第19回
2025年8月のフィッシング詐欺状況は落ち着きを取り戻した……か?
フィッシング詐欺は減少傾向だがSBI証券、Amazonなどを騙る19万件超の報告が寄せられる
2025年09月25日 19時00分更新
SBI証券、Amazonを騙るフィッシングがツートップ
このまま減少してもらえると良いのですが……。
フィッシング対策協議会が9月に発表した、2025年8月分の「フィッシング報告状況」によると、「報告件数」は前月から3万3100件減少し、19万3333件となりました。
前々月とほぼ同じ水準まで減ったかたちです。同協議会によれば、「7月まで多かった証券会社を騙るフィッシングメールは配信が続きましたが、報告は減少傾向」とのこと。それでも、SBI証券を騙るフィッシングが全体の約12.3%と最も多く報告されています。
次いでAmazonを騙るフィッシングが約12.0%、そして1万件以上の報告を集めたApple、American Express、ANAを騙るフィッシングの報告をあわせると全体の約44.8%に達するとのこと。
分野別に見ると、EC系約22.0%、クレジット・信販系約21.8%、証券系約16.8%、航空系約7.8%、金融(銀行)系約7.8%、モバイル系約4.8%、交通系約4.4%となっています。前月と比べて証券系とモバイル系が大きく減少しました。
アップルと宅配業者を騙るフィッシングに注意
次に、フィッシングメール/SMSの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数(重複なし)」は前月より8989件減少して、7万6283件でした。ここ数ヵ月は増加傾向でしたが、ひと息ついたかたちです。
悪用された「ブランド件数」は前月より2ブランド増加して99件となっています。内訳はクレジット・信販系が20ブランド、金融(銀行)系16ブランド、証券系11ブランド、通信事業者・メールサービス系7ブランド、そしてEC系が6ブランドでした。
SMSを起点とするスミッシングは今回増加傾向で、「クレジット・信販系、国税庁、SNS系、宅配便の不在通知を騙る文面」が報告されているとのこと。10月は引き続きiPhone 17はじめアップル製品の配達時期を狙ったスミッシングが飛び交うはずです。アップルおよび宅配業者からのメールやSMSには十分注意が必要でしょう。
なお、フィッシングメール以外には前月同様、「証券会社を騙り、儲かる投資のアドバイスやセミナーへの勧誘のメールが大量に配信」されているとのこと。そのほか、警察を装った詐欺メールの報告なども寄せられています。現在、電話を使ったニセ警察官詐欺が流行っていますが、メールを使う亜種も存在するようですね。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。
※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。
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