「第六感、揺さぶる」ソニー、究極の静寂と音質を両立した「WF-1000XM6」発表。世界最高峰のエンジニアと共創
2026年02月13日 09時16分更新
ソニーは2月13日、ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「WF-1000XM6」を発表した。価格はオープンプライスで、2月27日の発売を予定している。直販価格は4万4450円。
コンセプトは「第六感、揺さぶる 〜サウンドエンジニアとの共創〜」。音質、ノイズキャンセリング(NC)、装着性、接続安定性、通話品質の5つの要素を徹底的に強化している。
また、昨年登場したヘッドホン「WH-1000XM6」にも新色のサンドピンクを追加。同じく2月27日に発売する。ピンクのカラーバリエーションは「WH-1000XM5」(Smorky Pink)でも提供されていたが、異なるテイストに仕上げている。
従来機種のメリットがすべて強化された新機種
音質面では、ヘッドホンのWH-1000XM6同様、世界的なマスタリングエンジニアと共創。音の細部を詰め、アーティストの意図や表現を忠実に再現する音作りを目指した。
エンジニアにはSterlingsoundのランディ・メリル氏、クリス・ゲーリンジャー氏、Coast Masteringのマイケル・ロマノフスキ氏、Battery Studiosのマイク・ピアセンティーニ氏などが名を連ねている。いずれも世界的なアーティストや大作映画の音楽を手がけ、グラミー賞などの受賞歴も持つ人々だ。
以下、WF-1000XM5との違いを順に紹介していこう。
音質の改善ポイント
まずは音質面から。8.4mm口径のドライバーは新開発。
振動板の周囲に柔らかなエッジを備え、振動板の可動域を大きく(振幅を深く)取れる仕組みにしている。これは低域の再現性を高めるのに有効。さらに、低域の滑らかさと高域の伸びを両立するためにエッジ部分にノッチを設け(切れ込みを入れ)、歪みが少なく、解像感の高いサウンドを実現している。
ノッチの採用は、共振の抑制と分散に効果がある。高域の再現には正確で小刻みな振動が必要となるが、柔らかなエッジは変形がしやすく、高域が暴れやすいという副作用もある。ノッチを設けることで、高域に余計な響きが乗る弊害を抑制できるのだという。
信号処理に使用する「統合プロセッサー V2」の使い方も変更。チップ自体は変わらないが、プログラムを更新し、内部の信号処理が24bitから32biに拡張されている。
これはWH-1000XM6では、これはノイズキャンセル処理などの制御に使用する「QN2e」が、アナログ変換処理(DAC性能)を向上させた新開発の「QN3e」に変わったことが大きい。
QN3eの性能が上がったことで、統合プロセッサーV2が担当する処理を増やすことができた。結果、音質の改善に加えて、後述するアダプティブNCオプティマイザーの処理、接続安定性や通話安定性を高めるための処理も担当できるようになったという。
ノイズキャンセリング性能と通話品質の改善
業界最高クラスを謳うアクティブ・ノイズキャンセリングの搭載は、WF-1000Xシリーズが共通して持つ特徴だ。WF-1000XM6では、その性能が前モデルに対してさらに約25%向上している。
WF-1000XM6では、イヤホンの外側に向けて配置したフィードフォワードマイクが左右1基ずつ追加されており、両耳で合計8個のマイクが搭載されている。このマイクを処理速度が3倍となったQN3eで効果的に制御し、周囲の騒音をより正確に把握/高精度に処理できるようになった。
装着状態や周囲の環境をリアルタイムで分析する「アダプティブNCオプティマイザー」の導入も注目のポイントだ。(FFマイクとFBマイクの差分などから)個人性がある装着状態などもリアルタイムに監視し、最適なノイズ低減を図る、進化したノイズキャンセリング機能である。
