週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

面白すぎて危険すぎ! PCを“勝手に動かす”AI、OpenClaw(旧Moltbot/Clawdbot)とは

2026年02月02日 17時00分更新

 近年の生成AIは、プロンプトに答える受動的なツールから、指示を受けて自ら動くエージェントへと姿を変えつつある。その流れの最前線として注目を集めているのが、OpenClaw(旧Moltbot/Clawdbot)だ。AIが助言するだけでなく、実際の作業を代行してくれるという新しい体験が支持を集める一方で、セキュリティ面への強い懸念も同時に指摘されている。ここでは、OpenClawとはいったいなんなのか、なぜ評価が大きく割れているのかを、非エンジニア向けに整理する。

OpenClawとは何か(旧Moltbot/Clawdbot)

短期間で名称が変更されている点も、このプロジェクトの特徴

 OpenClawは、開発者のPeter Steinberger氏が公開したオープンソースのAIエージェントだ。もともとはClawdbot(あるいはClaudbot)という名称でGitHub上に登場し、生成AIにPC操作を委ねるという大胆な設計で注目を集めた。週末の個人プロジェクトとして始まったものだが、その規模と影響力は急速に拡大し、短期間で大きなコミュニティを形成している。

 OpenClawは、ClaudeやGPT-4oといった大規模言語モデルを「脳」として使いながら、ユーザーのPCに接続し、ファイル操作やコマンド実行を実際に行なう。従来のチャット型生成AIが、テキストで助言するところまでにとどまっていたのに対し、操作そのものを任せられる点が大きな違いだ。

 名称は短期間のうちに二度変更されている。初期のClawdbotはAnthropicの「Claude」と混同されやすく、商標上の懸念が指摘された。そこで一度、「脱皮(Molt)」を意味するMoltbotに改名したが、2026年1月末にはさらにOpenClawへと変わっている。開発者によれば、語感の問題に加え、プロジェクトの「Open」な姿勢をより明確にする狙いがあるという。

 重要なのは、OpenClawが特定の巨大テック企業による公式サービスではない点だ。法人化や組織化の動きは見られるものの、基本的にはコミュニティ主導のオープンソースプロジェクトであり、商用製品のような包括的なサポートや安全保証が前提にあるわけではない。この立ち位置が、後に評価や受け止め方が大きく分かれる要因になっている。

何ができるのか。「相談相手」から「実務の代理人」へ

従来のチャット型生成AIと、実行型AIエージェント(OpenClaw)の役割の違い。前者は助言までを担い、最終的な操作は人間が行うのに対し、後者は判断からPC操作の実行までをAIが引き受ける

 OpenClawは、生成AIに「判断」だけでなく「実行」まで任せられる点が特徴だ。従来の生成AIは、やり方を説明したりコード例を示したりするところまでだったが、OpenClawは自然言語で指示すると、ユーザーのPC上で実際の作業を進めてくれる。たとえば「デスクトップに散らばった古いファイルを日付別に整理して」と指示すれば、フォルダ構成を確認し、ファイルを移動するところまで自動で処理するということだ。

 ブラウザ操作も同様だ。OpenClawはヘッドレスブラウザ(バックグラウンドで動くブラウザ)を使い、人間の代わりにWebサイトを巡回する。これにより、チャットUIだけでは難しかった検索や比較、情報の整理といった複数の工程を、ひとつの指示でまとめて行える。たとえば、中古車サイトを定期的にチェックして条件に合う物件を集め、価格交渉用の文面まで下書きするといった使い方などが考えられる。

 また、OpenClawには数日前の指示や状況を記憶しておく仕組みがあり、決まった時間に情報をまとめて報告する定期タスクなども設定できる。さらに、外部サービスを操作するためのスキル拡張も用意されており、Spotifyの再生制御や業務の自動化など、用途に応じて役割を広げられる。単なる相談相手ではなく、実務を引き受ける存在へと踏み込んでいる点が、従来の生成AIとの決定的な違いだ。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事