カメラを持って猫散歩なんかしたら、猫より先に人間が倒れてしまいそうな灼熱の8月が終わり、9月になったら少しは散歩でもできるかなと思いきや、やっぱ暑くて長時間屋外にいるのはしんどいのであった。猫もそうだったに違いない。
そんな9月初頭、暑くて疲れたのでちょっと休憩しようと、大きくてフラットなベンチがいくつか置いてある広場に立ち寄ったのである。座面が広くてフラットなので荷物を置いて休憩するのにちょうどいい。一番奥にあるベンチに荷物を置いてちょっと飲み物でも、と思ってそちらを見ると、ベンチの下に何か置いてあるようである。黒っぽい塊が2つみえる。
もしやと思ってそーっと近づいて下を覗くと……猫が寝てるじゃん!
ここはいい感じに陽射しを遮ってくれるうえに、奥にいれば人の目にもつきにくいので、猫には都合がいいのだろう。公園をよく見ると、ここは自治体による猫との共生モデル事業のひとつとして、町内会が猫たちを見守っていると書いてある。猫のいる広場だったのだ。
近づいたのがばれて猫たちが動いてしまったので、それを目で追うと、ほかのベンチの下にも隠れているではないか。
冒頭の写真はまた別のベンチ下。ベンチの下感が出るようにローアングルで狙ってみた。公認の地域猫であるが、人にはあまりなれていないようで、不用意に近づくとそそくさと別の場所に移動しちゃう。
こちらはまた別の猫。最初に見つけたベンチの下で。
今回のカメラは、コダックブランドで出ている廉価で単焦点なコンデジ「PIXPRO C1」。薄くて小さくて軽くて安くて、めちゃシンプルで光学ズームも手ブレ補正もないのだけど、それを踏まえたうえで、結構な人気らしいのである。
あまり考えないで撮ると失敗しやすいのが難点だが、ブレたりタイミングが合わなかったりピントが合ってなかったりしても、それはそれでしょうがないな、ってなるのが面白い。
このカメラ、広角系の単焦点なので外の猫を撮るには向いてないのだけど、モニターが180度回転して自撮り仕様になるからちょっと面白いのである。
こんな風に自撮りモードで気軽に猫。
猫を撫でながら手を伸ばして自撮り猫もOK。
そして、子猫が急に肩に飛び乗ってきてびっくり肩のせ自撮り。逆光だと素直に暗く写ります。
よく見ると手ブレしてるし画質的にもオールドコンデジっぽくて、イマドキのスマホの方がキレイに失敗なく撮れるのだけど、スマホの「ちょっと人工的にキレイにした」感じじゃないところが味のある写りに思えるのが面白いところ。しかもポケットに入る小ささ・軽さでさっと撮れる楽しさがウケてるんだろなと思う。実際、結構楽しかったりする。
これなんか、よく見るとブレてるし派手に白トビしてるんだけど、そのぶん、妙にリアルさがあるのだ。
デジカメ黎明期からずっと画質の進化を追っている身としては、先祖返りしたような画に懐かしさを覚えたりするのだが、あの時代を知らない人にとっては逆に新鮮なのだろうなあと感じ入った次第である。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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