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現地のカメラ映像を見ながら遠隔作業指示も。「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」の新サービス

人手不足のIT運用部門、その課題をOC1のデータセンター運用支援サービスが解決する

2026年03月03日 11時00分更新

オプテージ曽根崎データセンター(OC1)

 企業のIT部門におけるIT人材の不足は、長年指摘されてきたにもかかわらず解消していない、深刻な問題だ。その一方で、ビジネスのデジタル化が進んだ結果、ITシステムの安定稼働はますます重要視されるようになっている。現在では、業務システムのダウンが業務の停止に直結し、ビジネス的な損害を生んでしまうからだ。

 こうしたITの抱える課題は、データセンター利用においても無関係ではない。いかにしてデータセンター運用の業務負荷を減らしつつ、システムの安定稼働を維持するのか――。企業のデータセンター運用担当者は、そう頭を悩ませ続けている。

 オプテージでは、2026年1月に「オプテージ曽根崎データセンター」(略称:OC1)を開設したのに合わせて、そうした顧客の課題やニーズに応える新たなサービスの提供を始めている。サービスを通じてどう顧客をサポートしていくのか、サービスを企画した3氏に話を聞いた。

(左から)オプテージ ソリューション事業推進本部 データセンタービジネス推進部 データセンタービジネス戦略チーム チームマネージャーの宮本亮祐氏、技術本部 ITサービス運用保全部 DC(データセンター)サービス運用チーム チームマネージャーの新家信博氏、同 DCサービス運用チーム サブマネージャーの黒崎昭夫氏。OC1のサーバールームにて

最新のデータセンターニーズに応える設備と、強力な「コネクティビティ」

 オプテージ曽根崎データセンター(以下、OC1)は、大阪市北区で2026年1月に運用を開始した都市型データセンターだ。

 OC1は、大阪駅/梅田駅から徒歩で約12分、新大阪駅からタクシーで約15分と、大阪都心からアクセスの良い場所に立地している。免震構造の14階建ビル(うちサーバールームは7.5階分)に、最大1200ラックを収容でき、ハウジングやコロケーション、データセンター間接続などのサービスを提供する。

OC1の屋上より。大阪駅から約1kmしか離れておらず、大阪都心が間近に見える

 OC1の設備には、データセンターに対する最新のニーズが強く反映されている。

 たとえば、昨今増加している消費電力量が大きいサーバーをが収容できるよう、1ラックあたり8kVA以上(最大10kVA)の電力供給容量を持つ高負荷対応ラックとしている。また、IT機器の高集積化というトレンドに対応して、床耐荷重も2000kg/㎡と大きい。さらに、今後予想されている南海トラフ地震などの災害発生に備え、最新の免震設備や72時間連続稼働の自家発電装置などを備え、強固な地震対策や水害対策を実施している。

地下の免震設備は、3つの免震技術(直動転がり支承、積層ゴム、ダンパー)を組み合わせたもので、建物の揺れを強力に抑える

 数々の最新設備を備えるOC1だが、最大の特徴は「コネクティビティデータセンター」というコンセプトだ。コネクティビティ=“ネットワークの接続性”も、最新のデータセンターニーズに応えたものである。

 現在の企業では、ハイブリッドクラウド環境をシームレスに利用するために、データセンターにはパブリッククラウドとの接続性を求めている。また、コンテンツ事業者やSaaS事業者では、インターネットを通じて快適なサービスを提供するために、IXやISPとの低遅延/高速な接続性が不可欠となっている。

 OC1は、こうしたコネクティビティへの強いニーズに応えるデータセンターとして誕生した。

 OC1には、日本の主要IX事業者をはじめ、大手ISP事業者、海外のDCI(データセンター間接続)事業者などが接続拠点を設置している。また、メガクラウドが大阪リージョンの接続拠点(POP)を構える大阪都心の主要データセンター(堂島、心斎橋など)とは、オプテージが光ファイバーを敷設済みだ。

OC1は、大阪都心のデータセンター集積地である堂島、心斎橋から3km圏内に立地。主要データセンターとはオプテージの光ファイバーで接続済みだ

 そのため、OC1を利用する顧客は、自社のラックからIX/ISP/DCI/メガクラウドへスムーズに接続ができる。OC1のラックはあらかじめ構内配線された状態で提供されているので、たとえばIXやDCIとの接続ならば、1週間程度で利用が開始できる。

