auは今年も強かった! SUPER GT最終戦でau号が今季3勝目をマークし、史上初の3連覇達成!
2025年11月08日 12時00分更新
SUPER GT 2025シリーズの最終戦が11月1~2日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで開催された。1号車「au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)」は予選2番手から、決勝では1周目にトップを奪ってそのまま優勝。激戦のGT500クラスで、史上初めてとなる3連覇を成し遂げた。
前戦のオートポリスでは、表彰台フィニッシュも狙えそうな快走を見せたが、トラブルに見舞われて、まさかのノーポイント。シーズンも佳境に入ったところでライバルがポイント差を縮められる展開となってしまった。
そこから2週間後に開催された最終戦は、全車ともサクセスウェイトなしのガチンコバトル。1号車本来のパフォーマンスを出せる一方で、ポイント差が接近している分、優勝を獲りにいかないといけない1戦に。昨年以上に緊張感が漂う最終戦となった。
予選は僅差で悔しい2番手
前夜の強い雨に見舞われたモビリティリゾートもてぎだが、1日は晴天に恵まれ、予選はドライコンディションで行なわれた。1号車は、山下がQ1を担当。午前の公式練習では少し苦戦気味だったというが、予選に向けてしっかりと合わせ込み、2番手をコンマ2秒引き離す1分35秒675をマークして、堂々のトップでQ1を突破した。
続く予選Q2は、坪井がステアリングを握り、1分35秒943と好タイムをマーク。その後に38号車「KeePer CERUMO GR Supra」がわずかに上回り、2番手に。チャンピオン争いをするライバルたちが後方グリッドになったこともあり、決勝では2位以内でチャンピオン確定となるが、速さと強さを示す最終戦でポールポジションを獲得できなかったことに対しては、悔しさを滲ませていた。
決勝ではライバルの猛攻を凌ぐふたりの好走
それが勝利へと結実し史上初の3連覇を達成!
決勝日の2日も、前日同様にドライコンディションの下で気温20度、路面温度22度の晴天。青空の下、63周の決勝レースが幕を開けた。この最終戦では坪井がスタートを担当。1周目から38号車に対して果敢に攻め立て、4コーナーで華麗に抜き去って首位を奪う。
幸先の良い滑り出しを見せると、その勢いのまま坪井は2位以下を引き離していき、一時は4秒ほどのアドバンテージを築いた。23周目を走り切って、トップを維持したままピットインし、山下へ後半スティントを託した。
ミスなくスピーディーなピットワークで送り出し、このままトップを維持できるかと思われたが……翌周にピットインしたランキング3番手の100号車「STANLEY CIVIC TYPE R-GT」がタイヤ無交換作戦を選択。タイムロスを最小限に抑えたことで、逆転で1号車の前に出ることに成功したのだ。
しかし、ニュータイヤを履き完全に温め終わっていた山下は、ハイペースな追い上げを披露し瞬く間に100号車の背後へ迫り、29周目に前方を捉えて首位を奪取。再び、3連覇に向けて視界良好な状況を作った。
しかし、そのままゴールを目指してリードを広げていくが、後方から12号車「TRS IMPUL with SDG Z」が接近。一瞬、前に出られかける場面もあったが、山下は冷静に対応しポジションを守り切る。そのあと2度目のFCY(フルコースイエロー)が導入される展開もあるなか、後続のスキをついて再びリードを広げつつ、首位をキープしてトップチェッカー。今季3勝目と圧倒的強さを見せつけ、シリーズ史上初の3連覇を成し遂げ、チャンピオンに輝いた。
関係者インタビュー
坪井 翔「勝って終わりたかった」
「3年連続チャンピオン獲得はうれしいです。無理して抜かなくてもチャンピオンを獲れる状況でしたが、やはり勝って終わりたいというのがありましたし、予選が少し悔しい結果だったので、なんとか抜きたいと思っていました。もしかしたら無交換で来る車があるかもしれないと想像していたので、なるべくギャップを開いておきたかったですし、そういう意味でも任務をしっかり果たすことができました」
「山下選手も辛い状況の中で守り抜いてくれたので感謝していますし、最後勝って締めくくれて本当に良かったです。彼なら抑えてくれると信じて安心して見ていられました。この1号車で戦えることはプレッシャーもありますが、山下選手とともに結果を出し続けられているのはとてもいい環境です。今年はエンジニアが変わり、大変な年だったと思いますが、しっかり仕事をやってのけてくれたチームの皆に感謝しています。史上初の3連覇と、チームとして大変な快挙を成し遂げられて、その中の一員としていられて良かったなと思います」
関係者インタビュー
山下健太「全員の力で獲ったチャンピオンです」
「坪井選手は今回で4回目のチャンピオン、自分が3回目、チームは3連覇という、これだけ接戦なGT500の中で少し抜け出たような結果を出し続けているチームに、自分が所属させて頂けていることにまず感謝したいです。今日は坪井選手がトップで渡してくれたので、トップを守らなきゃいけないなと思いましたが、選んだタイヤやベース的に厳しくなるという予想が当たりました」
「日産勢も想像以上に速かったのですが、最終戦を抜かれて終わりたくないと頑張って走りました。今年も完璧なシーズンではありませんでしたが、全員が常に100%以上のパフォーマンスを出しているという印象があります。苦しい時もできる限りのことをしましたし、できる限りのことをしてきたと思っているので、本当に全員の力で獲ったチャンピオンだなと改めて思いました」
関係者インタビュー
伊藤大輔監督「ドライバーふたりがタイトルに導いてくれた」
「プレッシャーもあるなかで、きちんと3連覇が果たせたことに正直ほっとしています。今年からエンジニアが変わったこともあり毎戦、もちろん優勝もしてきましたし、コツコツとポイントも取りながら来ましたが、すべてのレースで完璧とはいかない部分があり、常に反省点がありました」
「ただ、結果として最後はこういうカタチでシーズンを終えられて本当に良かったと思っています。ドライバーふたりが最後まで素晴らしい走りをしてくれて、タイトルに導いてくれたことに本当に感謝しています」
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