今年も米高騰! 新米詐欺も出現中
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第54回。
今回は「お安く新米を売るとうたう、詐欺サイトにヒヤリ!」というお話をお届けします。
安価な米通販サイト、胡散臭すぎて買う気が起きず……
今年も新米の季節がやってきたー! おいしいお米を食べまs……高ッ!?
2025年前半に味わった「5Kg・4500円」の悪夢再び。ネットで新米セールやってる通販サイト見つけても軒並み胡散臭くて買う気しません。実際、詐欺も横行していると聞きますので、わざわざヒヤッとするような代物に近づく必要はないでしょう。
今は趣味の細々した出費を抑えて食費に回すしかありません。そろそろ米騒動起こしても良いんじゃないかな。
今回のヒヤリ案件は、2024年末ぐらいから始まった米の高騰、いわゆる「令和の米騒動」に関連するお話です。猛暑や異常気象による米の生産減少、品質悪化をきっかけとして、流通経路の問題や備蓄制度の変動などなどさまざまな要因からその価格が急上昇しました。
投稿者さんが指摘したように、一時、米の価格は5kgあたり4500円という、にわかには信じがたいレベルにまで高騰しました。この価格は、前年の倍以上です。政府が備蓄米を安価で提供したりもしましたが結局、銘柄米は高止まりのまま。そもそも銘柄米が手に入らないという時期までありました。
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そして、にわかに増えたのが「米の通販詐欺」です。市場よりも低価格な価格を提示している米販売サイトがいくつも登場、「お、安いんじゃない!?」と購入手続きをして、代金を支払ったのにいくら待っても米が届かない──そんなケースが多発しました。
また、2025年の夏が終わり、そろそろ新米が登場するというタイミングで米販売詐欺サイトはさらに増加。「採れたての新米が安い!」を売り文句に消費者心理を煽り、やはり代金だけを受け取って品物が届かない、という詐欺が横行しています。
あまりに相談が多かったことから、消費者庁が注意喚起しているほどです。
個人の観察力頼みは限界! テクノロジーで自衛しよう
米販売の詐欺サイトに共通する特徴については、消費者庁が指摘しています。それによると、「価格が不自然に安い」「事業者情報が曖昧、もしくは虚偽の可能性がある」「日本語表記に違和感があり、誤字や不自然な翻訳と思われる表現がある」「クレジットカード、デビットカードのみで支払い可能」「問い合わせ窓口がメールのみ」といったことが挙げられています。
米販売詐欺サイトは、「できれば安価に入手したい」という消費者心理につけ込んだ詐欺です。つまり、ユーザーの「買いたい!」気持ちが詐欺サイト特有の不審点を見逃してしまうのです。
今回の投稿者さんは、そういった「胡散臭さ」を看破したことで、ヒヤッとするような体験は回避できたようです。残念な話ではありますが、この御時勢に市場価格より安く米が手に入るということは「ありえない」と心に留めておくのが重要でしょう。
しかしながら、高齢者やとにかく米が欲しくて理性を欠いてしまっているような人には、そういうアドバイスは届かないかもしれません。そこで役立つのが、テクノロジーによる詐欺防止です。
総合的なセキュリティ対策アプリにはたいてい、既知の詐欺サイトへのアクセスをブロックしたり、検索結果にあらわれた時点で警告アイコンを表示したりする機能が搭載されています。
ユーザーが詐欺サイトへアクセスしようとした場合、遷移する直前に警告画面を表示してアクセスをブロックすることで詐欺被害を防ぎます。ごはん好きの家族や親戚が心配であれば、インストールを勧めておくと、ヒヤッと事案を回避できることでしょう。
日本人にとって米は欠かせない主食であり、詐欺サイトのうたい文句には否応なく惹かれてしまいます。だからこそ精神力や観察力ではなく、テクノロジーでの自衛が必須なのです。
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