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フィットネス系サブスク「Apple Fitness+」が日本上陸! 最新デバイスで楽しむ方法

2026年01月22日 10時00分更新

 アップルによるフィットネスとウェルネスのためのサブスクリプションサービス「Apple Fitness+」が21日に日本で正式に提供を開始しました。iPhoneの「フィットネス」アプリを開くと、アプリ画面下のメニューバーに「Fitness+」が新しく追加されています。アップルデバイスと一緒に楽しめるサービスの特徴を解説します。

iPhoneやApple Watchで気軽に楽しめる、アップルのフィットネス系サブスクサービス「Apple Fitness+」のオトクな楽しみ方を紹介します

5年の時を経て満を持して日本上陸

 Apple Fitness+は、アップルによる独自の健康増進・維持のためのサブスクリプションサービスです。2020年12月に北米やイギリス、オーストラリアなど英語圏の地域から提供が始まり、約5年を経て日本のほか、ドイツやスペインなどの国々で2026年1月21日から利用できるようになりました。

 月額980円、年額なら7800円の定額制サービスです。最大5人の家族と共有もできます。複数のアプリサービスをひとつにまとめた「Apple One」にはバンドルされないため、別途Apple Fitness+単体での申し込みが必要です。

 「フィットネス」アプリから利用するサービスであることから、楽しめるアップルデバイスはiPhone、iPad、テレビやモニターに接続したApple TVです。Macにはネイティブ対応していませんが、たとえばiPhoneやiPadで再生しているFitness+の画面を、MacにAirPlayで飛ばして利用することは可能です。

フィットネスアプリを開くと、画面下のタグに「Fitness+」が追加されています。自分のペースに合わせたワークアウトのルーチンを「カスタムプラン」として作る機能や、オンライン通信機能が必要なFitness+のコンテンツを、ダウンロードしてオフラインで実践できる機能も揃っています

 Fitness+はアメリカなど先行する地域でローンチした直後は、Apple Watch向けに設計されたフィットネス体験として定義されていました。その後、Apple WatchがなくてもiPhoneやiPadでアプリの動画を見ながら身体を動かしたり、メディテーションのワークアウトを楽しめる一般的な仕様にアップデートされています。

 ただし、Apple Watchや心拍センサーを内蔵するAirPods Pro 3、BeatsのPowerbeats Pro 2などワイヤレスイヤホンを併用すれば、ワークアウトを実践しながらリアルタイムに変遷する心拍数や消費カロリーのデータを画面上でトラッキングしたり、よりいっそう楽しく、なおかつ効率よく健康増進が図れます。

トレーナーが流ちょうな日本語で語りかけてくる

 サービスが米国でデビューしてから日本に上陸するまでに、アップルはなぜ5年もの時間をかけてきたのでしょうか。その理由と思われる3つのポイントに注目したいと思います。

 ひとつは「Apple Fitness+のフィットネスコンテンツは1つ」であることです。

 Apple Fitness+には28名の「Fitness+トレーナー」がコーチを務めるキックボクシング、サイクリング、ピラティス、ヨガ、筋力トレーニング、高強度インターバルトレーニング(HIIT)、メディテーション(瞑想)など12種類のワークアウトが用意されています。

 トレーナーがユーザーに語りかける言語、あるいはコンテンツそのものを、日本を含めてサービスを拡大する各地域に向けてローカライズするため入念に時間をかけてきたのだと思いますが、実際に行なわれた最適化の内容はよりきめ細かなものでした。

 日本人のトレーナーを起用して、日本語のみで提供される「日本向けコンテンツ」はありません。代わりに、現在活躍するFitness+トレーナーが「日本語で語りかけながらコーチング」してくれます。

28名のFitness+トレーナーによる12種類のワークアウトを基本とするコンテンツは毎週更新されていますが、ユーザーが楽しめるコンテンツは世界共通。たとえば「日本のみのワークアウトコンテンツ」は今のところないようです

