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知らなかった音との出会い、秋のヘッドフォン祭 2025で中国オーディオブランドの最前線を聴いた!

2025年11月06日 13時00分更新

デジタルに強い技術力重視の「QLS」

 QLSは2005年に深圳で設立されたブランドで、オーディオプレーヤー、DAC、ヘッドホンアンプを主要製品としている。デジタルオーディオで音質を追求する上でシンプルさにこだわり製品開発を続けている。今回はR2R DACを搭載したポータブルDAC「MUB5」と、試聴機として各社にも使われているポータブルデジタルプレーヤー「QA390」などを展示。どちらも解像度が高く、空間表現に優れたモデルで、音楽的魅力も再現してくれた。

ハイエンドポータルブルDAC「MUB5」は独自のラダー型DACを採用。ノイズを低減するために全てが0.025%精度の抵抗を178個搭載する。スマホからのデジタル出力でも高音質が得られるという。参考価格19万2500円。

DSD音源にも対応して、PCMよりもウォームで透明感のある繊細な音を聴かせてくれた。イヤホンのタイプによって2種類のフィルターが選択できる。

デジタル入力は同軸、光、USB-Cに対応、外部電源にも接続できる。

「MC01」は4.4mmバランス出力に対応したUSB-C接続のヘッドホンアンプでiPhone 17 Proの音質を画期的に向上させてくれた。低域はタイトでハイスピード、高域は透明感があって柔らかい。参考価格3万8400円。

「QA390」はメモリー内蔵のオールインワンデジタルプレーヤーで電源も内蔵するため、メーカーではポータブルプレーヤーを名乗っている。DACにはES9038PROを搭載、クロックには高精度なフェムト秒クロックAS338を使っている。ややウォームで低域はサイズを超えた安定感があり、膨らまずにカッチリドライブされる。参考価格30万8000円。

平面振動板にこだわるGOLDPLANAR

 GOLDPLANARは2019年に平面振動板に特化したブランドとして登場。ナノメートルスケールの薄膜振動板が特徴。リボン型やAMT型のヘッドホンも製品化して、その後、世界初のフルレンジのAMT型イヤホンも発表している。高い技術力を誇り、世界各国のオーディオブランドと提携してOEMやODMを主要な事業としている。ハイエンドヘッドホン「GL3000」は平面駆動型らしい繊細で情報量が多い音で、低音の量感もあり、452gと重すぎない。これは欲しいと思わせてくれるモデルだった。

「GL1000 PRO」は参考価格15万円のハイコスパモデル。423gと平面駆動型を感じさせない軽量なボディに106mmの超薄型アルミ合金ダイヤフラムを搭載している。同軸構造のシルバーコートの無酸素銅ケーブルは4.4mmバランス接続に対応する。ニュートラルな音色で、爽やかで粒立ちのいい音、平面駆動型の入門に適したモデルだ。

超薄型のアルミ合金振動板が微細な情報まで再現してくれる。

ハイエンドの「GL3000」は情報量が多く、低音の厚みも出る。この音が参考価格37万円と聞けば思わず安いと言いたくなるほど高音質だ。さらに高性能なヘッドホンアンプで聴いてみたくなる製品だ。本体はマグネシウムを使い高級感あるデザイン、ラムスキンスエードと本革のイヤーパッドが付属。4pinのXLRバランス端子に標準プラグアダプターが付属する。

超薄型でゴールドコーティングされた115×83mmの振動板は新しい両面磁石構造が使われている。

「GL-AMT16」はフルレンジのハイルドライバー(AMT)を使ったカナル型イヤホン。ハイルドライバーはリボン型の進化形であり、極薄の振動板が折りたたまれた状態で動くダイポールドライバーである。この構造により25mmのAMTは直径200mmのコーン型振動板に匹敵する表面積を持つという。またドライバーが振動して動く空気の速度は5倍に加速される。静電型ヘッドホンのような圧倒的な情報量と正確な音像定位、空間表現。レスポンスが良く、高域はどこまでも抜けていく。高域をチューニングするための5種類のノズルが付属する。端子は交換式でシングルエンドとバランスに対応。参考価格25万円。

「GL30」は28mm平面駆動型ドライバーを搭載したカナル型イヤホンで、大口径の振動板を使うことで、やせてしまいがちな低音の量感を確保。参考価格12万円。

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