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SilverStoneにまんまとやられた

この「レトロ風」は信用できる 当時を知るライターが90年代っぽいPCケース「FLP02」に悶える

2025年12月13日 10時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ドリブルまつなが/ASCII
提供: テックウインド

内部はもちろんATX!この見た目で最新スペックのPCが組める

 続いては内部をチェック。今回は単体ではなく、PCパーツを組み込んだ状態でご覧いただこう。なお、フォームファクターはもちろんATではなく、ATXだ。

FLP02

360mmのラジエーターや大型ビデオカードも余裕で入る広さ

 写真を見てもらえるとわかる通り、内部は最近のPCケースと変わらない。天面には水冷クーラーの360mmラジエーターが装着できるほか、最長386mmまでのビデオカードを搭載できるほど広い。

 大型ビデオカードを支えられるように、サポートブラケットがある点も気が利いている。これがあれば、重たいハイエンドビデオカードも安心して使用できる。

FLP02

ビデオカードを挟んで支えるサポートブラケットを標準装備

 なお、ビデオカードはマザーボードに直挿しした横向き配置と、ライザーケーブルを使った縦向き配置の両方に対応。マザーボードからビデオカードを離して設置したい場合などは、縦向きにすることもできる。

 ただし、ライザーケーブルは付属していないため、別途自分で用意する必要がある。

FLP02

背面から見ると、ビデオカードをライザー配置用のスロットがわかる。ちなみに、背面のPCケースファンは140mmの大型モデルをサポート。両者の存在のおかげで、やや幅広の筐体になっているが、そのぶんビデオカードの補助電源端子にテンションがかからないよう、十分なクリアランスがとれる

 ドライブベイは豊富だ。外からも見える5インチベイ×4(そのうち1つは電源スイッチやファンコンで使用)だけでなく、2.5インチ×2か3.5インチが入るトレイ式のシャドウベイは2つ用意している。

FLP02

トレイ式のシャドウベイは2.5インチ×2、もしくは3.5インチ×1のSSD/HDDを搭載できる

 右の側面パネルを開けてみると、さらにシャドウベイを発見。こちらは2.5インチ×2と3.5インチ×2があるので、表側にストレージを出したくない場合は、この裏側のベイを使うといいだろう。

FLP02

フロント下部(写真左下)には3.5インチシャドウベイが2基。マザーボードの裏には2.5インチシャドウベイを2基備える

 なお、今回の試用機に搭載していたメモリーはCrucialの新モデル「CP16G64C32U5W」。Crucial ProシリーズのDDR5-6400対応ホワイトモデルで、FLP02のカラーにも自然となじんでいた。

Crucial Pro・DDR5-6400対応の白モデル「CP16G64C32U5W」

まとめ:「レトロ」な外見で「最新」仕様というギャップが楽しい!

 FLP02は見た目に高級感があるわけでもカッコよさがあるわけでもない。ターボボタンなどの独自機能はおもしろいが、知らない人が見ればこれといった感想もないはずだ。せいぜい、3万円を超える価格を見て驚くぐらいだろう。

 しかし、1990年代のコンパックショックや、自作PCブームを知っている世代が見れば、話は別だ。当時の記憶がよみがえり、DOS/Vの登場でPC/AT互換機がどうのこうのとか、Windows 3.1が出てからパソコンが一般にも普及してどうのこうのとか、そういった話がとめどなく出てくるだろう。

 当時のPCケースはデザインではなく必要性から作られ、あくまで各PCパーツを固定するためのものだった。つまり、こういうデザインがカッコよくて流行っていたわけではなく、こういう色の無骨なPCケースしかなかったのだ。

 そんな古きPCケースの特徴を捉え、細かすぎて伝わらない部分まで丁寧に作り込んで再現している点がFLP02の魅力であり、妙味といえる。当時の激安自作PCといった見た目なのに、中身は最新仕様というギャップのあるPCが作れるはずだ。

 本機を手に入れ、PCパーツの相性や入手性の悪さ、情報の少なさで苦労した当時を思い出しつつ、久しぶりにPC自作にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

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