挟んで、握って、あざやかに切り取る!
手動で金属薄板を切る工具といえば、金切りバサミやノコギリがあります。どちらも便利な工具ですが、細かなカットが難しく、平板以外は切りにくいため、ケースの加工には向いていません。糸ノコであれば細かな加工ができますが、薄くなると切断面が曲がりやすく、波打ってしまうことがあるのが悩みです。
ドリルで大まかに穴をあけ、ヤスリで削って形を整えるといった方法は手軽ですが、切りクズ・削りカスが大量に出るため、後片付けまで考えると気が進みません。
ハンドニブラーが面白いのは、ハサミのように線で切り進めるのではなく、四角い面で何度も切り取っていく工具となっていること。アオムシが葉っぱを食べ進めるようなイメージです。
仕組みはシンプルで、ハンドルを握ると四角い刃が下がり、間に挟まった板を切り取るというもの。形状や動きは異なりますが、原理としては、文房具の穴あけパンチに近いといえるでしょう。
一度に切り取れるのは幅約6mm、長さ約2mm。5回切り取っても1cmくらいしか進みませんから、気長に作業する必要があります。もっと大きく切り取れれば早いのに、と思わなくもないですが、そうすると、細かい加工ができなくなりますし、切断面も歪みやすくなります。キレイに仕上げるという点を考えれば、このくらいがちょうどいいのでしょう。
試しに、手元にあった約0.5mmのアルミ板をカットしてみました。切りたい部分を刃の下に滑り込ませてハンドルを引くと、約2mm切り取られます。これを真っ直ぐ繰り返せば直線切りになりますし、少しずつ角度をずらして繰り返せば、曲線切りになります。
柔らかいアルミ板ということもあり、多少は曲がってしまいますが、それでも、金切りバサミよりだいぶキレイに切れました。
なお、Webの製品情報によると、切断能力は鉄板やアルミ板で0.2~1.5mm、ステンレス板で0.1~0.6mm、鉄板で0.1~1.0mmとなっています。ですが、パッケージ裏面には鉄板やアルミ板で0.5~1.5mm、プラスチック板で0.5mm~1.6mmと書かれていました。
どちらが正しいのか分かりませんでしたが、試しに0.1mmのステンレス板を切ってみたところ、なんとなく体感できました。薄すぎる素材だと刃の隙間に入ってしまい、切り取れずに繋がったままになっちゃうんですね。ですので、パッケージ裏面の切断能力が正しそうです。
ちなみに、0.1mmならスッと抜けるので「切れなかった」だけで済みますが、0.2mmのブリキ板を試してみたところ、刃の隙間にキツク挟まってしまい、なかなか引き抜けなくて焦りました。懲りずに0.3mmのステンレス板を試してみたところ、こちらはちゃんと切り取れました。
試した範囲での結論ですが、カットする素材の厚みは最低でも0.3mmは必要です。そのため、お菓子などが入っている小型の金属缶を利用した工作には不向き。こういった缶の多くは、0.3mm未満だからです。やる場合はテスト用の缶を用意して、ちゃんと切り取れるか試してみてからにするのがいいでしょう。
四角い穴も自在にあけられる!
続いて、ケースの加工で多く使われることが多い、四角い穴をあけてみましょう。
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