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RTX5080搭載で72万円超えの最強デスクトップPCでした!!

ファン必買のPC自作パーツセット=「ROG×初音ミク」エディションを実際に組んでみた!!



 ASUSはゲーミングブランド「Republic of Gamers(ROG)」と初音ミクのスペシャルコラボレーションモデル「ROG×初音ミク」エディションを11月7日から販売開始する。

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション

 これにはCPU、メモリー、ストレージ以外のすべてのPCパーツがラインナップされており、デスクトップPCをほぼ完全に初音ミク色に染められるわけだ。

 CPUクーラーで隠れるCPUや、ヒートシンクの下に配置されるストレージはともかく、メモリーだけは「HATSUNE MIKU EDITION」を用意してほしかったところだが、RGB LEDを「初音ミク」カラーで点灯させれば、ファンも納得できるはずだ。

 「ROG×初音ミク」エディションはTGSや説明会で展示されており、すでにいくつかの紹介記事が掲載されている。しかしすべてのパーツのパッケージや、パーツ単体の写真までは確認できていないという方が多いことだろう。

 そこで今回はASUS JAPANよりすべてのパーツを借用し、実際に1台のデスクトップPCとして組み上げてみた。作業的にはPC自作に慣れている方なら2~3時間、未経験者であれば半日ぐらいはかかるが、それだけに完成したマシンに対する愛着はひとしおのはず。ファンの方々はぜひ挑戦してみてほしい。

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

CPU、メモリー、ストレージ以外のすべてのPCパーツがラインナップ

全部「初音ミク」さんでそろえたい
グラフィックボードが30万5800円なので
11製品の合計価格は72万4760円
 

 今回借用したのは下記の11製品。CPU、メモリー、SSDを別途用意する必要があるが、11製品の合計金額は72万4760円となかなかの価格となる。

 今回の製品で最も高価なのがグラフィックボードで、最新の「GeForce RTX5080」を搭載しており、その市場想定価格は30万5800円。72万4760円のうち約42%を占めている。

 また入力デバイス関連、ヘッドセット、SSDケースはデスクトップPCとしては必須ではないので、それらの合計金額5万8580円は必ずしも購入する必要はない。

 とは言え、これらアクセサリーは今回「ROG×初音ミク」エディションに合わせて再販されたもので、すぐに売り切れとなる可能性もある。PCシステムを初音ミク一色に染めたいのであれば、フルセットで購入することを強くお勧めする。

☆PCケース
 「ROG STRIX HELIOS II HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格6万6980円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 フロントには初音ミクの全身イラストとサイバーグラフィックを配置。ROGロゴや「01」ID、オーディオ波形モチーフも随所に施されている。EATXマザーボード、最大450mmグラフィックスカード対応、グラフィックスカードスロットクランプ、着脱式PSUブラケットなどDIY向けの使いやすさも特徴だ。

☆ゲーミングモニター
 「ROG STRIX XG27ACMEG-G HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格5万3820円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 27インチ16:9で2560×1440ドットのIPSモニターで、ROGロゴ、ミクの「01」アイコン、グラフィックを融合したコラボデザイン。Fast IPSパネル、最大260Hz(OC時)のリフレッシュレート、0.3ms応答速度、DCI-P3 95%、VESA DisplayHDR 400に対応する。

☆マザーボード
 「ROG STRIX X870E-H GAMING WIFI7 HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格8万9800円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 AMD Ryzen 9000シリーズ対応のATXマザーボードで、PCIe 5.0 x16スロット、デュアルUSB4 Type-Cポート、WiFi 7に対応。DIYフレンドリーで、4つのM.2スロットすべてにM.2 Q-Release、PCIeスロットもQ-Releaseを搭載。ヒートシンクには初音ミク限定デザイン、背面にも特別なグラフィックが施されている。Aura Sync対応で、RGBライティングやエフェクトを他のROG対応パーツと同期し、ミク仕様の統一感あるビルドが可能だ。

☆電源
 「ROG THOR 1200W Platinum III HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格8万8980円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 GaN MOSFETで最大30%の効率向上、内部レイアウトの最適化で冷却性能も向上している。ROGのロゴと「01」IDをベクターアートで表現。着脱可能なマグネット式OLEDディスプレイでリアルタイム消費電力表示も可能だ。

☆AIOクーラー
 「ROG RYUO IV 360 ARGB HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格6万800円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 6.67インチの可動式AMOLEDディスプレイを搭載、3D効果のあるビデオやカスタマイズしたシステム情報を表示できる。高性能ポンプと静音性に優れたARGBファンを搭載し、力強い冷却性能を実現。ファンはフロントとサイドのライティングにも対応する。

☆グラフィックボード
 「ROG ASTRAL RTX 5080 O16G HATSUNE MIKU EDITION」
 市場想定価格30万5800円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 ファンを4基搭載し、エアフローと静圧を20%向上、特許取得のベイパーチャンバー&ミルドヒートスプレッダーがGPUの温度を低減する。50A MOSFETにより高い性能と安定性を実現し、オーバークロック性能も魅力。ファンカバーやサイドにはミクの象徴的なカラーテーマを、バックプレートにはアニメアートをデザイン。Aura Syncで他パーツとのライティング同期も可能だ。

☆SSDケース
 「ROG Strix Arion Hatsune Miku Edition」
 市場想定価格9980円

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 回路モチーフや「01」ID、波形バー、ミクのシルエットラインアートをデザイン。両ブランドのロゴ入りストラップとクロームRフック付き。2230/2242/2260/2280 M.2 PCIe NVMe SSDに対応し、アルミ合金筐体&サーマルパッドで放熱する。

