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IONIQ 5 Nに2週間乗って実感した遊び心と快適さ、そしてEVゆえのメリット・デメリット

満足な充電スポットが少ない問題

 これはIONIQ 5 Nに限った話ではなく、EV全体の問題であり、もはや国が率先して旗を振っていかないといけませんが、あまりにも地方に充電スポットが見あたりません。現在はかなり数が増えていますし、特に都内では困ることはありませんが、地方や高速道路上での急速充電器の数が足りていないように感じます。3~6kWの普通充電器は多いのですが。

 また、50~150kWの急速充電器はディーラーに設置されていることも多いのですが、ディーラーによっては休業中は貸し出していなかったりで、せっかく立ち寄っても入れないから充電できないなんてこともありました。あとは他メーカーのクルマに乗ってディーラーに入って充電できる根性も必要です(筆者は日産とメルセデスのディーラーにお世話になりました)。

 今回、高速道路の充電器も使いましたが、大きめのサービスエリアでも急速充電器が1台しかないところもあり、先約がすでにいると「充電完了するのは1時間後かあ」と、EVの旅行では時間に余裕を持たないといけない(充電の時間を考慮しないといけない)と思い知らされました。さらに、場所によって急速充電の出力が違うので、同じ30分の充電でも10%→30%だったり、10%→50%だったりと「あれ、思ったり充電できてなくね?」となることも。

 筆者が使っていた充電プランはだいたい30分で2000~3000円くらいでしたが、会津若松に行くまでに4回充電(高速2回、会津で2回)しており、千葉に戻ってからも広報車返却のため2回ほど充電しています。最初からエコモードで走っていればもう少し充電回数を減らせたかもしれませんが、仕方ありません。スポーツモードが楽しすぎるから。

 EVは家に充電器があるかないかでもコストが変わりますので、一概にガソリンとEV、どっちがオトクかは判断できません。もし家に充電器を設置できて、あまり遠出をしないのであれば、ガソリン代が高騰する中、EVという選択は最適です。

場所によってはまったく手入れされていないのか、画面が見づらい充電器も。というかほとんど見えない……

うっすら見えてますが、太陽光で非常に見づらくて、カンで操作しました

高速道路でもこんな感じですが、これはまだ見やすいほうです

 ちなみに、スマホと違ってバッテリーは満充電にはなりません。80~90%くらいでストッパーが働きます。これはバッテリーを守るためです。30分充電を2回連続で行なうのもバッテリーが高温になるので推奨されません。しばらく時間をおいたほうがいいでしょう。

 試乗会や広報車を借りて2~3日ちょろっと乗るだけでは、以上のようなデメリットにも気がつかなかったと思うので長期間貸していただいたヒョンデには感謝です。

【まとめ】そろそろ普通のEVに飽きてきた人は検討を!

 以上、EVならではのデメリットもありますが、クルマとしては非常にデキがよく、なにより乗っていて楽しいのです。運転するならドライブが楽しいのはこれ以上ない条件ではないでしょうか。車内も広いので、長距離を走るグランドツアラー的にも使えます(ただし充電ポイントは事前に調べておきましょう)。

 また、ノーマルのIONIQ 5よりも乗り心地が良く感じたのは足周りが電子制御ダンパーだからかもしれません。

 使いこなすには機能が多すぎだとは思いますが、逆にそれだけ楽しめるということ。最近はサーキットにも充電器があったりしますので、サーキットで全開走行して、休憩や後片付けしながら充電して、サーキットをあとにする、なんてこともできるでしょう。

 オーナーイベントが開催されるほどオーナーも多いので(海外に比べるとまだまだですが)、情報交換もできそうです。

 ほかのEVと比べると、明らかに異質でやりすぎ(褒め言葉)な存在のIONIQ 5 N。ちょっとお金に余裕があって、人と同じクルマには乗りたくないという人には、ぜひとも選択肢に加えてもらいたい1台でした。

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