CES2026に向けてインテルの新CPUを復習しておきましょう
3分でわかる「Core Ultra 300」こと「Panther Lake」のすべて
2025年12月29日 00時30分更新
インテルは10月9日に次世代CPU「Panther Lake」の中身を発表した。インテルの最新プロセスである「Intel18A」で生産するのが最大の特徴で、モバイルPC向けのシリーズ3、つまり「Core Ultra 300」シリーズと予想される製品だ。
製品のSKUはCES2026で発表され、PCメーカー各社も搭載機を発表することが予想されているので復習をしておこう。
構成は3種類でNPUは50TOPSに
最上位は内蔵グラフィックを強化
現行のノート用CPUは、「CoreUltra 200Vシリーズ」こと「Lunar Lake」と、「CoreUltra 200U/H/HXシリーズ」の「Arrow Lake」だ。
「Lunar Lake」はPコア×4+LPEコア×4の8コアで最上位の「CoreUltra 9 288V」では17W~37W動作、メインメモリー内蔵で32GB、GPUはXe2コア×8、NPUは48TOPSでCopilot+PCになる。内蔵グラフィックは「Intel Arc 140V」でXe2を8コア搭載する。
「Arrow Lake」は最高でPコア×8+Eコア×16の24コアで、「CoreUltra 9 285HX」では標準が55Wの45~160W動作、メインメモリーは内蔵せず、GPUは「Intel Graphics」でXeコア×4、NPUは13TOPSでCopilot+PCにはならない。
新世代の「Panther Lake」は、「Lunar Lake」の省電力と「Arrow Lake」の高速性のいいとこどりといわれ、3種類の構成が公開された。
①「Panther Lake 8core」
CPUはPコア×4+LPEコア×4
グラフィックスはXe3コア×4
②「Panther Lake 16core」
Pコア×4+Eコア×8+LPEコア×4の16コア
グラフィックスはXe3コア×4
③「Panther Lake 16core 12Xe」
Pコア×4+Eコア×8+LPEコア×4の16コア
グラフィックスはXe3コア×12
②は①にEコア×8を増やしたもので、③ではさらにグラフィックスが4から12に強化されている。
「Panther Lake」の3モデルに共通なのは、Pコアが4基に抑えられていることで、「Arrow Lake」のPコア×8の半分である。また、「Lunar Lake」と異なり、「Arrow Lake」同様にメインメモリーは内蔵しない。そして、CPUコアやNPU、IPUを含むコンピュートタイルはIntel 18Aつまり1.8nm(18Å)プロセスで製造する。また、Pコアは「Cougar Cove」、EコアやLP Eコアは「Darkmont」、Xeコアは「Xe3」となり、アーキテクチャーもバージョンアップしている。
「Panther Lake」の全体性能は「16core 12Xe」で180TOPSで、CPUが10TOPS、NPUが50TOPS、GPUが120TOPSである。
「Lunar Lake」の「Core Ultra 9 288V」は全体で120TOPSで、CPUは5TOPS、NPUが48TOPS、GPUが67TOPSとなる。
「Arrow Lake」の「CoreUltra 9 285HX」は全体が36TOPS、CPUは15TOPS、NPUが13TOPS、GPUが8TOPSだ。
NPUは「Lunar Lake」のNPU4から「Panther Lake」ではNPU5となり、TOPS値は48から50と微増だが、面積は60%に小さくなっている。
GPUは「Lunar Lake」のXe2×8での67TOPSから、「Arrow Lake」のXe3×12では120TOPSとなっている。Xe2では1コアあたり約8.3TOPSが、Xe3では1コアあたり10TOPSという計算になる。
「Lunar Lake」、「Arrow Lake」、「Panther Lake」の上位モデルの違いをまとめると、CPU部のコア数とTOPS値だけでみると、L:A:Pが1対3対2の性能になり「Arrow Lake」の勝ち。
内蔵GPUのL:A:Pは約8対1対15で圧倒的に「PantherLake 16core 12Xe」が強いが、「Panther Lake 8core/16core」の性能はその3分の1なのでL:A:Pは約8対1対5で「Lunar Lake」がまだ強いことになる。
NPUのL:A:Pは約4対1対4で、ここも「Arrow Lake」から「Panter Lake」で大きく強化されている。これらの数値とは別に、プロセスが変わったことで「Panter Lake」は消費電力の低さも大きな魅力となる。
公開された3種類の構成の意味するところは、軽量モバイルノートは「Panther Lake 8core」、dGPUを積むハイエンドノートは「Panther Lake 16core」、ノンdGPUノートでは「PantherLake 16core 12Xe」ということか。待てCES2026ですね...
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