【パソコンが買えない】実は海外では起きてないパニック買い PC在庫の減少は一時的だが、価格の上昇基調は続く
2026年01月27日 08時30分更新
メモリー価格の上昇に始まり、各PCメーカーが受注停止を公表するなど、一般メディアなどでも「PCが買えなくなるのでは?」「今買わないとヤバいかも」といった報道がなされている昨今。その背景に何が生じているのか、PC業界の識者にそれぞれの視点から分析いただいた。
昨年の末に生じたPC在庫の減少という現象は
「パニック買い」の結果だと考えていい
昨年末からPCの価格高騰、そして在庫の減少という2つの現象が発生したことで、急にPCを確保しなくてはという機運が高まり、さらなるPC在庫の枯渇という事態が発生した。
こうした在庫の枯渇は今後も続き、PCの価格は今後も上がり続けるのだろうか? 冷静に現在の市場の状況を見えると、前者に関しては「ノー」、後者に関してはおそらく「イエス」というのが答えになる。
今PC市場、主にリテール市場などで起きていることは、昨年の第4四半期(10~12月期)あたりから顕著になり始めた、メモリー(DRAM)、ストレージ(フラッシュメモリー)の価格高騰の影響で、PC本体の価格も徐々に上がっていくという価格高騰が発生したことがそもそもの発端だ。
そうした価格上昇に伴い、今後もさらに価格が上がり続け、PCを現在のような値段では入手できなくなるのではと心配したユーザーが、もう少し先にしようとしていたPC購入を、現在ある在庫の確保に動いた。その結果、店頭在庫が少なくなり、特にダイレクト系のPCメーカーは値段を上げるなどの対応を早めたため、さらにPC確保に走るユーザーが増えるというスパイラルが発生した。
こうした状況は「米騒動」の歴史的な事例を引くまでもなく、市場で商品が枯渇した時にいつの時代も同じく発生する「パニック買い」の一種だと考えることが可能だ。
問題はこうしたパニック買いが今後も続くのだろうか? ということだ。仮にユーザーが今後もパニック買いを続けるなら(つまりパニック買いではなくそれが通常状態になるなら)、それはPCの需要が高まっているということだから、各PCメーカーは値段を上げて増産に踏み切ればいいからだ。
DRAMやフラッシュメモリーの価格は上昇基調
第1四半期はDRAMなら55~60%の上昇と調査会社
だが、PC業界の誰に聞いても、パニック買いによる在庫の減少が続くと考えている関係者はほとんどいない。現状起きていることはあくまでパニック買いであり、すぐに収まるだろうというのが多くの関係者の正直な感想だ。
ただし、パニック買いが収まって需要は減退するとしても、PCの価格上昇は続くというトレンドには関係者の誰もが同意している。その最大の要因は、昨年末から言われ続けている、メモリーとストレージの需要が逼迫していることによる価格の高騰だ。
PCの価格というのは以下の4つの項目で成り立っている。
1:CPUやメモリーなどの部材コスト
2:労働コスト
3:PCメーカーの利益
4:流通のコスト・利益
日本のPCメーカーに話を限ると、2と3と4は基本的に一定幅で大きな変動はない(外資の場合は為替レートが影響してくるため別の議論だが、今回の話には直接関係してこないので、その議論は置いておく)。となると、PCの価格に現状もっとも影響を与えているのが1のCPUやメモリーなどの部材コストになる。
特に大きな影響を与えているのがメモリー(DRAM)やストレージ(フラッシュメモリー)の価格が高騰していることだ。DRAMやフラッシュメモリーの価格動向などに詳しいTrendForceは、年明けに発表した報道発表の中で、AIサーバーの需要が高まっていることにより、DRAMやフラッシュメモリーともにサーバー向けの供給が優先される状況が今後も続き、今四半期(1~3月期)の価格は一般的なDRAMが55~60%、フラッシュメモリーは33~38%の幅で価格が上昇する可能性があると明らかにしている。
つまり、部材の在庫があまりなく、メモリーベンダーから購入しなければいけないPCベンダーなどは価格を上げざるをえないという状況が今後も続くことになる。現状、こうした調査会社も、そしてメモリーベンダー自身も、いつ値段が下がるのかに関しては見通しを言えない状況で、今後も価格上昇局面が続くことになる可能性が高い。
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