・塩ビパイプを曲げてみる
手元にあった塩ビ管は、外径26mm、内径20mmの硬質ポリ塩化ビニルのもの。一般的に塩ビ管はお湯でも柔らかくなったりしますが、厚みがあること、加熱範囲が広いことから、高温の溶接モード(400度)で加熱してみました。なお、ノズルは曲面ノズルを使っています。
ゆっくり回転させながら温め、たまに力を入れて曲がるかを確認すること約5分。ようやく少し曲がるようになりました。しかし、思ったほど柔らかくならないので痺れを切らし、600度へと設定を変更。すると表面が焦げてしまったので、また400度に戻しました。
筆者の腕が悪くキレイに曲げられませでしたが、30度くらいの角度を付けることができました。焦がさないためにも、400度以下で加熱する方がいいでしょう。バーナーやガスコンロで焙りすぎた時のように、引火したり溶けたりすることがないのがよかったです。
・はんだ付けされているICを引き剥がす
最後は、600度まで設定できるのであればいけるんじゃないか、と期待し、基板に表面実装されているICの引き剥がしを試しました。溶接モードは400度からですが、なんとなく500度に上げてのチャレンジです。熱風はターゲットを中心に当てたいので、細い丸ノズルを選択しました。
数十秒ほどかけてICを周囲ごと徐々に温め、そろそろかな、というタイミングで足部分を集中的に加熱。パーツの下に薄刃のツールを挿し込んで持ち上げたところ、スッと抵抗なく無傷で剥がせました。ただし、直後に風にあおられ、ICが吹っ飛びましたが。
最後、完全にはんだが溶けてると分かった時点で、風を当てるのをやめるべきでしたね。少し失敗してしまいましたが、ICをキレイに剥がすことができました。
ちなみに、弱風の300度だとはんだがいつまでも溶けてくれません。強風で温度を上げないとダメでした。
●広範囲を高温で加熱できるのが最大のメリット
ドライヤーで一応、縮んでいたシュリンクフィルムでも、広範囲を加熱できるヒートガンなら手早く、そしてキレイに仕上がります。高温の大風量で一気に作業できるというのは、ドライヤーにない魅力といえるでしょう。
また、はんだも溶かせることが分かったので、リフローなどの作業も出来そうです。まあ、風でパーツが吹き飛んでしまわないよう、何らかの対策は必要だとは思いますけどね。この逆に、基板上のパーツを一気に剥がすのであれば、何も考えずにできるでしょう。
このほか、粘着テープやシール、塗装剥がしなどにも有効。とくに粘着テープは頑固なやつがいますから、機器修理の分解時に役立ってくれます。また、表面を均そうといじりまくり、逆に汚くなってしまったグルーガン跡の修正にも使えそうです。
アイディア次第で用途が広がるだけに、まだ持っていないなら購入して損はないハズ。とくに、ドライヤーの買い替えで低温大風量のモデルになってしまったという人。おひとついかがでしょうか。
●お気に入りポイント●
・加熱し過ぎを防げる細かい温度設定
・ひっくり返すと自立するので冷却がラク
・基板からパーツを剥がし放題
■Amazon.co.jpで購入
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