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INT4量子化+高度な電圧管理で消費電力60%削減かつ90%性能アップ! Snapdragon X2 Eliteの最先端技術を解説

2026年02月02日 12時00分更新

電源供給配線の最適化で配線抵抗を減らすことに成功
前モデルよりもCPU/GPU/NPU性能が大きく向上

 トランジスタだけでなく配線による遅延も問題である。下の画像は昨今のトレンドを示したものだが、ゲート遅延と配線遅延を比較すると、90nm世代と比較して20倍以上の開きがあるとされる。

特に配線抵抗が7nm以下の世代では急増しており、これが配線遅延の主要な要因となっているとする

 もっとも、だからといって配線そのものの最適化は設計段階でやっているし、新材料を使うというわけにもいかないのだが、PDN(Power Delivery Network:電源供給配線)の最適化をしたことで、PDNの配線抵抗を若干減らすことに成功、これにより電源電圧を25mVほど引き下げることに成功したとしている。

配線抵抗に起因する電圧降下を25mV分減らせたので、それだけ供給電圧を下げられたという話である。ただTSMC N3だとPDNは通常の信号配線との混在になるため、結構難易度が高かったものと思われる

 ほかにも、パッケージ構造の最適化により、GeekBench v6のスコアでシングルスレッドで+7%、マルチスレッドで+4%の性能改善ができた。

このBKMはBest Known Methodの意味で、より効果的なパッケージに切り替えて放熱効率が改善されたことで、より動作周波数を上げやすくなったということである

 電源周りでパスコンをどう配置するか? では、パッケージ配線内に埋め込むEPS(Embedded Package Substrate Capacitors)を複数配するのが一番電圧降下が少なかったとしている。

通常はMLCC(積層コンデンサ)をパッケージ周囲に配するわけだが、配線層直下に置くLSCや配線層埋め込みのEPSの方がより効果的であるとする。ただLSCはそもそも配置できる面積が少ないし、EPSはコスト増の要因になるので兼ね合い次第ではある

 細かいところではGPUの温度をもっと精密に制御することで、競合製品に比べて一定の性能を長期間保てるとしているのだが、Snapdragon X2 EliteではなくSnapdragon 865というところが今一つ「?」である。

説明を聞くに、どうもSnapdragon 865世代から複数のサーマルコントロールを組み合わせてGPU性能をピーク近くに保つ工夫がなされており、Snapdragon X2 Eliteでもそれは実装されているらしい

 こうした工夫を積み重ねることによって、CPU/GPU性能およびNPU性能で、前モデル(Snapdragon X Elite)と比較しても大きく向上させており、またx86ベースの競合製品(具体的な名前は出てこなかったのだが、Lunar Lake世代あたりだろうか?)と比較しても大きな性能/消費電力比を実現している、と締めている。要するに、本当に細かな工夫を積み重ねることで性能が改善できた、という話であった。

CPU/GPU性能。CPU性能の比較がGeekBench v6というあたりがQualcommらしいとはいえる

NPU性能。これはNPUのピーク性能比較なので、実アプリケーションの数値でないのが残念

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