ここがヤバい!「Nano Banana Pro」画像編集AIのステージを引き上げた6つの進化点
2025年11月28日 17時00分更新
キャラクター一貫性の強化
初代Nano Bananaは、人物の見た目が大きく崩れにくい点が評価されていたが、Proではその安定度がさらに上がっている。背景を変えたり、ポーズを変えたりしても、顔つき・年齢・左右のバランスが保たれやすく、人物が同一個体として扱える範囲が広がった。写真の差し替え、別アングルの補完、シリーズ画像の作成など、人物を軸にしたあらゆる用途で扱いやすさが向上している。
一貫性チェックのためまずは以下のプロンプトで画像を生成。
アニメスタイル、教室の机に座っている美少女。黒髪のロングストレート、意志の強い瞳、口を真一文字に結んだ真剣な表情でこちらを見つめている。ブレザーの制服、赤いリボン。午後の日差しが差し込む教室、高品質なイラスト
この画像を元に背景と表情を変更してみよう。まずは初代Nano Bananaで、プロンプトは以下。
プロンプト:この画像の顔立ちを完全に維持したまま、背景をカフェに変え、満面の笑みにして
完全に同じキャラクターを維持していると言ってもいいだろう。ただ、背景が教室のままなのは残念だ。
では同じ作業をNano Banana Proでもやってみよう。キャラの維持、表情の変更、そして背景の変更までばっちりこなしてくれた。
複数画像合成の自然さ(最大の進化点)
Nano Banana Proで最も分かりやすい進化が、複数画像を組み合わせたときの自然さだ。初代でも合成自体は可能だったが、光源の方向が合わなかったり、影が不自然に落ちたり、手や輪郭が微妙に破綻することが多かった。Proではこれらの違和感が大幅に減り、人物と背景、人物同士、物体同士を組み合わせても同じ場で撮影した写真に近い見え方になる。特に光や影の計算が安定したことで、合成であることを意識させないレベルまで自然さが向上している。
初代Nano Bananaで合成した先程の例は少し残念な結果になったが、
Nano Banana Proで合成をしたところ、下記のようにかなり自然な合成が可能になっている。
マルチステージ生成(構成→検証→編集→出力)
Nano Banana Proでは、画像生成の内部処理が「一発生成」ではなく、構成→検証→編集→出力という段階的なステップで進むようになった。構図の整合性や物理的な矛盾をあらかじめチェックし、必要に応じて内部で手直ししてから最終画像を出すため、破綻が大幅に減っている。とくに人物の手・輪郭・物体の関係性など、従来モデルが苦手とした部分で安定度が高まっている。
この多段処理は、プロ向けワークフローに近い発想だ。まず構図を組み立て、次に破綻がないかを検証し、必要があれば微修正し、最後に出力する──従来は人間が行っていた手順をAI側がまとめて肩代わりしている感覚に近い。これにより「生成」と「編集」が実質的にひと続きの操作として扱えるようになり、Nano Banana Proが編集AIとして一段上の使い心地を実現している。
会話での生成・編集が破綻しにくくなった
Nano Banana Proでは、生成した画像をそのまま会話で細かく整えていく操作が安定しやすくなった。初代でも同じ流れ自体は使えたが、Proでは解像度・一貫性・合成精度が底上げされたことで、途中で破綻して作り直しになるケースが大幅に減っている。
結果として、「とりあえず生成して、会話で細部を直していく」というワークフローが従来より自然に成立し、資料作成や写真加工などの作業にも組み込みやすくなった。UIが変わったわけではないものの、出力の安定性が高まったことで、生成と編集をひと続きの操作として扱える点がProの体験上の大きな進化といえる。
「Nano Banana Proのここがヤバい!」ポイントまとめ
ここまでの検証から、Nano Banana Proがどこを、どれだけ強化したのかを要点だけ整理しておく。初代の「普及フェーズ」から、Proの「成熟フェーズ」へ進んだ理由がこの6点に集約される。
- 高解像度化で“写真編集の天井”が上がった(2K→4K)
- 文字のレンダリング精度が改善され、資料用途で実用レベルに
- 人物・キャラクターの一貫性が強化され、別ショット生成が安定
- 複数画像合成の自然さが向上し、実写との境界がさらに薄れた
- 画像生成の内部処理が「一発生成」ではなく「マルチステージ生成」になった
- 生成→編集の連続操作が破綻しにくく、ワークフローとして成立しやすい
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