ方が非常に重要です」 と語りました。プライバシーを気にする層にも配慮し、情報提供のハードルを下げつつ、納得感のあるサービス設計を目指していることがわかりました。

AI時代を見据えたネットワークのパラダイムシフト

 話題はサービスから、それを支える通信インフラへと移ります。AIが普及するこれからの時代は、ネットワークにも大きな変革が求められます。

 「6Gに向けて、AIやロボットが当たり前になる世界を想定しています。 AIが普及すると、端末からクラウドへデータを送る、上りトラフィックがどんどん増えていくでしょう。これまでのパラダイムが変わる中で、ネットワークをどう効率化し、コストバランスを取っていくかが最重要課題です」。

 今回のMWCでは、NTTグループ全体での共同出展となりました。そのことについては「持株会社との連携も含め、グループ全体でどのように社会のインフラを支えていくのか、より分かりやすく示せたと思います」 と、手応えを口にしました。

さよなら3G! そして次なる通信の未来へ

 AIや6Gといった未来の技術が語られる一方で、日本のモバイル通信の1つの時代が幕を閉じようとしています。目前に迫った3Gの停波についてどう思うかを聞いたところ、前田社長は感慨深げに語りました。

 「3世代のネットワークを運用し続けるのは本当に大変でした。1つの時代が終わる寂しさはもちろんありますが、次に向かっていかなければなりません」

 3Gが切り拓いたモバイルインターネットの時代は終わりを告げますが、それはAIや次世代ネットワークがもたらす新しい体験へのスタートラインでもあります。

 ユーザーの「相棒」となるAIエージェントが当たり前になる未来へ向け、通信インフラの進化はこれからも続いていくようです。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります