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CES 2026で実機を披露! AMDが発表した最先端AIラックHeliosの最新仕様を独自解説

2026年01月12日 12時00分更新

 CES 2026におけるAMDの発表はドリル北村氏の基調講演レポート、コンシューマー向け製品に関する詳細はKTU氏のAMD発表まとめで説明されているので、それ以外の話を紹介したい。

 といっても話題としてはHeliosの話と、基調講演で触れられなかったRyzen AI Embeddedの話しかない。今回は基調講演に出てきたHelios絡みの話をもう少し砕いて説明したい。

 Heliosの話は851回で紹介しているが、NVIDIAのRubin対抗となるラックベースのソリューションである。実はこの図が間違っていたので、その訂正も含んでの説明である。

連載851回で筆者が想定したHeliosの中身。InfinityFabric Switch×9は×6の間違い

幅が従来のラックのほぼ倍に近いHelios

 まずHeliosの構成要素であるが、ラックそのものはOCPのDouble-Wide Rack(ORW:Open Rack Wide)を利用する。ORWそのものはMetaが2025年10月に発表したもので、Heliosはこれを利用する最初の製品の1つとなる。幅が従来のラックのほぼ倍近いということで、1本のシャーシのゆとりもかなり大きくなる。

CES 2026の基調講演でHeliosブレードを示すLisa Su CEO

 NVIDIAのVera Rubin Compute Trayが、がんばってVera×2+Rubin×4を収めていたのに対し、Heliosのシャーシにはかなりゆとりがあるように見える。このシャーシの中にMI455X×4とVenice、それにVulcano×12、Salina×1が収まる構造だ。なお、Vulcanoは2チップで1枚分のカードになるようなので、カードとしては6枚分となる。

かなりゆとりがあるように見えるHeliosのシャーシ。といっても、これは冷却液の配管などがない状態なので、実際にはこちらも実装するとかなりごちゃごちゃになりそうではある

 ここからわかるのは、シャーシ間のScale-up Networkはおそらくインフィニティ・ファブリックではなくUAL(Ultra Accelerator Link)を使い、シャーシあたり800G×6が出ることと、ラック間のScale-out Networkには400Gイーサネットがシャーシあたり1本出ること。

基調講演で公開されたHeliosの実機。以前の記事でInfinityFabric Switch×9と書いたが、どう見ても6本しかスイッチがない。NVL72の構成に引っ張られすぎでつい9本と書いてしまった

 そしてPensando VulcanoはPCIeとUALのI/Fしか持たないので、NVIDIAのNVLinkと異なり、直接MI455Xに接続できないように思われる。可能性がゼロではないが、Vulcanoの数とMI455Xの数が一致していないので、FrontierのようにMI250Xから直接Slingshot-11のI/Fに接続する構図ではないと考えられる。

 したがってMI455XはVeniceとインフィニティ・ファブリックで接続され、VeniceとVolcano×6がPCIe Gen6 x16でつながっていると予測される。同様に、SalinaもVeniceに接続されているものと考えられる。 というあたりだ。

 このScale-upにはUALを使うという推定にはもう1つ根拠がある。HPEの2025年12月2日のリリースによれば「AIの学習と推論性能を強化するために専用設計されたHPE Juniper Networkingのハードウェアとソフトウェア、BroadcomのTomahawk 6ネットワークチップを活用し、オープン規格UALoE(UAL over Ethernet)をベースに構築される」と明記されており、Heliosに含まれるScale-up SwitchはHPE Juniperが開発したUALベースのものであることが明らかであるからだ。

 そのUALoEだが、UALは200GBASE-KR1/CR1・400GBASE-KR2/CR2・800GBASE-KR4/CR4という銅配線を利用した200Gbpsのイーサネット規格の物理層を利用して実装される仕様なので、標準状態でUALはイーサネット上に載っている。

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