週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

目黒 蓮さんも来た! 「相棒」としてのAIが魅力のモトローラ折りたたみスマホ「razr 60」登場

 モトローラ・モビリティ・ジャパン合同会社は9月30日、最新折りたたみスマートフォン「motorola razr 60」シリーズの製品発表会を開催しました。世界市場で8四半期連続成長を続ける同社が、特に成長の牽引役と位置づける日本市場に、AI機能を大幅に強化した新モデルを投入します。

日本市場では目黒 蓮さんの起用で
若年層への認知度が大幅アップ

 モトローラは、グローバル市場で収益ベース(直近第1四半期)でプラス14%の成長を達成しており、特にプレミアムカテゴリー(RazrシリーズとEdgeシリーズ)は収益ベースで40%、出荷台数で51%という目覚ましい成長を遂げています。同社は折りたたみ携帯電話の分野で世界ナンバーワンのシェアだと説明しました。

モトローラの現状を説明したモトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長の北原秀文氏

 成長を特に牽引しているのがアジア太平洋地域(APAC)であり、その中でも日本は著しい成長を記録しています。FCNTを含むグループ全体の数字ではありますが、日本市場における収益は前年同期比で371%増、実に3倍以上の成長を達成しています。

 モトローラは、スマートフォンを単なるツールとしてではなく、「デザイン」や「ファッション」として開発する方針を掲げています。また、AIの進化を追求し、イヤホンやスマートウォッチなどのIoTデバイスも拡張し、エコシステムを構築する計画です。

 日本市場での戦略の柱は、まだ黎明期にある折りたたみスマートフォンの市場を盛り上げること。多層的なブランディング強化を進めており、特にブランドアンバサダーである目黒 蓮(Snow Man)さんの起用により、若年層だけでなく、30~50代、そして女性層のブランド認知拡大に成功しています。

新製品「motorola razr 60」の全貌

 今回発表された「motorola razr 60」は、オープンマーケットモデルに加え、ソフトバンク向け「razr 60s」、ドコモ向け「razr 60d」の3モデル構成で、10月10日に発売予定です。最上位機種「razr 60 Ultra」は12月に発売予定で、Ultraは新たにauやIIJmioでも取り扱いが決定し、販路が大きく拡大します。

製品説明を担当した、モトローラ・モビリティ・ジャパン テクニカルサポートグループ 開発事業部長 伊藤正史氏

 なお、razr 60のオープンマーケットモデルの価格は13万5800円です。

 新製品のセールスポイントは、「さらに進化しAIとパフォーマンス、耐久性、美しいデザインを兼ね備えた最新折りたたみスマートフォン」であると位置づけられています。

 ハードウェア面では、メインカメラは5000万画素標準と1300万画素の超広角、バッテリーは前機種から増量した4,500mAhを搭載しています。耐久性も向上し、ヒンジ部分にはより強度の高いチタン性の部品を採用、80万回の開閉試験をクリアしています。また、防水に加えて防塵(IP48)にも対応しました。

進化した「moto ai」が実現する新たなユーザー体験

 razr 60の最大の進化点は、ユーザーのスタイルに寄り添う「相棒的」な存在を目指すという「moto ai」の強化です。AI機能は主に「Create」と「Assist」のカテゴリで大きく進化しました。

 主要な新機能は以下の通りです。

1.とりまリスト:溜まった通知やメッセージから重要なものや、見逃したものを要約して表示します。とりまリスト上からメッセージへの返信や着信応答が可能で、アプリを開かずに操作できるため、たとえばLINEの場合、既読をつけずに応答できるという利便性もあります。

2.おまとめメモ:音声録音と同時にほぼリアルタイムで文字起こしを行ない、さらに要約(サマリー)を生成します。話者(話した人)の識別も可能です。

3.お気にリマインダー:サイトのスクリーンショットやカメラでキャプチャした情報に、メモを添えて保存しておくと、あとからmoto aiに聞くだけで思い出させてくれます。

