週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

シグマのズームレンズは驚きの軽さと扱いやすさで猫撮り散歩がもっと楽しく快適に!

びよんと伸びたしっぽが可愛かった白猫(ちょっとチャトラ入り)。斜面に座ったため、ちょっと身体がくねっとしてるのがまたよいのであった。2025年12月 ソニー α7C II

 前回、タムロンの「25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2」という、超便利で人間が堕落しそうなズームレンズを使って猫を撮る話をしたわけなのだが、実はその数ヵ月前、シグマからも人間を堕落させるレンズが出ていたのである(猫撮り散歩に最高! 軽くて取り回し抜群のタムロンレンズで撮ると日常がこんなに楽しくなる)。

シグマの人を堕落させる望遠レンズ
「CONTEMPORARY 20–200mm F3.5–6.3 DG」

 こっちは「CONTEMPORARY 20–200mm F3.5–6.3 DG」という名称。数字のところだけを見ればいい。タムロンは「25-200mm」。シグマは「20-200mm」。広角側が強いのだ。こんな高倍率ズームレンズで20mmスタートなんて見たことない。

 もうひとつF値の部分。タムロンは広角側でF2.8、望遠側でF5.6。シグマはF3.5とF6.3。この数字は小さい方がエラいので、スペック的にはタムロンがちょっと上だ。

 ほかにも違いはいろいろあるのだけど、どちらを選ぶか悩ましいところ。で、今回はシグマの20-200mmを紹介する。

ソニーのα7C IIに装着した20-200mm。α7C IIにも似合うサイズ感。このセットだと全体にコンパクトで済んでいいのですよね

 せっかくなので、ちょっとした日常の外出時もこのセットを持ってでかけるようにしてみたら、いい感じで猫と遭遇。それも閉鎖されて人が入れない暗渠沿いの擁壁の上。200mmまで伸ばすと暗渠感が薄れてしまうので、ちょっとひかえめに、立入禁止な暗渠の雑然とした感じが残るようにしてみた。

暗渠と猫。暗渠の雰囲気が伝わる焦点距離で狙ってみた。高いところにちょこんと座ってる。2025年12月 ソニー α7C II

 この顔が薄い茶色のこの猫、近所のガレージにちょこんと座っていたのだ。こちらは200mmで。普通の座り姿なのだけど、尻尾がにょろんと伸びているのが妙になまめかしかったので冒頭写真にしてみた。

 この座ってる写真を撮って猫と見つめあっていたら、間に別の人が通りがかって猫が驚いて引っ込んでしまい、どこへいったかなと思ったら、暗渠の上にいたという流れだ。

 お次は都心で偶然出会った猫。まさかそこにいるとは思わなかったので横顔しか撮れなかったけど、とっさに望遠にして撮れるのはありがたやのキジシロである。

突然出会ったキジシロ。このときこちらは10人ちょっとで歩いていたので驚かせてしまった。2025年12月 ソニー α7C II

 どこで出会ったか、詳しくは書かないけど東京都千代田区。あ、と思ったらこちらに気づいて、とことこと森の中に去ってしまった。繰り返すが、千代田区です。あえて望遠にはせず、その場の雰囲気がわかるようちょっと広めに撮ってみた。

森の中のけもの道を去って行くキジシロ。あとをついていきたくなるけど、立入禁止区域なのだった。2025年12月 ソニー α7C II

 高倍率ズームレンズ持ってると、ついついアップで撮ろうと望遠端までひっぱっちゃいがちだけど、時にはあえて寄らないことも大事である。屋外で出会う猫となると、どうしても望遠がメインになっちゃうのだけどね。

家と塀の間にちょこんと座ってるのを発見した薄茶のハチワレ。手前に水道の蛇口をぼかしていれてみた。2025年12月 ソニー α7C II

 なので、例によってまた室内へ行くのである。20mmの超広角で猫。最近はスマホの超広角カメラが13mm相当とか14mm相当になってるので、超広角写真なんて見慣れてるだろうけど、高倍率ズームレンズで20mmスタートってのは画期的なのだ。超広角でぐぐっと近づいてにらみ合ってみた。

20mmでぐぐっと近づいてみたら睨まれてしまった。人なつこい猫なので逃げないでいてくれたのはありがたい。2025年12月 ソニー α7C II

 続いて中望遠マクロ。実はこのレンズ、28-85mmの間はほかよりぐぐと寄ってめちゃ近くから撮れるのである。ハーフマクロ撮影に対応しているのが魅力だと思う。85mmで寄れるってのはすごくいい。このくらいのアップで瞳を撮れるのだ。

ケージの中にいた薄茶と白の「明石」。窓からの陽射しがあたって瞳孔がめちゃ細くなってる。2025年12月 ソニー α7C II

 どのくらい細かいところまで写っているのか。この写真をさらにトリミングして、瞳部分をアップにしてみた。ちょうど西日が入ってたので、瞳孔が超細くなってるのがよくわかる。

先ほどの写真の目元だけをトリミングしてみた。すっごく細かいとこまで描写できてるのがわかると思う。こんな風になっているのですな。2025年12月 ソニー α7C II

 せっかくなので最後にもう1枚顔のアップを。まだ人慣れしてない猫でケージの奥に隠れていたので、ちょいと薄暗く、瞳孔もちょっと大きい。同じ時間帯の同じ部屋の中でも、ちょっとした明るさの違いでこれだけ違いが出るのだ。

人慣れしてない猫なので近づきすぎて脅かさないよう気をつけつつ顔のアップ。影にいたので瞳孔もちょっと開いてる。2025年12月 ソニー α7C II

 もっと暗くなると瞳孔もまん丸に近づいていくわけで、わたしは猫らしい縦に細くなってる瞳が猫っぽくて好きだけど、暗いところでまん丸になってる瞳が可愛くていいという人も多いようである。

 このシグマの20-200mm。猫撮りズームレンズとしての良さは広角に強いことより、標準から中望遠域でハーフマクロ撮影ができるのでアップで撮れることなんじゃないかと思う。顔のアップを撮りたい事ってあるしね。

 ちなみに、シグマの20-200mmはLマウントとソニーのEマウント用、タムロンの25-200mmはソニーのEマウント用なので、ほかのマウントのカメラを使っている方にはすみません。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事