 以下は「ASUS TUF GAMING」ブランドだが、今回の「ROG×初音ミク」エディション発売に合わせて再販となる。11月7日から順次発売予定だ。

☆キーボード
 「ASUS TUF Gaming K3 Gen II Hatsune Miku Edition」
 実売価格1万7500円前後

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

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☆マウス
 「ASUS TUF GAMING Mini Wireless Mouse Hatsune Miku Edition」
 実売価格1万4500円前後

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

☆マウスパッド
 「ASUS TUF Gaming P1 Hatsune Miku Edition」
 実売価格3600円前後

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

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☆ヘッドセット
 「ASUS TUF Gaming H1 Gen II Hatsune Miku Edition」
 実売価格1万3000円前後

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

 なお、今回デスクトップPCとして組み上げるにあたって、下記の3つのパーツもASUS JAPANより借用した。実売価格で計算すると、合計8万3000円だ。「ROG×初音ミク」エディションの合計金額72万4760円に合わせると、総額80万7760円となる。

 今回は下記の構成でマシンを組んだが、もしご自分で購入される際には目的に応じてそれぞれのパーツを選んでほしい。

☆プロセッサー
 「Ryzen 7 7700」実売価格5万円前後
☆メモリー
 「CT16G56C46U5」実売価格1万1000円前後×2
☆ストレージ
 「CT1000P3PSSD8JP」実売価格1万1000円前後

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

プロセッサー「Ryzen 7 7700」実売価格5万円前後

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メモリー「CT16G56C46U5」実売価格1万1000円前後×2

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ストレージ「CT1000P3PSSD8JP」実売価格1万1000円前後

実際に全部組んでみた!!
エディション全体のマニュアルが欲しい

 

 まず、組み上げたときの感想からお伝えしよう。「ROG×初音ミク」エディションは最新デスクトップPCのパーツで構成されているだけに、組み上げ自体はそれほど難しくはない。

 準備万端整えたうえで、慣れている方であれば、2~3時間で組み立てることも可能だと思う。そこからOSやドライバーなどをインストールする時間を考えると、半日ぐらいで完成するだろう。

 ただ今回実際に組み上げてみて、やや面倒だったのが、マザーボード、PCケース、AIOクーラーの説明書を順繰りにめくりつつ、作業手順を確認しなければならないことだ。

 もちろんPCを自作する際には、そのように作業するのは当然のこと。パーツを選ぶのはユーザー自身なのだから、それぞれの説明書を読むことに納得感はある。

 しかし「ROG×初音ミク」エディションはある意味、キットとして販売されているので、「総合説明書」のようなものがあってもよいと思う。特に製品の特性上、PC自作初心者が購入する可能性も高いだろう。もちろん電子マニュアルでもいいので、これから購入するユーザーのために「総合説明書」が用意されることに期待したい。

 一方、製品としての完成度は申しぶんなしだ。ある意味、組み立て保証されているパーツ群なので、実際に組み立ててみたら収まらない……というパーツはない。また特徴的なカラーもピッタリと色合わせされている。

 ただ実際に組み立てようとすると、AIOクーラーの取り付けはなかなか難しい。自信のない方は「組み立て代行サービス」やPC自作経験者にヘルプしてもらうといいだろう。

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

特徴的な初音ミクカラーはピッタリと色合わせされている

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

特に目立つのがAIOクーラーに装着されている6.67型AMOLEDディスプレー。動画やシステム情報を表示できるだけでなく、冷却性能も折り紙付きだ

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

3D効果のある動画は画面サイズ以上の臨場感がある

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

本体前面と背面。PCケースにかぎらず、すべてのパーツのパネル部分には保護フィルムが貼られている

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

新しい設計のPCケースだけに、前面インターフェースも充実している

参考までに定番ベンチを実施
さすがROGのパフォーマンスを実感

 

 プロセッサー、メモリー、ストレージなどを選べるのであまり意味はないかもしれないが、今回のシステムでベンチマークを実施してみた。下記がその結果なので参照してほしい。

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は18351pts、CPU(Single Core)は1881pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1056pts、CPU(Single Core)は112pts

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

「3DMark」のPort Royalは22855、Time Spyは26105、Fire Strikeは50379、Wild Lifeは136409

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは33419(非常に快適)。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは22810(非常に快適)

ASUS「ROG×初音ミク」エディション実機レビュー

今回ストレージは「CT1000P3PSSD8」を使用。「CrystalDiskMark 9.0.1」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は5167MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3821MB/s

 ベンチマークスコアを総括すると、CPU、グラフィックボード、ストレージともに上位クラスに入るスコアであり、多くの3Dゲームを4K解像度でプレイ可能。

 また8K動画編集、RAW現像、高負荷な3Dレンダリングも実用的な速度でこなせる。プロセッサーはもう少し新しい製品を選択してもよいが、今回の構成でも長期間、プロゲーマー、クリエイターも満足させられる万能PCとして活躍してくれること間違いなしだ。

「ROG×初音ミク」は性能を妥協しないこだわりの逸品
自作PCに自信のない方もお迎えしてみては?

 

 今回の「ROG×初音ミク」エディションは、主要PCパーツを網羅した特別仕様だ。CPU、メモリー、SSD以外の11製品の総額は約72万円と高価ではあるが、最新のGeForce RTX 5080搭載グラフィックボードを選択するなど、妥協を許さないこだわりが感じられる。おそらくASUSの初音ミクファンが、自分で使うためにスペックを選定したのだろう。

 そして性能だけでなく、外観も申し分なしだ。組み立て自体は初心者にはやや難易度が高いが、完成後の満足度は格別。「組み立て代行サービス」は意外と安価なので、自作PCに自信のない方もぜひお迎えを検討してほしいマシンである。

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