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私にも磁界が見える…!iPadの磁界を可視化してみた【実験】

●磁界の強さによって色が変わる特殊なカラー観察シート

 もうひとつ、磁界の強さで色が変わる「カラー観察シート」(実売2500円前後)の原理はあまり解説されておらず、正確なところはわからなかったのですが、製品ページにある図がヒントになりました。

 先ほどのモノクロ観察シートは光が透過するか、反射するかで色を変化させていましたが、こちらは光の干渉により、色を変化させているようです。

 具体的にどうやっているかというと、このシートには、磁界がかかると整列する性質のある粒子が封入されており、通常はバラバラに散らばっています。この状態だと光は透過し、シートの底が色として見えます。

 ここに弱い磁界がかかると、粒子が整列。粒子の間隔、もしくは厚みが薄膜の役割を果たし、薄膜干渉によって特定の色が強く見えるようになります。磁界が強くなると粒子の間隔が狭くなるため薄くなり、強く見える色が変化するのでしょう。

Amazonの製品説明画像より。色が逆のような気がしますが、原理説明としては意味は伝わります

 磁界が強くなるにつれ、赤~緑~青と変化していくため、モノクロ観察シートと違い、磁界の強弱までひと目で分かるというのがメリットです。

裏に磁石を近づけたところ。磁界の強さで色が変わっています

 ちなみに、輪が二重に見えるのは撮影のライトが2つあるから。それぞれの光で干渉が起こるため、二重となります。

 面白いのは、磁界がなくなると粒子が散らばるため、一瞬で色が消えること。そのため、モノクロ観察シートのように跡が残りません。変化をリアルタイムで観察したい場合や、複数の観察場所があり、移動して次々見て回りたい、といったときはこちらの方が便利でしょう。シートを動かしても跡が残らないため、観察しやすいです。

●2つのシートで身の回りの物を観察してみた!

・マグネットシート

 磁力の弱い薄型(1mm)と、強力タイプ(3mm)を用意。薄型はS極N極の間隔が狭く、細かく並んでいるのに対し、強力タイプは間隔が広くなっているのが面白いところ。

モノクロ観察シートの場合。左が薄型で、右が強力タイプ

カラー観察シートの場合。左が薄型で、右が強力タイプ

 なお、カラーの観察シートは約1mmの台紙に貼られており、弱い磁界を見るのは不得意。そのため、薄型タイプの方はほんのり浮かび上がる程度でした。また、台紙がゆるくカーブしているため、ちょっと浮き気味に……。指で押さえないとうまく観察できませんでした。

 興味深かったのが、こちら。

強力タイプのマグネットシートですが……右が欠けてます

 右側の磁力が不自然に欠けてるよう見えますが、これ、ちょっとした出来心でネオジム磁石をなすりつけた場所です。明らかに磁力が弱ってますよね。このように、弱っている部分もひと目で見抜けるのが、カラー観察シートの強みです。

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