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知らなかった音との出会い、秋のヘッドフォン祭 2025で中国オーディオブランドの最前線を聴いた!

2025年11月06日 13時00分更新

 フジヤエービック主催の「秋のヘッドフォン祭 2025」が11月1日に東京・八重洲のステーションカンファレンス東京で開催された。

中国から国内未発売モデルが集結

 会場の605Aルームに突如出現したのが「中国国際ヘッドフォン展 in Japan」である。

 中国版のヘッドフォン祭ともいうべき「中国国際耳机展」(耳机=erjiは中国語でヘッドホンやイヤホンを差す)を主催している、中国オーディオ産業協会(CAIA:China Audio Industry Association)の中国ヘッドホン分科会の声掛けによって集まった7社の合同ブースだ。

普段は聴くことのできない中国ブランドの最先端オーディオ製品が集結した。

 日本では現状取り扱う代理店がないが、品質や音質に関しては間違いがない実力派のブランドを集めた、イベント内イベントといった建て付けの出展となっている。

 CAIAとフジヤエービックの架け橋となったのが「FitEar」を手掛ける須山歯研の須山慶太氏である。同日にはメディア向け説明会も開催され、来日した中国電子協会の執行会長でありヘッドホン分科会会長のチン・リッシン氏、ヘッドホン分科会秘書長チン・ゼン氏などが挨拶した。

 経緯について簡単に説明すると、CAIAは1983年の設立。日本でいうとJEITAのような社団法人に近い位置付けで、メーカーに対してサービスを提供するとともに政府に対して業界としての提言する役割を持っている。

 2017年11月、このCAIAの中にできたのが中国ヘッドホン分科会(耳机分科会)だ。中国には2002年から活動を始めたerji.netという米国のHead-Fiに似たヘッドホンのコミュニティがあり、2014年から広州でヘッドホン関連のイベントを開催していた(現在は広州や上海など、年間で7都市を巡る大規模なイベントに成長している)。チン・ゼン氏はerji.netの設立に関わっており、これがヘッドホン分科会の前身になったということだ。

中国電子協会の執行会長でありヘッドホン分科会会長のチン・リッシン氏(写真左)。

中国オーディオ事情に精通する須山氏が説明会の司会進行を務めた。

 秋のヘッドフォン祭には、ヘッドホン分科会の幹部で、中国のヘッドホン・デジタルオーディオ産業の中核を担う主要メンバーが集まることとなった。

 チン・リッシン氏は、まず中国メーカーの成功を祝い、近年の急速な発展について説明した。中国オーディオ産業協会には現在400社以上の会員企業が加盟していて、中国を代表するようなブランドも含まれている。協会は会員企業の権益保護やサービス提供、国際競争力の向上に努め、ヘッドホン分科会としても国内外の展示会や交流を通じ、産業の発展に寄与してきたという。

 秋のヘッドフォン祭への出展に関しては、当初は30社を超える希望があったが、その中から選り抜かれたEPZ、GOLDPLANAR、Matrix Audio、QIGOM、QLS、Temperament、YULONG AUDIOの7社が参加した。いずれも音質やデザイン、技術力に優れ、基本は日本向けの代理店がなく、直接製品を確認する機会が少ないブランドとなっている。チン・リッシン氏は「中国メーカーの努力と向上心が、今回の展示会を通じてさらに可視化されることを期待している」とコメントして、中国メーカーの向上心を称賛した。

 以下、各ブランドの製品を紹介していこう。

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