週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

ここがヤバい!「Nano Banana Pro」画像編集AIのステージを引き上げた6つの進化点

2025年11月28日 17時00分更新

Nano Banana Pro 深掘り

 Nano Banana Proの最大の特徴は、特定の機能だけが強化されたのではなく、画像生成と編集に関わるすべての機能が全体的にレベルアップした点にある。解像度、文字の精度、画像の一貫性、合成の自然さ、編集のしやすさなど、あらゆる面が改善された。

 結果として、従来の「プロンプトを工夫して一発で完璧な画像を作る」という使い方は過去のものになりつつある。現在は「まず画像を生成し、その後AIとの会話を通じて細かい部分を修正していく」という流れが一般的だ。画像生成のワークフロー自体が「生成→会話による編集」というスタイルに変わってきている。

高解像度化(1K基準 → 2Kオーバーのネイティブ生成)

 Nano Banana Proの進化で特に分かりやすいのが、生成される画像の高解像度化だ。初代モデルは実質「1024×1024px」クラスの正方形出力が基準であり、スマホの画面で少し拡大するだけで輪郭の甘さや細部の潰れが目立ちやすかった。

Nano Bananaで生成(1024×1024px)

 これに対してProは、モデル自体がより高解像度な出力をネイティブでサポートしている。実際に初代で生成した画像を元にProで再生成(i2i)してみたところ、ディテールを保ったまま「2048×2048px」、さらにワイドな構図では「2752×1536px」という、長辺2000pxを大きく超える「2Kオーバー」クラスの高解像度画像が生成された。

Nano Banana Proで生成(2048×2048pxを縮小表示)

Nano Banana Proで生成(2752×1536pxを縮小表示)

 拡大して比較してみると、解像度が上がるにつれて、肌のきめ細やかさ、髪の毛一本一本の解像感、そしてネックレスやピアスの金属的な質感表現が向上しているのがわかる。単に画像が大きくなっただけでなく、写真としての説得力が格段に増しており、スマホでの閲覧・編集環境における表現の上限が一段上がったと言えるだろう。

Nano Bananaで生成(1024×1024px)

Nano Banana Proで生成(2752×1536px)

文字のレンダリング精度向上(資料・看板・UI)

 Nano Banana Proで大きく変わったのが、文字の扱いだ。初代では英語以外の文字列、とくに日本語や多言語の看板・UIテキストが支離滅裂になりがちで、意味のある文章として読むのはほぼ困難だった。Proでは依然として細かい誤りは残るものの、看板やポスター、アプリUIなどに入る日本語テキストが「それっぽい擬似文字」ではなく、実際に読める文章として生成されるケースが一気に増えている。その結果、ブログ用の図版、技術ノートの挿絵、簡易な資料用のスクリーンショットなど、文字を含む画像を素材として使えるレベルになってきた。

プロンプト:おしゃれなカフェの入り口に置かれた黒板のメニューボード。白いチョークで『本日のコーヒー』と日本語で大きく書かれている。その下に『焼きたてパン』という文字がある。周りに観葉植物がある、高解像度の実写スタイル。

Nano Bananaで生成。日本語がうまく処理できていない

Nano Banana Proで生成。日本語もばっちり

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事