課題も山積み
もちろん、技術の進歩には懸念もある。著作権侵害の問題、ディープフェイク(deepfake)による悪用リスク、「AIスロップ(粗製乱造コンテンツ)」の氾濫など、社会的な課題は山積みだ。
OpenAIは透かし(watermark)やメタデータ(metadata)による対策を講じているが、リリースから72時間以内にオープンソースの透かし除去ツールが登場するなど、いたちごっこの様相を呈している。
法的な問題も懸念されている。AI生成動画の精度が上がれば、犯罪現場の偽造映像を作ったり、実際にはいなかった人物をその場にいたかのように見せることが容易になる。裁判で映像証拠の真偽をどう判断するのか、新たな課題が生まれている。
「誰もが映像クリエイターになれる時代」の幕開け
Sora 2の本質は、単に「きれいな動画」を作ることではない。物理法則に従って動く小さな世界をシミュレートできる点にある。だからこそ、Soraを動画生成ツールとしてではなく、「カメラを持った物理シミュレーター」として使うのが正解だ。
映画の撮影用語を使い、音声の指定を細かくし、物理現象を正確に記述すれば、「これ、本当にAIが作ったの?」と驚かれる動画ができる。今は招待制だが、一般公開されれば、動画制作のあり方が根本から変わるだろう。
Sora 2は、誰もが映像クリエイターになれる時代の始まりを告げるツールだ。あなたなら、どんな動画を作ってみたい?
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