加えて、WF-1000XM6では、イヤホン自体の遮音性(パッシブNC)と逆位相の波でノイズを打ち消す信号処理(アクティブNC)のバランスも再検討。イヤホン自体の遮音性を高めすぎた際に生じる閉塞感を軽減する仕組みを取り入れ、強力な消音性能を維持しつつ、耳の形状に左右されない自然な静寂を提供できるようになった。
外音取り込みの自然さも増しているほか、イヤホンのハウジングに設けた新たな通気構造により、足音や咀嚼音など、体内から発せられるノイズ音の影響も大幅に低減している。
通話品質も過去最高を更新。骨伝導センサーとAIビームフォーミングでユーザーの声を的確に捉えることに加え、LE Audioのスーパーワイドバンド通話にも対応。クリアな音声の伝送が可能となった。
装着性の改善
本体は幾何学的で洗練されたノイズレスな外観に仕上げ、耳への干渉を抑えたエルゴノミック・サーフェス・デザインによって安定した装着が可能だ。本体の幅は前モデルから約11%スリム化。結果、耳輪脚や対珠との接触が抑えられ快適性が増したという。
重量は片耳約6.5gで、ケースは約47g。持ち運びの重量は約60gとなる。丸みを帯びた筐体は風切り音の低減にも効果があるという。
接続性の改善
接続性については、アンテナサイズ(面積)を約1.5倍に拡大。ソニー独自のアルゴリズムの導入によって、通勤ラッシュ時の駅や繁華街など、人が多く混雑した環境でも途切れない安定性を確保した。
連続再生時間はNCオン時で最大8時間(ケース充電併用で24時間)。5分で1時間再生の急速充電やワイヤレス充電も可能だ。本体はIPX4の防滴仕様だ。Bluetoothでハイレゾ級の伝送が可能なLDACコーデックやDSEE Extremeなどにも対応する。
専用アプリのSound Connectを通じて設定変更が可能。もともと機能が豊富なシリーズだが、10バンドに増えたEQやセーフリスニング 2.0、BGMエフェクト、マルチポイント接続の強化(後勝ち設定が可能に)、ボイスコントロールやいたわり充電(上限80%)、自動パワーセーブ(20%以下)などさらに強化された機能も多い。
カラーはブラックとプラチナシルバーの2色展開となる。
低域の抜け感が向上、空間の広がりと音の見通しが改善
短時間だが、WF-1000XM6とWF-1000XM5を比較試聴する機会も得られた。ソース機にはXperiaの最新機種を使用し、楽曲はMrs. GREEN APPLEの「ライラック」とサカナクションの「怪獣」を選んだ。
まずはライラックから。パッと聞いて感じたのは、高域と低域のメリハリ感が強い、よりはっきりとしたサウンドになったということだ。最初はドンシャリ感が少し増したようにも聞こえたが、曲が進んで耳が慣れてくると、低域の沈み込みや切り込み感など、質がかなり上がっていることに気付いた。
ベースラインやバスドラムなどが空間にパスンと浮かび上がる、心地よい押し出し感のあるサウンドだった。一方で、高域は少し荒いというかノイジーな感じもあったが、これは美音系というよりは忠実再現寄りの正確な音の再現を重視したキャラクターであるためと見ることもできそうだ。
次に怪獣だが、声が空間にポンと立ち上がるような抜けの良さがまず印象的。ベース、ドラム、手拍子的なノイズなども明瞭に聞こえ、アタックが全体的によくなる感じがあった。
デジタル的な生硬さをちょっと感じる面もあったのだが、リズムが正確に刻まれ、タイトで歯切れいい音になっているのが好印象だった。WF-1000XM5が最近のイヤホンで増えてきた音場が広く開放的なサウンドだとすると、WF-1000XM6はそこから贅肉を削ぎ落とした、よりストイックな音になった印象もある。個々の楽器音や声=直接音がどんな音なのかが的確に把握できる仕上がりになった。
実際に音を聞く際には、音量をかなり大きめの設定にしたほうが、しっくりとくるトーンバランスになる。エンジニアがスタジオで音をチェックする際には、かなり大きな音量の設定にしているようだが、本気もふだんより少し大きな音で聞いてみると、楽曲の持つ膨大な情報量から埋もれていたニュアンスを拾えるかもしれない。
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