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正直ナメてた……BYDの「ATTO 3」で長距離を走ったら、想像以上に“使えるEV”だった

2025年12月30日 12時00分更新

東京から福島へ。「470km」は伊達じゃない

 今回はATTO 3で、都内から郡山まで遊びに行ってみることにしました。東北自動車道・浦和料金所を通過した段階で、バッテリー残量が69%。果たしてどこまで走れるのでしょうか?

 高速道路はかなり快適。思ったよりもフラットライドで、変な柔らかさや硬さを感じることはありません。また静粛性も高く、BEVということもあってワンランク上のクルマという印象を受けます。

 運転支援任せで、ひたすら北へ走行。充電ナシで郡山中央スマートICまで行けそうなのですが、降りてから充電場所を探すより高速道路で充電した方がいいと思い、バッテリー残量は19%を残した状態で安積PAで充電することにしました。走行距離としては約200km。50%分の電力を消費したということで、満充電で470㎞走行可能という話は、大袈裟な話ではなさそうです。

 90kW級の急速充電器と車両をつなげて30分充電。90kW近い電力で充電したら、残量が68%まで回復しました。これだけ電力があれば市内で充電する必要はなさそうです。

 郡山中央スマートICを出て郡山駅東口に到着。バッテリー残量は63%で、まだ余裕がありました。ここで前乗りしている人と待ち合わせ。

地方で突きつけられる充電インフラの現実

 その後、郡山駅から下道を走って、二本松という場所にある岳温泉へ。温泉を堪能して、バッテリー残量が45%になっていたことから「これは充電しておこう」と近くの道の駅で充電しようとしたら、機械が壊れていることが発覚! というより、午前9時から午後5時30分までしか使えないという事実に唖然……。

 翌日は東北サファリパークにお邪魔。この時点でバッテリー残量は33%。どこかで充電しなければ東京に戻ることはできません。とりあえず東北自動車道・二本松ICに乗ります。

 安達太良SAに到着し充電開始。バッテリー残量は31%で、人間もその間に食事。なのですが、入店から注文、到着して食べて決済し、クルマに戻るまで30分というのは意外とせわしなく。せっかくハンバーグとエビフライという美味しそうなメニューを頼み、事実美味しかったのに、せわしなく食べたのは心残りでした。

 車両は80%まで充電でき、残り400km走れる状態になり、これなら都内の我が家(約260km)までは楽勝! と思いきや……。

 帰りは上り坂メインだったからなのかわかりませんが、帰ってみたら残り18%と意外と減ったという印象。翌日、日産系ディーラーで充電したのでした。

【まとめ】BYDの仕上がりはかなり良い
あとはインフラ。課題はクルマ以外にある

 このように、都内から福島県なら1回の途中充電で行けるということがわかったとともに、長時間乗りながら「BYDって、失礼だけど意外とマトモ」と感心しきり。サイズ感も良いですし、なにより418万円からというプライスタグは「ガソリンエンジン車と変わらない」わけで、電気自動車は割高という時代は終わりつつあるように思いました。

 一方、壊れた充電器を見て「インフラって大事だなぁ」とも。電気自動車の普及を考えるなら、充電器を設置したら終わりではなく、保守についても考えなければ意味はないように思いました。

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