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CES 2026を歩き回って感じた「体験」を重視するPC業界の潮流

「AI搭載」「スペック2倍」は、もはやPCを買う理由にならない。

2026年01月16日 08時00分更新

問われるのは、数値を体験に結びつける設計力

 なぜ、このような変化が起き始めているのか──その背景は複数の要素が絡み合っているが、ひとつは(現時点における)ハードウェアの十分な成熟も関わっていると私は考える。

 従来は、1年ごとにCPUやGPUの性能が“体感できるレベルで”大幅に向上していた。そのため「今年のモデルは性能が高い」というだけで、製品の魅力が明確に伝わった。

 しかし特にここ数年、チップの性能は十分に高く、前年度モデルとの数値上の差が仮に大きくても“体感としては現れにくい”段階にまで達してきた。

 3時間かかっていた作業が、2時間になる。これは明確な価値だ。だが、2時間かかっていた作業が、1時間50分になる。これはどうだろう? 価値はあるが、そのためだけに20万円、30万円というお金を出費する人は、マジョリティーとは言いにくいかもしれない。

 「性能X倍」といった“何よりも強かった”売り文句が、購入動機としての力を持ちにくくなってきたことも、「体験」が物語の主役になり始めた理由のひとつだろう。

 「顔認識AIによる先進的な機能を搭載」よりも「画面が話者の顔を追従してくれる」、「処理性能が1.5倍になっている」ではなく「このサイズなのに、ハイグラフィックなゲームを十分に楽しめる」。

 2026年は「数値を実際の体験価値に変換する、総合的なデザイン力」が、PCの競争軸として、これまで以上にはっきりと存在感を示し始めた年──これが、私がCES 2026の取材を通じて感じたことだ。

少しずつ、メインの競争軸にも変化が現れるのかもしれない

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