■OC1のコネクティビティについての詳細記事もご覧ください
 ○クラウド時代に選ばれるデータセンターへ オプテージ「曽根崎データセンター」はネットワークへの接続性が強み

運用支援サービスも強化、カメラ映像を見ながら作業指示ができる「ライブオペレーション」

 OC1の開業と合わせて、オプテージではデータセンターの運用サービスを強化した。ここでも、現在の顧客が抱える課題やニーズをふまえた新たなサービスが追加されている。

 現在の顧客課題、特にIT運用担当者が抱える課題の筆頭に挙がるのが「データセンター運用負荷の軽減」だ。冒頭でも触れたとおり、IT部門の人手が足りない一方で、ビジネスにおけるITの重要性は増しており、IT担当者の業務負荷が高まっている。

 顧客のIT担当者のデータセンター運用負荷を減らすために、オプテージではこれまでも、24時間365日の有人監視や運用代行、そしてリモートハンド(遠隔作業代行)といったサービスを提供してきた。

 そして今回、サービスラインアップに「ライブオペレーション」という新たなサービスを追加した。

 このサービスでは、OC1に常駐するオプテージのオペレーター(インフラエンジニア)がウェアラブルカメラを装着し、リモートにいる顧客のIT担当者にリアルタイムで映像を共有しながら、物理的な作業を代行する。代行する作業内容は、たとえばIT機器の動作ランプの確認、電源スイッチのオフ/オン、通信ケーブルの接続変更、通信試験といったものだ。

ライブオペレーションでは、「Microsoft Teams」経由で、現場の映像を見ながらリアルタイムに作業指示が出せる

 このサービスを企画したオプテージ DCサービス運用チームの新家信博氏は、「作業手順書の準備が不要」であることが最大のメリットだと強調する。

 これまでの運用代行やリモートハンドでは、オペレーターの作業ミスを防ぐために、詳細な作業内容を記した手順書を事前に用意しなければならなかった。一方で、ライブオペレーションの場合は、現地のカメラ映像を見ながら作業指示を出せばよく、事前に手順書を準備する必要がない。

 「ライブオペレーションならば、お客さまがデータセンターまで足を運ぶ必要がなくなるうえ、作業手順書を用意する時間も削減できます。そのため、全体のコスト削減効果はかなり大きいと思います。スピーディーかつ的確に作業指示ができるこのサービスは、特に緊急対応の作業代行を依頼するのに有効ではないでしょうか」(新家氏)

 また、同チームの黒崎昭夫氏は、「代行作業の確実性が高まる」点をメリットに挙げた。従来のリモートハンドでは、現場が見えない電話(口頭)やメールでのコミュニケーションだったため、説明や指示の内容を誤解してしまうリスクがあった。そうしたミスを防ぐためには、細かなやり取りが必要になり、やはり時間がかかった。

 「たとえば『サーバーのランプが点滅している』といっても、高速点滅と低速点滅とで表示の意味が違う場合もあり、こうした誤解が作業ミスにつながるかもしれません。そもそも、作業対象のボタンやポートの位置などは、電話やメールでは伝わりにくいものです。ライブオペレーションのカメラ映像で視覚的に確認ができれば、そうした誤解は防げますし、お客さまの安心感も高まるでしょう」(黒崎氏)

 もっとも、ミッションクリティカルなシステムの運用支援も多く手がけてきたオプテージとしては、ライブオペレーションにおいても作業ミスが起きないよう、細心の注意を払っている。たとえば、作業現場には必ず第三者が立ち会い、作業の実行前にオペレーターとダブルチェックを行う。また、バイリンガル対応のオペレーターも配置し、海外の顧客からの作業依頼にも応えられるようにしている。

DCサービス運用チームの新家氏、黒崎氏

安定稼働のために、ラックの使用電力量や温度をリアルタイム表示「Live View」

 もうひとつ、現在の顧客が抱える課題が「ITシステムの安定稼働」である。システム障害やダウンタイムの発生は大きなビジネス損害につながるようになった現在、データセンターというインフラにも安定稼働が求められている。

