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2025年9月のフィッシング詐欺状況は想定通り!?

9月はAmazonとAppleを騙るフィッシングが6万件! iPhone発売とプライム感謝祭を狙った詐欺

2025年10月22日 07時00分更新

2025年9月のフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

AmazonとAppleを騙るものだけで全体の4分の1を占める

 証券会社を騙るフィッシングが減少傾向に。

 フィッシング対策協議会が10月に発表した、2025年9月分の「フィッシング報告状況」によると、「報告件数」は前月から3万1360件増えて、22万4693件となりました。

 これで5ヵ月間、「22万台→19万台→22万台……」という推移を繰り返していることになります。ただ、わずかながら減少傾向とは言えるでしょう。

 同協議会によれば、「9月前半はフィッシングメール配信数ならびに報告数が平均約8500件/日と多い状況が続き(中略)後半は平均約6500件/日と減少」しているとのこと。また、証券口座乗っ取りで注目された証券会社を騙るフィッシングメールも減少傾向だったようです。

 報告数全体のうち、およそ3万4000件(約15.4%)がAmazon、同じく2万5000件(約11.3%)がAppleをそれぞれ騙っていました。タイミング的にiPhone 17発売やプライム感謝祭開催を狙ったフィッシングと見るべきでしょう。

 そして、1万件以上の報告を集めたANAと日本航空を騙るフィッシングの報告もあわせると全体の約36.0%を占めています。

 分野別に見ると、EC系約28.9%、クレジット・信販系約22.8%、航空系約9.3%、配送系約7.5%、金融(銀行)系約7.0%、証券系約6.3%、オンラインサービス系約4.2%、そして交通系が約2.8%でした。前月と比べてEC系と航空系が増加、証券系は減少しています。

国勢調査を騙るフィッシングも

 次に、フィッシングメール/SMSの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数(重複なし)」は前月より7206件減少して、6万9077件でした。2ヵ月連続で減少しています。

 悪用された「ブランド件数」は前月より12ブランド増えて111件になりました。内訳はクレジット・信販系が25ブランド、金融(銀行)系21ブランド、証券系11ブランド、通信事業者・メールサービス系7ブランド、そしてEC系が7ブランド。証券会社を騙るフィッシングの量が減少した代わりに、「他業種のブランドが次々と狙われ」ているとのこと。

 また、国勢調査の回答依頼を装ったフィッシングメールも報告されています。5年ごとに実施するため概要を忘れがちですが、国勢調査では銀行口座など金銭にまつわる情報を収集することはありません。調査員に口頭で回答することもないので念のため覚えておきましょう。

 SMSを起点とするスミッシングは引き続き増えており、特にクレジット・信販系を騙るものが増加中です。宅配便の不在通知を騙るタイプも相変わらず確認されています。秋以降はECサイトによる大規模セールが続きますので、宅配便やECサイトを騙るフィッシングには要注意です。

2025年9月のフィッシングサイトのURL件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

2025年9月のフィッシングに悪用されたブランド件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。

※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。

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