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面倒なファイル整理、AIに丸投げできる? 「Claude Cowork」をガチ検証

2026年02月27日 17時00分更新

プラグインで「役割」を与える

 Coworkは単体でも動作するが、プラグインを導入すると何の仕事を前提に動くかが定義される。単なる機能追加ではなく、業務ごとの手順や判断基準が組み込まれ、出力や作業の流れがその分野向けに調整されるのだ。

どんな役割があるのか

 現在は18種類のプラグインが用意されている。たとえばSalesは営業活動を前提にリード整理やアウトリーチ文面作成を支援する。Legalは契約レビューや条項確認、Financeは財務整理や月次処理、DataはSQL生成や分析レポート作成を想定している。

 それぞれのプラグインには、専用コマンドや外部サービス連携、業務ロジックが含まれている。インストールすると、その業務の進め方があらかじめ用意された状態になる。

 今回試したProductivityは、プロジェクト整理やタスク管理を前提にした構造を自動生成するプラグインだ。タスクファイルやメモリ構造を初期化し、作業の土台を整える。UIはほぼ変わらないが、内部では作業を体系立てて進める前提が追加されることになる。

プラグイン一覧画面

 プラグインは、コマンドやコネクタ、スキル、エージェント定義など、複数の要素をまとめたパッケージだ。Productivityの場合、主に次の構成が確認できる。

 コマンドはいつでも呼び出せるショートカットのようなものだ。Productivityには「start」「update」といったコマンドが含まれ、作業フォルダ内にタスク管理用ファイルやメモリ構造を初期化する手順がまとめられている。環境を立ち上げるためのスイッチに近い。

「コマンド」画面

 コネクタは外部サービスとの接続設定だ。Slack、Notion、Asana、Google Calendarなどが並び、個別にインストールと権限設定を行う。常時許可か都度承認かもここで制御できる。実行範囲を外部に広げる層だ。

「コネクタ」画面

 スキルは業務ロジックそのものだ。Productivityではタスク管理やメモリ整理のルールが定義されている。内部的にはテキストベースで記述され、どのような形式で整理し、どの粒度で管理するかといった基準が書かれている。

「スキル」画面

 今回はProductivityプラグインをインストールした状態で、連載用フォルダーを指定し「start」コマンドを実行した。Coworkはフォルダー内を確認し、プロジェクト管理用のファイル群を自動生成する。

 生成されたのは、タスク管理用の「TASKS.md」、ワーキングメモの「CLAUDE.md」、用語整理用の「memory」ディレクトリ、さらに進行状況を可視化する「dashboard.html」などだ。助言を出すのではなく、作業基盤そのものを構築する挙動になっている。

「start」コマンド実行

 続いて「連載の読者層を分析し、次回テーマ案を提案書として作成」と指示すると、Coworkは過去回原稿を横断的に参照し、テーマの傾向や読者像を整理したうえで、提案書形式のドキュメントを新規生成した。

 提案書には、連載の軌跡と直近回の分類傾向、想定読者像の整理がまとめられ、具体的な次回テーマ案も提示されていた。たとえば「AIエージェントに“仕事を任せる”──自律型AIの実力と限界を自分で試した」や、「MCPって何?──AI接続規格の正体」、「AIに“記憶”させる──Memoryとコンテキストウィンドウの最新事情」といった切り口である。単なるアイデア列挙ではなく、連載文脈を踏まえた提案になっている。

生成された提案書

 Chatモードでも分析や提案は可能だが、ここではローカル原稿群を参照し、成果物を正式なファイルとして保存している点が異なる。助言にとどまらず、プロジェクトに組み込める形で出力するのがProductivity+Coworkの特徴だ。

 なお、各プラグインは米国の業務フローを前提に設計されていると考えられる。タスク管理の粒度やドキュメント構造もその文化圏の標準に寄っているため、日本の業務慣行と完全に一致するとは限らない。実運用では、自身のワークフローに合わせた調整が必要になる。

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