「Ryzen 7 9850X3D」は今年第1四半期発売! AMDのCES 2026発表で気になったことまとめ
2026年01月06日 12時30分更新
NPUが60AI TOPSに到達した「Ryzen AI 400シリーズ」
AMDもコンシューマー向けの切り札として、今年も「AI PC」を強く推していくようだ。高性能なAIをローカル環境で動かせれば、プライバシーを保護しつつ自由に作業できる。オンラインのサービスでは回数にひっかかる処理でもローカルなら存分に試せる。そのためには高性能なAI性能、つまり高いTOPSを備えたPCが必要だ。
そこでAMDが投入するのが開発コードネーム「Gorgon Point」で知られていたモバイル向けCPU「Ryzen AI 400シリーズ」である。CPUとGPUだけでなくNPU性能も高次元でバランス良く搭載することで、次世代のAIであっても持ち運びできるPCで運用できることを意図している。
今回発表されたのは「Ryzen AI 9 HX 475」を筆頭に7モデル。資料で公開された範囲のスペックを見ると、既存の「Ryzen AI 300シリーズ」をベースにクロックを引き上げたマイナーチェンジ版と考えるのが自然である。CPUコアはZen 5(資料に記述はないがZen 5cコアも含まれているだろう)、内蔵GPUはRDNA 3.5ベースとアーキテクチャーもほぼそのまま継承。ただメモリークロックは最大LPDDR5x-8533(従来はLPDDR5x-8000)に引き上げられている。
そして内蔵NPUはRyzen AI 9 HX 375の55TOPSを超える60TOPSに到達。ただしこれは最上位のRyzen AI 9 HX 475のみの特徴であって、下位モデルは50ないし55TOPSとなっている。インテルのPanther Lakeが搭載するNPUが50TOPSであるため、NPUの処理性能は(一部モデルを除けば)AMDとインテルが並ぶことになる。
Ryzen AI 9 HX 470(TDP28W)とCore Ultra V 288V(TDP30W)との比較。全ての項目においてRyzen AI 9 HX 470が勝っているというデータ。ただインテル側はPanther Lakeではなくコア数の少ないLunar Lakeであるため、全てにおいてRyzen圧勝と捉えるのは早計である
モバイル向けAPUでもgpt-oss-120bが動く! ということで話題を集めた「Ryzen AI Max+ 300シリーズ」に新モデルが追加されたので軽く触れておこう。基本設計そのものは既存のAI Max+シリーズと変わっていない。新たに追加された「Ryzen AI Max+ 392」「同 388」の2モデルはそれぞれ「Ryzen AI Max+ 390」「同385」の上位モデルとなる製品だが、どちらもNPUが32TOPSから40TOPSに強化、さらにGPUの演算性能が48TFLOPSから60TFLOPSに強化。NPUやGPU性能においてRyzen AI Max+ 395と比肩する性能を獲得したわけだ。
CPUのコア数においてはRyzen AI Max+ 395が王者であることは変わりないが、今どきのAIを使う上でGPU性能の方が重要であることを考えると、ユーザーニーズに合わせたモデル追加といえるだろう。
Ryzen AI Max+ 300シリーズに追加されたモデルは黄色っぽい文字で記載された2モデル。どちらもNPUとGPUの性能がRyzen AI Max+ 395と同レベルに引き上げられている一方、CPUコア数が少ない
PC業界厳冬期ゆえ、静かな発表に終わる
CES 2026におけるAMDの発表は、ここ数年の中でもいちばん地味であったと言わざるを得ない。自作PC向けで唯一の新製品といえるRyzen 7 9850X3Dは高クロックで回るZen 5のダイに新しい型番を与えることで販売価格もリセットしたい、という大人の事情が絡んでいそうな印象すらある(ここはあくまで筆者の妄想である)。
とはいえ、メモリーを筆頭にあらゆるパーツ相場が狂乱を極めている今、下手に新製品が出ても購買意欲が沸かないと考えれば、新製品発表がなくて良かったと考える。この狂乱相場がどこまで持続するか見当も付かないが、AMDにはこの鬱屈とした業界の空気を一変させる新製品をいつか発表してくれると信じている。
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