4.プレイリストスタジオ:気分に合わせたプレイリストをmoto aiが作成し、Amazon Musicで再生できます。

 モトローラは、独自のLLM(大規模言語モデル)は持たず、様々なAIエンジンを使い分けるマルチプラットフォーム戦略を採用しています。これは、利用シーンに応じて最適なエンジン(GoogleのGemini、Perplexity、Copilotなど)を適用する「オーケストレーター(指揮者)」のような役割を担うものと言います。

 これらのAIの処理を支えるプロセッサーには、AI性能が15%向上したDimensity 7400Xを搭載しています。

デザインと操作性の追求

 razr 60は、コンパクトな状態での操作を追求し、3.6型のアウトディスプレーを搭載。ほぼすべてのアプリをアウトディスプレーで利用可能であり、これは現時点でモトローラの強みの1つです。電子決済アプリもクイックに起動できます。

 カメラ機能も拡張され、さまざまな角度に折りまげて撮影する「フレックスビュー スタイル」に加え、手のひらを見せて動画撮影を開始・停止できるジェスチャー機能がもあります。

 カラーバリエーションは、Pantoneとのコラボレーションにより決定され、広告使用カラーの「PANTONE Lightest Sky」、「PANTONE Gibraltar sea」「PANTONE Parfait Pink」の3色が展開されます(ドコモ版はピンクを除いた2色展開)。

 マーケティングは引き続き、情報感度の高いZ世代を含む若年層と、ガジェットのスペックに関心を持つ30~40代をターゲットに展開されます。キービジュアルには、目黒 蓮さんとrazr 60が登場し、moto aiが日常の退屈な時間を楽しい時間に変える「相棒」であることを訴求しています。

【まとめ】単なるハードメーカーから
AIの提供者としての転換期

 今回のrazr 60シリーズの発表会を通じて感じたのは、モトローラが単なるハードウェアメーカーから、「AI体験の提供者」へとシフトを明確に図っている点です。折りたたみスマホというハードウェアの優位性(アウトディスプレイでの多機能性、耐久性の向上)を維持しつつ、とりまリストやおまとメモといった「生活に寄り添う」アシスト機能に注力することで、単なるハイスペック競争とは一線を画す、独自のユーザー体験を提案しています。

 特に、複数のLLMを適材適所で使い分ける「マルチプラットフォーム戦略」 は、特定のAIエンジンに縛られないモトローラらしい柔軟なアプローチであり、今後のAIの進化に伴い、「オーケストレーター」としての役割が大きな強みになる可能性があります。

目黒さんの起用もモトローラ躍進の大きな要因

 日本市場での異例の急成長は、FCNTの影響も大きいとしつつ、元々キャリアとのリレーションシップを強化してきたモトローラ自身の努力の結果、そしてブランド認知拡大策が結実しつつある段階です。折りたたみスマートフォンが、AIという強力な武器を得て、iPhone一強になっている日本のスマホ市場の閉塞感を打ち破る「起爆剤」となることを期待したいところです。

日本には登場未定のスワロフスキーコラボ「razr 60」

「motorola razr 60」の主なスペック
ディスプレー メイン:6.9型有機EL、120Hz
サブ:3.6型、90Hz
サイズ 開:73.99×171.30×7.25mm
閉:73.99×88.08×15.85mm
重量 約190g
CPU MediaTek Dimensity 7400X
メモリー 8(s/d)/12GB
ストレージ 256(s/d)/512GB
OS Android 15
5G n1/3/5/28/41/66/77/78(dのみn79)
Wi-Fi Wi-Fi 6E
カメラ画素数 5000万画素+1300万画素
イン:3200万画素
バッテリー容量 4500mAh(30W対応)
NFC/FeliCa ○/○
防水/防塵 IP48
生体認証 ○(顔、指紋)
SIM形状 nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
カラバリ PANTONE Parfait Pink、PANTONE Gibraltar Sea、PANTONE Lightest Sky

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります