Kimiに実際に触れてみよう
KimiのWebチャット画面はシンプルで直感的だ。中央の入力欄に質問や指示を入力するだけで、すぐに会話が始まる。入力欄の右下にはモデル選択のプルダウンがあり、ここからK2(フラッグシップモデル)とK1.5(軽量・ビジョン対応モデル)を切り替えられる。K1.5は画像入力に対応しており、写真やグラフを読み取って内容を説明したり、図をもとに文章や資料を生成したりといった“見るAI”としての利用が可能だ。一方、K2はテキスト専用の高性能モデルで、推論やコード生成などに特化している。
入力欄の下側にはチップが並ぶ。OK Computerはコード生成や環境操作に強い開発向けプリセット、Researcherは調査・要約・引用提示に最適化されたプリセットだ。単なるテーマ変更ではなく、プロンプトや動作方針が切り替わる。
推論や検索の挙動は左下のメニューで調整する。ここでSearch(ウェブ検索の併用)とThinking(段階的推論の有効化)をオン/オフできる。両方オンなら「調査→分析→生成」を連続してこなすモード、Searchのみなら最新情報の取り込み重視、Thinkingのみなら長手順の問題に腰を据えて取り組む、といった使い分けができる。
UIはシンプルだが、必要な切り替えはすべて手元で完結する。まずはK2でSearchとThinkingをオンにして触り、画像入力が必要ならK1.5に切り替える――この順番がわかりやすいだろう。
実際に触れてみて意外だったのは、1兆パラメータ級にもかかわらず応答が軽快で、Search+Thinkingを同時に有効化しても処理が重くならない点だ。複数ステップのタスクがほぼ途切れず返ってくる挙動が印象的だった。
料金プランと利用環境
Kimi K2は基本的に無料で利用できるが、上位プランでは高速応答用のK2 Turboモデルや、長手順推論に対応したK2 Thinkingなど、用途別のモデルを選べるようになっている。プラン名は音楽用語で、速度や表現力の違いをモチーフにしているのがユニークだ。
- Moderato(19ドル/月):標準的な有料プラン。4倍速のK2 Turboモデルが利用でき、K2-ThinkingやResearcher機能の使用枠も拡張される。
- Allegretto(39ドル/月):中位プラン。Moderatoの2倍の利用枠に加え、ピーク時でも優先的にアクセスできる。
- Vivace(199ドル/月):最上位プラン。全機能を最大10倍の利用枠で使用でき、新機能や実験的Lab機能にも早期アクセス可能。
全プランで、スライド生成機能Kimi Slidesやコード補助機能Kimi for Codingなどが利用できる。料金体系はシンプルながら、音楽記号を冠したネーミングやデザインが印象的で、開発者だけでなく一般ユーザーにも親しみやすい構成になっている。
開発者向けAPIも提供されており、利用量に応じた従量課金制となっている。入力トークンの料金は「キャッシュヒット/キャッシュミス」で分かれる仕組みで、すでに計算済みの部分を再利用できる場合は100万トークンあたり0.15ドル、初めて処理する内容や前後関係が変わって再計算が必要な場合は0.60ドル(Turbo系は1.15ドル)が適用される。出力トークンは通常モデルで100万トークンあたり2.50ドル、Turbo系では8.00ドルに設定されており(2025年11月時点)、OpenAIやAnthropicの上位モデルと比べると料金はおよそ4〜10分の1で、かなり使いやすい価格帯になっている。
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