ニコンは9月10日に、フルサイズセンサー搭載カメラ「ニコン ZR」発表した。グループ会社「RED」の技術を融合したシネマ向けの製品シリーズ「Z CINEMA」の最小モデルで、映像制作向けカメラとなる。
価格はオープンで、ニコンの直販サイトでは29万9200円で9月18日10時予約開始、10月24日発売予定。直販サイトではメンバーログインで10%OFFとなるので、実質約27万円で購入できる。
6K60Pムービーを撮影可能
新・動画記録ファイル形式「R3D NE」
「ZR」はニコンZマウント採用のフルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラで、CMOSセンサーの解像度は2450万画素。撮像範囲は36×24の場合で、最高6048×4032ドットとなる。
最大6K(6048×3402)、59.94pの撮影にも対応し、内部収録が可能。手ブレ補正はイメージセンサーシフト方式5軸補正とレンズシフト方式(VRレンズ使用時)。
「ZR」では、REDのRAW動画収録コーデック「R3D」をベースとして、ニコンのカメラ専用に新開発した動画記録ファイル形式「R3D NE」で記録できるのが特徴。RED機と同等のカラーマッチを実現する。
気軽にREDのシネマルックな映像を楽しみたいユーザーのために、ユーザー設定プリセット「シネマティック動画」モードを搭載する。
ISO800/6400の2つのベースISO感度に対応しており、暗い場所での撮影にも強く、15+stopsの広いダイナミックレンジで、様々なシーンに対応できる。
シャッターはメカはなく、電子シャッターのみで1/16000~30秒。静止画撮影では「Z6III」と同等の高度な機能に加えて、星景撮影用のプリセットなど新機能も搭載している。ハイスピードフレームキャプチャーでは最高約120コマ/秒での連写も可能だ。
記録媒体はCFexpressカード(Type B)、XQDカード、microSDメモリーカードを利用できる。
大型背面モニターに
「Z9」譲りのAI-AFも搭載
背面モニターはDCI-P3を100%カバー、307万ドットの高解像度と1000ニトの高輝度、視野角160°を実現。アスペクト比は16:10を採用し、外部モニターを装着せず、コンパクトなシステムでの運用が可能だ。
モニター上でのLUTモニタリングができ、17ポイント、33ポイント、65ポイントの3種類のLUTデータの読み込みが可能。また、「NX MobileAir」を使ったFrame.ioの「Camera to Cloud」に対応。動画データは直接クラウドに自動で転送されるので、撮影後のワークフローを短縮できる。
フラッグシップ「Z9」に搭載の画像処理エンジン「EXPEED 7」と、ディープラーニングを活用したAI技術によって、被写体をより的確に検出・追従する。人物や動物、乗り物など9種類の被写体をカメラが自動で高精度に検出、フレーム長辺に対して約3%のサイズの小さな顔も捉えるため、遠くの人物も正確にピントを合わせることが可能だ。
外装全体で効率的に放熱できる設計のため、USB給電時には連続撮影時間が125分と長回しができる。結婚式やコンサート、取材でも安心だ。
シネマカメラとして、動画撮影時のシャッターアングル(シャッター開角度)を5.6°~360°の範囲で設定可能。HDMI-CEC経由で入力されたタリー制御信号を受信し、複数カメラ使用時に各カメラのステータスを表示できる。
映像圧縮方式はR3D NE(12bit)、N-RAW(12bit)、Apple ProRes RAW HQ、Apple ProRes 422 HQ、H.265/HEVC(8bit/10bit)、H.264/AVC(8bit)を内蔵する。
ボディサイズは約134×80.5×49mmで、重さは稼働時で630g。バッテリーはLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15cで動画は約90分間撮影できる。
インターフェースはType-C端子(SuperSpeed USB)、HDMI出力(Type D)、外部マイク入力はステレオミニジャック(φ3.5mm)、プラグインパワーマイク対応、ライン入力対応。ヘッドホン出力はステレオミニジャック(φ3.5mm)、リモートコード MC-DC3使用可能。
「ZR」の新開発のデジタルアクセサリーシューで使用できる32bit float対応のショットガンマイクロホン「ME-D10」も同時発表した。こちらもオープンプライスで、直販価格は3万7400円で10月24日発売となる。
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