「ホントのところ、アメリカのクルマってどうなの?」ということで、現行キャデラックの中核モデルにして最古参の「XT5」を試乗したところ、これが予想外の大アタリ! 日本車ともドイツ車とも違う、豊かな国の味がタップリの良作でした。
アメ車は本当に“デカくて扱いにくい”のか?
XT5は、全長4825×全幅1915×全高1700mmと、下位モデル「XT4」を少し大きくしたモデル。でも、メルセデス・ベンツ「GLE」に比べると小さく、価格も少しお安い970万円です。「アメ車はデカい」という話を耳にしますし、1900mmを超える車幅は「ちょっと大変」だったりするのも事実です。ですが、GLEは2020mmなので、アメ車だけがデカいわけではありません。イマドキのクルマは基本的に「デカい」のです。
エンジンは最高出力314馬力、最大トルク37.5kg・mを発する3.6L V型6気筒DOHC。ガソリンはハイオク専用で、タンク容量は83Lです。気になるのは3.6Lという排気量。毎年5月に納める自動車税が6万6500円なのです。あと100㏄減れば8500円も減るので、ちょっと納得できないし、そもそもが高すぎますね。これでは売れる物も売れないわけです。
「アメ車って燃費悪いんでしょ?」と思いがち。そこで信号の多い都内を走ってみたところ、リッター6.2kmを記録。国産ハイブリッドに慣れた目からすると「リッター16.2kmじゃないの?」と思ってしまいますが、大排気量の自然吸気エンジンの燃費としては、このくらいかなと。10年前とかなら普通に見た数字ですし、ドイツのスポーツカーたちも、こんな数字です。
コストコも余裕! 850L超の巨大ラゲッジ
それでは荷室を見てみましょう。バックドアはパワーゲート対応ですが、取付位置とボディー形状から、車両のうしろにかなりスペースがないと開かない可能性があります。一方、荷室容量は後席を立てた状態で850リットルと大容量。ザックリ言えば、コンパクトSUVの2倍の容量です。さすがコストコを生んだ国。大量に買っても大丈夫です。
荷室は二重底で、スペアタイヤや工具のほか、何やらアルミのバーが。これはラゲッジスペースの仕切りに使えそうです。
ラゲッジスペース側から後席が倒せるのは美質。しかも、完全フルフラットになります。日本車では当たり前の機能ですが、輸入車で完全フルフラットになるクルマは少ないのです。同様にラゲッジ側から倒す機構も、ありそうでありません。
後席は足元がかなり広いだけでなく、四輪駆動車なのに床面がフラットであることに驚き。USBはType-AとType-Cの2種類を用意します。レザーの質感はとてもよく、ぶ厚い革を丁寧になめしていることがわかる肌触り。ドイツやイタリアとは異なる、アメリカのリッチネス(豊かさ、高級感)を感じます。
運転席側のドアを開けると、Bピラーの下に「BUILT WITH PRIDE」と書かれた、テネシー州で作られたことを明かすシールが目に飛び込んできました。昼はクルマを造り、夜はジャックダニエルで乾杯という生活をしているのかもしれません(勝手なイメージ)。
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