週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

正直ナメてた……BYDの「ATTO 3」で長距離を走ったら、想像以上に“使えるEV”だった

2025年12月30日 12時00分更新

BYD/ATTO 3(418万円~)

 BYDが日本に上陸して早くも3年が経ちます。その初期導入モデルだったSUVの「ATTO 3」をASCII.jpで紹介したことがないので、今回は長距離ドライブをしながらどのようなクルマなのか試してみました。

CセグSUVとしては十分すぎる航続距離470km

 ATTO 3は、いわゆるCセグメント(全長4.2~4.6m程度の中型車)のSUVに属するクルマ。WLTCモードで470kmという航続距離を誇るBEV(バッテリー電気自動車)です。

 ボディーサイズは全長4455×全幅1875×全高1615mm。導入初期はリアに「Build Your Dreams」というロゴがあったのですが、気づけば「BYD」に変更されていました。そう、ATTO 3は2024年に商品改良していたのです。

 1.9m以下という車幅は、コインパーキングの枠にピッタリと収まります。幅が収まると何がよいって、隣にクルマが停まっている時にドアパンチしづらい(されづらい)のと、車庫枠ギリギリを狙っていたらロック板にホイールをガリガリっとしてしまうリスクが減ること。都心部では車幅の狭い車庫って本当に多いんですよね……。

 荷室容量は440リットルとCセグメントSUVとしては標準的。後席の背もたれを倒すと、ほぼフラットになるのは美質ですが、背もたれを倒す際に後席ヘッドレスト近くの紐を引っ張らなければならず、いちいち後席に回らなければならないのは、ちょっと面倒だったりします。荷室の床下にはタイヤ修理キットなどがありました。

V2H対応で「走る蓄電池」にもなる

 フロントに積まれる駆動用モーターは最高出力204馬力を発生し、前輪に伝えます。電気自動車というと、フロントにもラゲッジスペースがあったりしますが、ATTO 3にはありません。

 充電ポートは車両右リアタイヤ近傍に配置。駆動用のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの容量は58.56kWhで、一充電走行距離は470km(WLTCモード)が公称値。電力を住宅などに活用できるV2H(Vehicle to Home)にも対応しています。

初見は戸惑うけど、慣れるとクセになる内装

 インテリアはちょっと独特。言い方を変えると、かなりクセが強く、初見時は何が起きたのかと驚くこと間違いナシ。ですが使い込んでいくと「コレは結構考えられているなぁ」と感心したりもします。シート表皮は人工皮革で、ヒーターや電動調整機能も用意されています。

 クセが強いデザインはドアにも表れており、たとえばツイーターユニットの上にドアノブを配置したり、ラゲッジスペースのゴム紐は指ではじくと「ド・ミ・ソ」みたいな音が出ます。子どもはきっと喜ぶだろうなぁと思いながら使ってみると、これが意外と使い勝手がよかったりするから不思議です。

 センターコンソールに置かれたドライブモードセレクターも「この形は……」と思うのですが、触ると「意外と使い勝手がいいかも」と。エアコンの送風口も独特のデザインですが、これまた「あれ?」と思ったりも。「これがチャイナデザインなのか?」と思いきや、実はアウディグループに在籍していたデザイナーのヴォルフガング・エッガー氏が関わっているというから驚きです。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事