 どのような仕組みかと言えば、トレーナーそれぞれの実際の声をベースにAIで生成したデジタル翻訳音声が使われています。筆者も何人かFitness+トレーナーのAI変換による声を地声と聴き比べてみましたが、ほんとうにそっくりです。機械音声っぽさがなく、とてもスムーズに話しかけてくれるので、ワークアウトに深く集中できます。

ワークアウトを開始後、オーディオトラックを「日本語」に切り替えると、トレーナーが流ちょうな日本語で話し始めました

 筆者はよく知らないのですが、Fitness+トレーナーの中には全米で広く知られるスーパースターがいるのかもしれません。でも、おそらく多くのFitness+トレーナーはアップルが手塩に掛けて育ててきた人材なのだと考えられます。彼女・彼らを、今後も世界的に知られるFitness+トレーナーへと押し上げるためには、「声色を変えることなく、各地域の言語で話せること」が欠かせません。そのためのデジタル翻訳音声を生成する技術について、アップルは長期にわたり周到な準備を重ねてきたのだろうと推察されます。

 なお、トレーナーが英語で話している生声を聞きながら身体を動かしたい方のため、日本語字幕を表示しながらApple Fitness+を実践する方法もあります。ただ、筆者の経験上、デバイスの画面に表示される文字を見ながら身体を動かすことはなかなか大変です。とても自然なデキ映えなので、翻訳音声ガイドを頼りにしながら身体を動かす方をオススメします。

日本語字幕を利用する方法もありますが、筆者は日本語で聞く方がワークアウトに集中できました

Apple Fitness+を無料で楽しむ方法

 2つめにアップルが時間をかけたポイントは、メインのフィットネスコンテンツの周辺に「日本向けコンテンツを用意すること」だったと考えられます。

 先述の通り28人のFitness+コーチによるフィットネス系のコンテンツは世界共通ですが、身体を動かしながら聞きたいオーディオコンテンツ、または比較的狭い部屋で実践しやすいワークアウトをまとめた「狭いスペースでできるおすすめワークアウト」のリストなど、日本のユーザーが楽しく・無理なくワークアウトを続けたくなる工夫が凝らされています。

 オーディオコンテンツについては、YOASOBIの楽曲を集めた特別なプレイリスト「アーティストスポットライト」が公開されました。たとえば、Fitness+トレーナーのキム・ンゴー氏による「筋力トレーニング」ように、メニューリストに「音楽:YOASOBI」と記載されているワークアウトを選んで、好きな音楽を聴きながら身体を動かすこともできます。

YOASOBIの楽曲にハイライトしたワークアウトが揃いました。今後もアーティストスポットライトの種類が増えそうです。ユーザーが有料の音楽サブスクであるApple Musicに登録していなくても、Apple Fitness+に登録していればアーティストスポットライトなど、Fitness+のBGMとして音楽を聞くことができます

 そして、3つめのポイントとして、日本のパートナーとのコラボレーションを丁寧に準備したのかもしれません。Apple Fitness+の日本上陸にあわせて、KDDIがauとUQ mobileのプランに加入するユーザーを対象に最大3ヵ月間の無料キャンペーンを実施することを明らかにしています。今後、日本ローカルのパートナーによる特別オファーが続けて発表されそうです。

 なお、こちらは日本ローカルの取り組みではありませんが、エニタイムフィットネスの会員はメンバーシップに含まれるサービスとして、Apple Fitness+が無料で利用できるようになります。

 筆者もエニタイムフィットネスの会員なので、さっそく無料登録に申し込んでみました。iOSのエニタイムフィットネスアプリをダウンロードして、ガイダンスに従って会員情報の認証を行ないます。会員情報とアプリをひもづけるためには、ジムに入室する時に必要なIC鍵である「キーフォブ」に記載されているIDをアプリから入力するか、またはメールアドレスによる承認プロセスを経る必要があります。