 そうした課題解決をサポートするため、オプテージではOC1の顧客向けに提供するカスタマーポータルに、「Live View(ライブビュー)」という機能を追加した。

 これは、ラックごとの最大使用電力(kVA)や使用電力量(kWh)、回路ごとの電流値、ラックの温度といった詳細な情報を、ポータル上でいつでもリアルタイムに確認できる機能だ。

顧客向けカスタマーポータルに「Live View」機能が追加された。ほかにも、他のデータセンターとの接続情報の参照、OC1への入館申請、会議室予約申請などの機能を備える

 この機能を企画したオプテージ データセンタービジネス戦略チームの宮本亮祐氏は、これまでもしばしば、データセンターを利用する顧客からこうしたデータの提供依頼があったと振り返る。

 「従来は、お客さまからご依頼をいただくたびに、個別にデータを抽出してお渡ししていました。そういうニーズがあるならば、もっと手軽にデータを抽出できる機能があれば、お客さまに喜んでいただけるのではないか。そう考えたのが、Live Viewが生まれたきっかけです」(宮本氏)

 こうしたデータの監視は、システムの安定稼働と障害発生の回避につながる。たとえば、あるサーバーで急に処理の負荷が高まり、電流値が接続した電源回路の定格値を超えると、ブレーカーが作動して電源が落ちてしまう。一方、ここでLive Viewを使えば、電流値や温度が適正な範囲内に収まっているか、処理負荷が特定のラックに偏っていないかといったことを、顧客自身でいつでも確認できるのだ。

 さらに、近年ではCO2の排出量削減に向けた取り組みを行う企業も多い。Live Viewのデータは、自社のITシステムが消費する電力量を細かく把握し、省電力化の対策を進めていくうえでも有効に活用できるはずだ。

データセンタービジネス戦略チームの宮本氏

これからもサービス拡充を続け、顧客課題を解決していく

 今回話を聞いたデータセンター運用サービス、カスタマーポータルとも、引き続き顧客の課題やニーズをふまえながら、サービスを拡充していく方針だという。今後、どのようなサービスが登場するのだろうか。

 まずカスタマーポータルでは、IXやDCIなどへの構内接続、メガクラウドへの接続などを、オンラインで迅速に見積/発注できる機能を追加する予定だという。宮本氏は「OC1のコンセプトであるコネクティビティを、さらに強化する機能です」と説明する。

 また、OC1の再販を行うパートナー事業者向けに、カスタマーポータルのマルチテナント化も進めるという。再販パートナーが管理者となり、その顧客に入館申請などの操作権限を与えることで、パートナー側の運用負荷を減らす狙いだ。

 DCサービス運用チームの新家氏は、作業手順書の作成や整合性チェック作業に生成AIを活用していきたいと述べた。作業手順書の正確さ、記述内容の標準化を担保しながら、作成に要する時間を大幅に短縮する狙いだ。「これもまた、お客さま側での時間とコストの削減につながると思います」と新家氏は語る。

 同チームの黒崎氏は、現地作業のためにOC1を訪れる顧客へのサービス向上も考えていると話した。すでにオンラインでの入館申請、顔認証によるスムーズな入退館を実現しているほか、作業の合間にリラックスできる休憩室も設けている。「訪れたお客さまが、帰るときは笑顔になって、また来たくなるようなデータセンター――。そんな新しい体験を、“アソビゴコロ”を持って考えていきたいです」(黒崎氏)。

データセンターへの入退館手続きや、作業中の休憩も快適になるよう、サービスをさらに向上させていく(写真はOC1内の設備)

* * *

 オプテージでは、OC1データセンターを「国内外をつなぐ“関西圏のネットワークハブ”」と位置付けている。そしてこれからも、コネクティビティデータセンターを軸としたビジネスを拡大していく方針だ。

 たとえば、OC1から首都圏の主要データセンターへのDCIサービスを開始したほか、将来的には海底ケーブルプロジェクトへの参画を通じて、海外とのコネクティビティもさらに強化していく方針だ。こうした取り組みに対し、今後10年間で総額3000億円程度の投資を計画している。

 「これまで関西圏で地域密着型のビジネスを展開してきたオプテージですが、現在は日本全国、さらには海外も視野に入れています。通信事業者として、データセンター同士がつながるネットワークを全国、海外にも拡大していきたい。そうした思いがあります」(宮本氏)

取材の最後に全員で“OC1ポーズ”をとってもらった

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