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MSI「MPG B860I EDGE TI WIFI」レビュー

知識と経験が問われるMini-ITXでのホワイトミニゲーミングPC自作。基板まで白いIntel B860搭載マザーボード選びの最適解が見つかった

2025年12月27日 15時00分更新

文● 石川ひさよし 編集●三宅/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

 インターフェースでは、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 2 Type-C×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A、USB 3.2 Gen 1×6、USB 2.0×2、HDMI、5GbE、Wi-Fi 7、オーディオ入出力、S/PDIF。バックパネルにはクリアCMOSおよびFlash BIOSボタンを備える。なお、バックプレートもここに接続するWi-Fiアンテナもホワイトだ。

豊富というわけではないが各種高速I/Fが魅力。Thunderbolt 4に5GbE、Wi-Fi 7があれば快適さが得られる

アンテナもホワイトのものが付属する

 MPG B860I EDGE TI WIFIの主なスペックをまとめておこう。

MPG B860I EDGE TI WIFI
CPUソケット Intel LGA1851(Core Ultra 200S)
メモリスロット DDR5 DIMM×2(DDR5-4800~6400、OC:DDR5-6400~8600)
拡張スロット PCI Express 5.0 x16×1
ストレージ M.2スロット×2(PCI Express 5.0 x4×1、PCI Express 4.0 x4×1)、Serial ATA×2
ネットワーク 5GbE、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
インターフェース Thunderbolt 4(DP Alt-mode対応、15W PD対応)、USB 3.2 Gen 2 Type-C×2(1基はフロント)、USB 3.2 Gen 2×1、USB 3.2 Gen 1×6、USB 2.0×2、オーディオ入出力×2、S/PDIF×1
付属品 Wi-Fiアンテナ、ARGB延長ケーブル、EZ Front Panelケーブルなど

 以上からイメージできるだろうか。ATXや一部microATXのように、ビデオカード+αといった機能を内蔵することは難しいが、ゲーミングPCとして十分に成立する基本仕様は備えている。αの部分はThunderbolt 4などに任せられればそれでよし。外部に出せば、内部の熱やノイズといった問題からも解放される。ストレージについては不足するならNASのようにネットワーク接続という方法もある。ここも5GbEやWi-Fi 7が速度面での不満を押さえてくれるはずだ。

確かな電源設計、念入りな冷却設計、そして自作PCをサポートしてくれるEZ DIY

 Mini-ITXで重視したいのはVRM。小さなMini-ITXの中にどれだけ豪華な電源回路を組んでいるのか、どれだけ高効率・低発熱かが問われる。MPG B860I EDGE TI WIFIは8+1+1+1フェーズという構成だ。Mini-ITXサイズでもハイエンドモデルらしいフェーズ数だが、肝心なのは部品。CPUのVcore用には110AのSmart Power Stageを採用しており、ハイエンドCPUの要求電力に応える設計だ。また、Mini-ITXが高価になりがちなのが基板。サーバーグレードの12層PCBを用いている。12層PCBにより高密度、高信頼の配線を実現しているわけだ。

CPUソケットの上側に6フェーズ、左側に5フェーズ。合わせて8+1+1+1フェーズ。チョークのサイズも一般的なATXマザーボードのものより小型だ

 ヒートシンクに目を向けてみよう。まずCPUソケット左側にはI/Oシールド部分まで拡大した大型ヒートシンクを採用している。これはMSIマザーボードでは伝統的なスタイルだ。そしてCPUソケット上側にもブロック型ヒートシンクが搭載されている。なお、この2つのヒートシンクはヒートパイプで結ばれている。CPU Vcore用MOSFETがCPUソケットの上側中心に並ぶため、おそらくはより大型なCPUソケット左側のヒートシンクに対して熱輸送、熱分散して冷やす設計と思われる。ほか、MOSFET用サーマルペーストには7W/mk仕様のものが採用されているという。

2ピースのVRMヒートシンクはヒートパイプで結ばれている

接続部分をアップしたところ

 M.2ヒートシンクもかなり肉厚のものが採用されている。ワンタッチではなくネジで着脱するタイプの初代「M.2 Shield Frozr」だ。ヒートシンク裏にはサーマルパッド、M.2スロット側にもSSD裏面用にサーマルパッドが貼られている。また、M.2 SSDの固定はEZ M.2 Clip(クリップをクルッと回して固定する)が採用されているので、これ用に精密ドライバを用意する必要がない。なお、裏面のM.2スロットはヒートシンクなしだ。ケースによっては市販の薄型ヒートシンクを装着したり、高さが低いものならヒートシンク付きのM.2 SSDを搭載したりできると思われるが、エアフローがそこまでよいとは言えない裏面なので、低発熱のSSDを選ぶのが重要だろう。

まるでチョコバーのような厚みのあるM.2ヒートシンク

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