ICキーでエニタイムフィットネスの会員情報を連携すると、エニタイムフィットネスアプリの方からFitness+のコンテンツに遷移して無料で楽しむことができます

人気のトレーナーが語る「フィットネス習慣を身につける方法」

 Apple Fitness+の日本上陸に合わせて、21日にApple 表参道でローンチイベントが開催されました。

 会場にはアップル本社からフィットネステクノロジー シニアディレクターであるジュールズ・アーニー氏が来日。Apple Fitness+を「毎日忙しく活躍する日本の皆様の健康を支えるサービスになりたい」と期待を込めて語りました。

アップルのフィットネステクノロジー シニアディレクターであるジュールズ・アーニー氏が、国内で開かれたApple Fitness+の日本ローンチイベントに参加しました

 Apple Fitness+は「ユーザーの背中をほんの少しだけ押してあげる」ことによって、日ごろ“あと回し”になりがちな健康増進・維持のためのアクティビティを実践する習慣を付けてもらえるサービスなのだと、アーニー氏は胸を張ります。

 アーニー氏は「ユーザーに気に入ってもらえるポイント」として、Apple Fitness+の「3つの特徴」をステージ上で語りました。

 「ひとつは素晴らしいFitness+トレーナーのチームがあることです。もうひとつ、Apple Watchやイヤホンで計測しているアクティビティの指標を、画面上でリアルタイムに確認できる機能など、ユーザーのモチベーション維持をサポートする仕組みが充実しています。そして3つめとして、いつでも・どこでも実践できるワークアウトのコンテンツが揃っています。私も久しぶりに日本に来て、まず最初にホテルの部屋でFitness+のワークアウトをしました。ユーザーがワークアウトを“続けやすい環境”がここにあると実感しました」

 イベントの開催に合わせて、3名の現役Fitness+トレーナーも来日して、ステージに立ちました。

人気のFitness+トレーナーもイベントのためアメリカから駆け付けました

 各氏はApple Fitness+の魅力について、バラエティーにも富むさまざまなワークアウトのコンテンツが揃っていることや、音楽を聞いて気分を高めながら没入できることなどを挙げていました。

 また「ワークアウトを長続きさせるコツ」についても、3名が次のように答えています。

 サイクリング、トレッドミルを専門とするトレーナーのシェリカ・ホルマン氏は「無理のない範囲でスモールスタートを心がけること。Apple Fitness+に揃っている5~10分前後の短めなワークアウトを見つけて、活用してもらいたい」と話しています。

 ヨガのトレーナーとして活躍する飯田クライン“ダイス”・大介氏は「忙しい人や、すでにほかのダンスやレッスン形式のワークアウト教室などに通っている方も、本格的に身体を動かす前後のストレッチにFitness+を利用してみてはどうか?」と提案していました。

 筋力トレーニングや高強度インターバルトレーニングを専門とするキム・ンゴー氏も、Apple Fitness+のアプリに搭載された「カスタムプラン」の機能を使って、ワークアウトを実践するペースを自分でコントロールしながら無理なく続けてほしいと語っていました。

自分のペースで体操やウォーキングを楽しむのもアリ

 筆者も自分の体力維持のため、これまでにさまざまなフィットネス系のサービスに触れてきました。長続きさせるためのコツは「毎日やれないなら、たまにで良し」と諦めることだと心得ています。自分に過度のプレッシャーをかけることは禁物です。

 Apple Fitness+にも、自宅で5分間だけ身体を体操感覚で動かしながらマイペースで楽しめる「マインドフルクールダウン」系のワークアウトが充実しています。または日本独自のコンテンツとして公開された、タレントの渡辺直美、山下智久がそれぞれにナレーターを担当する「ウォーキングの時間」のオーディオコンテンツを聞きながら、のんびりとウォーキングを楽しむのも良いと思います。

ウォーキング愛好家のための音声コンテンツも収録されています

 ガジェットが好きな方であれば、iPhoneとApple Watch、AirPods Pro 3によるワークアウト連携がとても優秀なことを体感してみることが、継続的に身体をきっかけになるかもしれません。

 1ヵ月の無料トライアル期間もあるので、各自それぞれのアプローチでApple Fitness+に触れてみてください。

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

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