Minisforum「MS-S1 MAX」
小型PCのいちばん凄いヤツ見つけた!手のひらサイズなのに超高性能なロマンPC「MS-S1 MAX」
2025年11月22日 17時00分更新
この外見はコンパクトなミニPCですが、その内部構造とパワーは、完全に大型のワークステーションのソレ。冷却機構もデュアルファン+大型ヒートパイプを採用しており、構成はまさに本気です。
ミニPCのある意味、“限界突破”をやってのけたMS-S1 MAXは、ただの小型PCというより、「ロマンを形にしたハイパフォーマンスマシン」と呼びたくなる存在です。
ポイント(1):Ryzen AI Max+ 395が生み出す圧倒的パフォーマンス
MS-S1 MAXの心臓部となるのが、AMDの最新世代APU「Ryzen AI Max+ 395」です。Ryzen AI 300シリーズの最上位モデルで、Zen 5アーキテクチャを採用し、AIエンジン「Ryzen AI 2」も統合。NPU性能は最大50TOPSを超えます。一般的なミニPCどころか、多くのノートPCを軽く上回るスペックを、このサイズで実現してしまっているというわけです。
AI処理や画像生成のようなタスクもローカルで快適にこなせるため、AI開発者やクリエイターにもぴったりです。CPU性能自体も非常に高く、動画編集や3Dモデリング、プログラミングなどの重量級作業も余裕でこなします。
冷却性能も優秀で、筐体内部には2基のファンと大型ヒートパイプを搭載。小型ながらしっかりと温度管理できる設計になっています。
「ミニPCだから性能は控えめだろう」という固定観念を完全に覆す仕上がりで、もはや「机の上に置けるスーパーマシン」と言ってもいいでしょう。「CINEBENCH R23」のスコアも下図の通り。CPU(Multi Core)は34963pts、CPU(Single Core)は2026ptsとなりました。
YouTubeでMinisforum「MS-S1 MAX」のレビュー動画を見る
ポイント(2)RTX 4070 Laptop GPUクラスの統合グラフィックス
統合グラフィックスの「AMD Radeon 8060S Graphics」の実力も見逃せません。AMDの最新RDNA 3.5アーキテクチャを採用しており、グラフィック性能はおよそGeForce RTX 4070 Laptop GPUに相当すると言われています。つまり、重量級の3Dゲームや映像制作も十分こなせるレベルです。
特に注目したいのは、これがAPUということで統合されている点です。外付けGPUを積まずにこの性能を出せるのは、まさにAPU技術の進化の証。フルHDやWQHDであれば、多くのタイトルを高設定で快適にプレーできます。動画編集ソフトでもプレビューがサクサク動くでしょう。
また、DisplayPort 1.4やHDMI 2.1などの複数出力を備え、最大4画面出力にも対応。自宅でのマルチモニター環境構築も余裕です。もはやゲームも仕事もこれ一台でOKというレベルに達しており、ミニPCという枠で語るのは少し無理があるほど。このアンバランスさこそ、MS-S1 MAXの面白さです。
ポイント(3)AI時代に最適な手軽に使える新プラットフォーム
AI生成やモデル推論など、これまでハイスペックなデスクトップでしか難しかった作業が、MS-S1 MAXならミニPCでも現実的にこなせます。Ryzen AI 2による高いNPU性能に加え、CPU・GPUともに最新世代。AI開発や画像生成、動画解析などの用途にもそのまま使えるのが魅力です。
「ローカルでAIを動かしたいけど、デスクトップを組むのは大変」という人にとって、この製品は理想的な選択肢になるでしょう。電源を入れたらすぐ使え、サイズもコンパクト。消費電力も低めなので、24時間稼働にも向いています。
また、AIを扱う実験環境としても優秀です。持ち運べる高性能PCというだけで、「AI=大型デスクトップ」という従来の構図を変える可能性を秘めています。もはやミニPCは「小さいからサブ機」ではなく、「小さいからこそ主役」になれる時代が来たのかもしれません。
購入時に注意するべき側面
価格は約40万円前後。コスパよりロマンを選ぶ一台
MS-S1 MAXの価格はおおよそ40万円前後(2025年11月地点)です。もちろんスペックを考えれば納得できる価格ですが、「同じ金額でデスクトップを自作すれば、さらに上位のGPUを積める」のも事実。
つまり、コスパで選ぶマシンではありません。“このサイズでここまでやった”という技術的挑戦と、所有する喜びに価値を見いだせるかどうかがポイントになります。
とはいえ、省スペース性・静音性・デザイン性を含めたトータルバランスでは、デスクトップでは代えがたい魅力を放ちます。デスクの上にもおけて、なんなら出張先やスタジオにも持ち運べる――そんな「最高性能を持ち歩く」スタイルにロマンを感じる人にとって、この価格は出してもいいと思えるのかも。
■Amazon.co.jpで購入
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります








