第118回
隣の人が消えた――。
バスごとフェリーで海を越える!? 渡り鳥ルートを再現した激レア旅と“消えた隣人”の話
2025年10月22日 07時30分更新
● 国境越えはパスポートチェックだけ……のはずが
デンマークのロービュ港に近づくと、車内へ戻るようにとの案内があり、バスへと移動。バスに乗車したままフェリーを下り、デンマークへ入国です。今回、ドイツから2回国境を越えることになりますが、3ヵ国ともシェンゲン圏内での移動なので、出入国審査はありません。ただ、本人確認と税関のためか、一応検査員が犬と一緒にバスに乗車してきて、パスポートのチェックをします。
パスポートを見せるだけなので問題はありませんが、スウェーデン入国時にそれまで隣に座っていた人は、パスポートを見せたあと犬がクンクンと反応したため、荷物をすべて持って係員に連れていかれてしまいました。そのあと彼を乗せることなくバスは出発……。なにかいけないものでも持っていたのでしょうか? 謎です。おかげで、それ以降は隣席も空いて快適でした。
●終盤は「ノーブレイク」地獄!? 車内はちょっと殺伐
出発が遅れていたこともあり、フェリーを下りてからは各停留所に1時間強遅れて到着。各停留所では乗客の乗り降りがあり、荷物の積み下ろしもあるため、10分ほどの停車時間があります。そのため続けて乗る乗客は、息抜きにバスから出てカラダを動かしたりすることも。
ですが、後半は降車する乗客も少なく、乗車してくる人もいないようでバスの停車前に運転手から「ノーブレイク(休憩無し)」と車内アナウンスがありました。どうやら停車時間を短くして、少しでも遅れを取り戻したいようです。
それでも車内禁煙のためタバコを吸いたい乗客が、無理矢理降りてタバコを吸っていて、そのたびに運転手と乗客が「ノーブレイク!!」とひと悶着。なかなか殺伐とした雰囲気の車内でした。
そんなこんなで、予定より1時間10分ほど遅れてストックホルム駅にあるバスターミナルに到着。ちなみにバスはそのまま終点のアーランダ国際空港(ストックホルム)へと向かいました。
●変な人・美しい風景・船旅まで。やっぱりバス旅はクセになる
さすがに20時間以上バスに座りっぱなしで、しかも休みなく、前日は日本から15時間近くのフライトに加えて、鉄道にも4時間半ほど乗車していたため、履いていたクロックスがキツく感じるほど、足がパンパンにむくんでいました。ちょっとカラダには無理のある行程だったようです。
とはいえ、異国の風景を車窓でたっぷりと楽しめ、思いがけず船旅も体験でき、しかも変わった人間模様も楽しめたので、やはりバス旅はやめられないです。しかも安いですしね! はっきり言ってオススメはできませんが、興味があればぜひ、体験してみてください!
■関連サイト
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります







