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ASUSとMicrosoftが本気を出した“Xbox携帯機”――ROG Xbox Ally & Ally Xが正式発表

2025年09月26日 09時00分更新

 ASUSは9月18日、Microsoftとの共同開発による新型ハンドベルトゲーミングPC「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」の発表会を行った。

 ROG Xbox Allyは、XboxゲームおよびPCタイトルを統合的に楽しめる環境、携帯ゲーム機としての操作性と性能の両立、AIやAMDの最新プロセッサーを活かした次世代機能が見どころだ。

画像左:ROG Xbox Ally 画像右:ROG Xbox Ally X

  標準モデルのROG Xbox Allyと、ハイエンド仕様のROG Xbox Ally Xの2モデルが発表され、日本を含む複数国での同時展開が予定されている。

 両モデルとも10月16日に発売。価格はROG Xbox Allyが8万9800円、ROG Xbox Ally Xが13万9800円となる。

ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xをニーズ毎に展開

 ROG Xbox Allyシリーズは、初代ROG Allyシリーズのコンセプト「すべてのゲームを手のひらに (Play All Games)」を継承。

 Me(自分だけの専用ゲーム機として使用する)、We (家族や友人と一緒に楽しむ)、Pro(デスクトップゲーミングPCとして使用する)とユーザーは自分に合ったプレースタイルで使用することが可能だとする。

 ROG Xbox Ally シリーズは、「ROG Xbox Ally」(標準モデル)&「ROG Xbox Ally X」(ハイエンドモデル)の2製品ラインで展開。それぞれ異なるスペックを持ちつつ、多くの共通仕様と新機能を搭載している。

ROG Xbox AllyはCPUにAMD Ryzen Z2 Aプロセッサーを搭載

 ROG Xbox Ally(標準モデル)はCPUにAMD Ryzen Z2 Aプロセッサーを搭載。Zen 2コアを含み、8 スレッド構成で、効率と消費電力のバランスを重視した設計。メモリーは16GBのLPDDR5X-6400、ストレージは512GBのM.2 2280 SSDとなる。

ROG Xbox Ally XはAMD Ryzen AI Z2 Extremeプロセッサーを搭載

 ROG Xbox Ally XはAMD Ryzen AI Z2 Extremeプロセッサーが搭載され、Zen 5世代のCPUコア数(8コア/16スレッド)、RDNA 3.5アーキテクチャーおよびNPUが統合。

 AIを活用した新機能や、高負荷なグラフィック設定でも性能が発揮できるという。メモリーは24GBのLPDDR5X-8000、ストレージは1TBのM.2 2280 SSDだ。

7インチ、フルHDでタッチスクリーンに対応

 ディスプレーは共通して7インチのIPS液晶(タッチスクリーン対応、10点マルチタッチ)、フルHD(1920×1080ドット)、リフレッシュレート120Hz(AMD FreeSync Premium)で滑らかな描写を実現。

 またCorning Gorilla Glass Victus + DXC反射防止処理で、映り込み軽減と耐久性を両立している。

 グリップ形状はXboxのコントローラーを思わせる輪郭を取り入れ、長時間の携帯でも手の疲れを軽減するエルゴノミクスデザインを採用。

 操作については、標準的なABXYボタン、D-パッド、左右のバンパー/リアルトリガー、アナログスティック2本。Ally Xにはインパルストリガーが搭載されており、射撃やアクセル操作などでより細かな振動/反発を感じられるという。

Xboxボタンが搭載され、Xbox Game Barを即座に起動できる

 加えて、Xboxボタンを新搭載。Xbox Game Barを即座に起動できるほか、画面キャプチャーやXboxアプリ内チャットもすぐに利用できる。

 インターフェースはAlly XがUSB4 Type-C(PD対応)×1、USB3.2 Gen2 Type-C(PD対応)×1、microSDカードリーダー、ヘッドホンジャックなど。Allyは、2つの USB 3.2 Gen2 Type-C(PD対応)×2、microSDカードリーダー、ヘッドホンジャックなどを搭載する。

 通信面は共通で、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4を搭載。バッテリーはAllyが60Wh、Ally Xが80Whを搭載する。製品サイズ/重さはAllyが幅290.0×奥行き121.0×高さ27.5~50.9mm/約670gで、Ally Xが幅290.0×奥行き121.0×高さ27.5~50.9mm/約715gとなる。

 また両シリーズには「Handheld Compatibility Program」を導入。発売時点で多数のPC ゲームが「Handheld Optimized」(最適化済み)または「Mostly Compatible」(大部分で快適)としてタグ付けされ、コントローラー入力やテキスト表示・フォントサイズ、UIの見やすさなど携帯機での使用感改善が図られている。

XBOXのプロダクトマネージャーも登壇!

 発表会では、ASUSのROG Xbox Allyの開発担当者のほか、AMD・Xboxそれぞれの担当者が登壇し、新製品についての展望を述べた。

ASUS JAPAN
コンシューマービジネス事業部 統括部長 
David Chu氏

 まず、ASUS JAPANのDavid氏(ASUS JAPAN コンシューマービジネス事業部 統括部長 )は、ASUSの哲学「全ては人から始まる」に基づき、ROG Xbox Allyの開発は「どんな体験を届けたいか」という問いから始まったと説明。

 日本市場でROG AllyがWindowsハンドヘルドPCのトップとなった実績にも触れ、後継機Ally Xではメモリー24GBや大容量バッテリー、操作系の改善を実施したと語った。それを踏まえ、次世代機はXboxとの連携によって、より幅広いゲーマー層に豊かな体験を届けたいとした。

ASUSTek Computer Inc
ROG製品プロダクトマネジメントディレクター 
Gabriel Meng氏

 また同社のGabriel氏(ASUSTek Computer Inc ROG製品プロダクトマネジメントディレクター)も登壇。ROG Xbox Ally シリーズの開発については自らゲーマーの視点で開発に臨んだとし、ユーザーフィードバックを重視した設計を強調。

 Ally Xでは「RAM増加」「バッテリー拡張」「ポート追加」など具体的な要望を反映させたと語った。さらに、Xboxとの協業で「ゲームパッドナビゲーションを中心とした新しい体験」を追求したという。

日本AMD 代表取締役副社長
アジアパシフィック クライアントビジネス ディレクター
関 路子氏

 日本AMDの関氏(日本AMD 代表取締役副社長)は、新プロセッサー「Ryzen Z2シリーズ」について解説。Ally X向けの「Ryzen AI Z2 Extreme」にはRDNA 3.5 GPUコアと高性能NPUを搭載し、AIによる新しいゲーミング体験を可能にするという。

 一方、Ally向けの「Ryzen Z2 A」は低TDP設計で長時間駆動に優れると述べ、両モデルが異なるニーズに応えるとした。

Xbox シニア プロダクト マネジャー リード
Dominique Gordon氏

 最後に、XboxのDominique氏(Xboxシニア プロダクト マネジャー リード)は、ハンドヘルド開発はXboxにとって自然な流れだと語り、ASUSと協業した経緯を紹介。ユーザーからの要望として「Xbox体験をAllyでも再現したい」「Windowsの利便性改善」があったことを明かした。

  また、ROG Xbox Ally Xにはインパルストリガーを搭載し没入感を高めたこと、さらに2024年から「ハンドヘルド互換性プログラム」を開始し、1800本以上のPCゲームで動作最適化を進めていることを紹介。日本市場を重要視しているとも述べた。

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