週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

ハンマーで遠慮なく叩ける!「アンビル」の使い心地が想像以上だった

 ハンマーといえば、釘を打つというのを真っ先に思いつきますが、ノミやポンチといった工具へ力を伝える道具としてもよく使われます。また、組み立て時に直接部品を叩いて押し込む、軽く叩いて位置の調整を行う、といった用途もあります。

 どの場合でもそうですが、力を安定して伝えるには、叩く対象の下に置く作業台が大切。柔らかいものの上では力がうまく伝わらず、何度も叩いて傷つけてしまったり、逆に力を入れ過ぎて対象を壊してしまうこともあるからです。また、何も置かずに作業すると、台替わりにした机や床を傷つけてしまうこともあります。

 適当な木材を下に置くだけでも結構違いますが、木材だとまだ柔らかく、とくに小さな金属部品などを扱うには不向き。軸にギアを取り付けたいのにめり込んでしまう、バネ口金にビスを打ち込みたいのにバネ口金が木材に刺さる、といった失敗はありがちでしょう。

手芸用のバネ口金。端にビスを打ち込んで止めますが、台がないと結構大変

●思いっきり叩きたい時、どうする?

 こういった時の作業台として便利なのが、アンビル(金床)。イメージとして思い浮かぶのは、刃物の鍛造といった金属加工で使うものですね。真っ赤に加熱した鋼を叩き伸ばしたり、形を整えたりするときの台として使用します。ゲームのアイテムとして出てくることも多いので、実物は知らないけれど名前は知っている、という人も多いでしょう。

 アンビルはほぼ鉄の塊ですから、とにかく重たくて硬いのが特徴。ハンマーで叩いても簡単には動かず、安定して作業できる台となってくれます。もちろん鍛冶用としてだけでなく、金属管の端を叩いて潰す、凹みを直す、リベットを叩く、緩んだ接合部を叩き締める、製品分解時にプラケースを叩き割るなど、様々な用途で活躍してくれます。

 大きくて重たいものほど使いやすいですが、かといって、数十キロのアンビルを手に入れるのは考えもの。移動するのが大変ですから、不使用時にしまっておきたいならなおさらです。

 そこで、1キロくらいのホビー用アンビルを試してみようと製品を探してみたのですが、ここでふと思いました。突き出したツノの部分、あまり使わなさそうですよね。ということで、ツノのないコンパクトなレール型のアンビルから選んでみることにしました。

●とりあえず小型のアンビルを買ってみた

 いろいろな製品があるのですが、とくに気になったのが約400g、長さ70mmという軽くてコンパクトな「ミニレールアンビル/DR-70」(実売価格1072円)。土牛産業の製品で、製造中止となってしまっていますが、まだAmazonなどで入手可能です。

ミニレールアンビル。アンビルの中ではかなりコンパクト。実売価格1072円

 もうひとつは、同じく土牛産業の製品で、シンプルに「金床」という名前がついている100mmサイズのものです(実売価格3362円)。こちらもレール型のアンビルですが、角が丸められていたり、角度が付けてあったりするのが特徴です。

100mmサイズの金床。角が丸められ、側面に角度が付いています

 本来の用途は、カンナの裏出し(刃の裏にある凹みを叩き出す作業)や、ノコギリのアサリ(刃を左右に振って角度を付ける)用ですが、この形が金属部品の凹みを直したり、角度を付けたりといった整形・加工に便利そうだと思い、選んでみました。

 ということで、この2つのアンビルを試してみましょう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事