山根博士のグロスマレビュー
nubiaも薄型! 5.9mmの超薄型ボディーにトリプルカメラ搭載の「nubia Air」
2025年12月12日 12時00分更新
日本でも特徴あるスマートフォンを展開しているZTE傘下のnubiaから、薄型モデル「nubia Air」が海外で発表された。アップルやサムスンにどこまで迫っているのか、実機に触る機会があったので外観を中心にレビューをお届けする。
5.9mm厚の薄型ボディー
ミドルクラスのモデル
2025年に入りサムスンの「Galaxy S25 Edge」、アップルの「iPhone Air」と薄型スマートフォンが次々と登場している。市場での反応はいまひとつというニュースが流れているが、ほかのメーカーの薄型モデルはどのように差別化をしているのだろうか。
nubiaが2025年9月に発表した「nubia Air」は大手2社のモデル同様、本体厚みが6mmを切る薄型のスマートフォンだ。2025年11月末時点ではマレーシアとフィリピンで販売が始まっている。
ディスプレーは6.78型のAMOLEDで、解像度は1224×2720ドット。フロントカメラは2000万画素を搭載している。ディスプレー表面はコーニングのGorilla Glass 7iでカバーされ、強度を増している。別途保護フィルムや保護ガラスを貼る必要のない設計だ。
背面のカメラ部分はiPhone Airに似た横ワイドな台座にトリプルカメラを搭載。5000万画素の広角、200万画素の深度測定、性能は非公開の補助カメラを搭載する。右端のLEDライト下の赤いロゴはnubiaのカメラシステム「NEO Vision」のロゴとなっており、背面のアクセントになっている。
最大の特徴である本体の厚みは、最薄部が5.9mm、最厚部が6.7mmとのこと。iPhone Airの5.6mm、Galaxy S25 Edgeの5.8mmには及ばないものの、十分な薄さを感じさせる。
縦と横のサイズは164.2×76.6mm、重さは172gだ。iPhone Air、Galaxy S25 Edgeよりディスプレーサイズが大きいこともあり、それらと比較すると本体の大きさは縦に長く、重量もそれぞれ7g/9g重い。とはいえ、200gを切る重量は十分軽く、シャツやジャケットのポケットに入れても重さを感じさせない。
ミドルレンジの動作
簡単なAI機能も搭載
OSはAndroid 15をベースにしたMyOS 15を搭載している。UIにクセはなく、nubiaのZ70S Ultraなど、日本で販売されているほかのnubiaスマートフォンと使い勝手は同等だ。SoCの性能を考えるとハードなゲームには向いていないが、SNSの閲覧や地図検索など、日常的な用途なら十分使えるだろう。
一方でカメラの5000万画素高画質モードで撮影すると数秒待たされるあたりは、それなりの性能だと思わされる。参考までにGeekbenchのスコアはシングルコアが828、マルチコアが1899だった。
また、nubia独自のアプリとして「nubia linkfree」がプリインストールされている。これはBluetoothを使うことで、携帯回線がオフだったり電波状態が悪い時でも、nubia端末同士で音声通話やメッセージの送受信が可能なアプリだ。
ただし、通信距離などの詳細情報は公開されておらず、Bluetoothの到達範囲内であることを考えると近距離トランシーバー的な利用方法になると考えられる。今回はnubia linkfree搭載端末がほかになく、テストはできなかった。
AI機能に関してはグーグルのGeminiが利用可能。nubia Air独自のAI機能として、写真にスタンプなどを押して顔を隠すプライバシー保護を目的とした「プライバシースタンプ」、外国語関連として「対面翻訳」「リアルタイム通話翻訳」も搭載。ただし、翻訳対象言語は現時点ではヨーロッパ言語のみとなっている。
nubia Airの使い勝手だが、ディスプレーサイズが比較的大きいために、動画視聴やSNSのタイムライン閲覧なども不自由なくできる。iPhone Airの6.5型と比べると明らかに表示エリアは広く、使い勝手は一般的なスマートフォンと大きく変わることはない。軽量で薄く、SoC性能が抑えめな点を除けば十分常用したいと感じられた。
また、iPhone Airとのサイズ比較もしてみた。nubia Airが一回り大きいことがわかるだろう。このようにサイズが大きいため、重量は7gほど重いものの、手に持った感触はほぼ変わらなかった。
1眼カメラはライトユース向け
カメラのUIは、カメラフォンのZシリーズと同等だ。ウォーターマークは文字のみを入れることができる。実質5000万画素広角のみというシングルカメラ構成のため、カメラのUIはシンプルだ。
写真の倍率は1倍と3倍、さらに最大で10倍までに対応。動画は1080p/30fps撮影が可能だ。一方で多彩な撮影モードを持つのはZシリーズから一部を引き継いでいる。
本格的な撮影には向かないものの、日常的なスナップ撮影程度ならば十分対応できるだろう。
以下、簡単な作例を紹介する。
低価格だからこそ人気の薄型モデル
nubia Airの価格は発表時点で275ドル(約4万4000円)とアナウンスされた。販売中のマレーシアとフィリピンではキャンペーン価格で売られており、それぞれ1099リンギット(約4万1000円)、10999ペソ(約2万9000円)である。
iPhone Air、Galaxy S25 Edgeはハイエンドモデルということもあり日本円で10万円を超える価格だが、nubia Airは性能に見合った低い価格で販売されている。
筆者はマレーシア、フィリピンのどちらの国の状況も実際に見てはいないものの、現地の販売店では「薄型のスタイリッシュな普及価格帯モデル」という売り方をしており、デザインを気にする消費者から注目を集めているとのことだ。フィリピンではTECNOも薄型モデルを出しており、そちらも人気だと言う。
一方、アップルとサムスンの薄型モデルは現地でも販売は不調らしい。このことから消費者が最も気にするのは価格性能比であり、薄型で性能を落としたモデルは、価格を引き下げなくては受け入れられにくいのだろう。
さて、日本ではソフトバンクなどからnubiaブランドの低価格スマートフォンが販売されている。折りたたみの「nubia FOLD」もY!mobileから発売される。nubia AirもMVNOから思い切った価格で出てくれば、意外と購入者を増やせるかもしれない。ぜひキャリア経由での日本販売にも踏み切ってほしいものだ。
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