知らなかった音との出会い、秋のヘッドフォン祭 2025で中国オーディオブランドの最前線を聴いた!
2025年11月06日 13時00分更新
3Dプリント技術をリードするEPZ
業界トップクラスの3Dプリント技術を駆使して、複雑な構造と先進のデザインを両立させるブランド。母体であるJiuzhou Acousticsは2019年に設立され軍事用ヘッドホンを開発していた。その後、Hi-Fi分野にも進出して2019年にEPZを立ち上げた。eスポーツ市場に参入を果たして、高いカスタマイズ性とハイコスパを売りに成長を続けている。
「TP55」はスマホ対応のフラッグシップUSB DACである。バランス接続対応でDACは低消費電力で高性能なCS43198、SGM8262オペアンプをそれぞれ2基搭載する。独自のクロック技術を導入して純度の高い音を追求。スマホアプリと連携してインタラクティブなDSP調整ができる。また10バンドEQ、5種類のデジタルフィルター、DAC動作モードなど様々なカスタマイズに対応する。ゲイン切り替えとシングルエンド、バランス対応で多くの機器に対応、プラグアンドプレイでPC、Mac、スマホ、タブレットなどと接続可能だ。またUAC1.0モードでゲーム機にも対応。参考価格1万3000円。
CAP/透明な窓から基板が見えるデザイン。左右にDACが配置されその隣にオペアンプも見える。クッキリした音で低域はタイト気味だった。
銅線を使い、端子は交換式で3.5mmと4.4mmに対応。蝶をイメージしたシェルが非常に美しい。中高域よりのバランスで解像度重視の音で、低域はやや薄口で、空間は広い。参考価格4~5万円と9ドライバーとしては破格のハイコスパを誇る。
即買いしたくなるハイコスパYULONG AUDIO
2009年設立、オーディオ製品を設計、開発、販売しているのがYULONG AUDIO(ユー・ロン・オーディオ)である。中国ハイエンドオーディオを牽引する代表的メーカーで高性能DACとヘッドホンアンプで知られる。ベテランミュージシャンとのコラボにより、新ブランド「DAART」を立ち上げた。試聴した製品すべてが魅力的で、その価格を聞くと即買いしたくなる。
「Aurora」はDAC内蔵のバランス対応ヘッドホンアンプで、デジタル&アナログプリアンプ機能も備える。ライン出力もバランス対応で、ヘッドホン端子は4.4mm、6.35mm、4pinXLR。Bluetooth入力対応でLDAC、aptX HDが使える。DACはES9068AS+XMOS XU216を採用。解像度の高い音で、クラスAアンプの柔らかい響きも感じられた。インピーダンスの低い平面駆動型のヘッドホンをドライブする能力があるが、ゲイン切り替えがないので能率の高いイヤホンを接続するとボリューム操作がシビアになる点が惜しい。参考価格4万3000円。
上がストリーミングDAC「D39」で下がプリアンプ&ヘッドホンアンプ「A39」のペアで参考価格21万円とハイコスパだ。DACはES9039PROを使い、外部クロックに対応する。最大768kHz/32bit、DSD1024入力に対応してストリーミングのためのLAN端子を装備する。ヘッドホンアンプはLinuxOSで制御され、クラスAでバランス接続時6W出力のアンプを搭載。ヘッドホン出力端子は4.4mm、6.35mm、4pinXLRが使える。CPUとFPGAを使ったリレーとR2R抵抗を使ったボリュームを採用する。「D39」は「A39」との接続によりシステムとして操作可能となる。ブラックとシルバーの2色展開。製品の完成度は高く機能も性能も満足できるレベルで、クラスAらしいなめらかな高域で、女性ボーカルを魅力的に再生してくれた。S/Nがよく広いダイナミックレンジが確保され、中低域の厚みもあった。特にBA型のイヤホンとの相性が良かった。「D39」Wi-Fi非対応なのが残念。
ハイエンドミュージックストリーマーならMatrix Audio
創設は2006年でDACを製品化、2013年8月に事業を本格化して、その後、いち早くストリーミングに対応した機器を開発。2022年以降はグローバル展開に力を入れ世界40カ国以上で販売されている。ミュージックストリーマー「TS-1」はかゆいところに手が届く多機能モデルで無線と有線接続でネットワークに接続してNASから音楽ライブラリーを作成、内部ストレージにコピーできる。また、専用リモートアプリを使って各種のハイレゾストリーミングサービスにアクセスして楽曲の閲覧や再生ができる。音質も折り紙付きで各メーカーのデモにおけるリファレンス機器に選ばれることも多い。
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