Boseと協業で生まれた、本格仕様&高コスパヘッドホン、新進ブランドBaseusが開発
2025年09月05日 13時00分更新
世界初のハイブリッド型オープンイヤー
それでは製品を順に見ていこう。3機種ともプロオーディオの品質を日常に持ち込むことをコンセプトに企画。すでに述べたように、ノイズキャンセルやイコライジング機能など多くの技術の提供をBoseから受けている。
発表会では「Immersion」(没入感)、「Movement」(動きながらの使用)、「Quietude」(静寂性)のそれぞれにフォーカスしたものとして各製品を位置付けていると紹介。こうした体験を通じてインスピレーションを刺激していくのが、Baseusの「INSPIRE」シリーズというわけだ。
この中で特に注目したいのは、イヤーカフ型の「XC1」だ。左右独立型のワイヤレスイヤホンで、すでに述べたように、オープンイヤー型でありながらハイブリッド型のドライバーを搭載(BA型ドライバーはKnowles製)。音についてもLDACコーデックの採用で、ハイレゾワイヤレス規格を満たしている。また、Dolby Audio、360 Reality Audioなど3Dオーディオ規格にも対応するほか、SuperBass 3.0、SuperBalance 3.0といった音質改善のための技術も搭載しており、音にはかなりこだわった仕様だ。
装着感についても柔らかくクッション性に優れた素材を採用。耳の4点で本体を支えることでしっかりと保持でき、付けていることを忘れるような快適性が得られるようになっている。
Crossover Sound Leakage Technologyとして、周囲への音漏れを打ち消す機能も搭載している。この効果は最大47.2dBと高く、本体はIP66の防水仕様。4つのマイクを使用した高性能な通話機能を持つ。Bluetooth 6.1準拠で、マルチポイント接続や最大8時間(ケース充電併用で40時間)のバッテリー駆動時間、10分の充電で2.5時間の急速充電機能など、イヤホンとしての基本性能も高いものに仕上がっている。
静粛性の高さと3Dオーディオの高い没入感が両立
シリーズの中でハイエンドとなる「XH1」は密閉型のワイヤレスヘッドホン。より個人に最適化された音にするため、Mimiのパーソナライズ機能も搭載している。最大48dBの高い遮音効果を持つノイズキャンセリング性能、SuperBass 3.0、SuperBalance 3.0などBoseとの協業で生まれた高音質再生の搭載が特徴。ただし、これだけではなく、最適な音にするためのアコースティック面での改善も盛り込んでいる。
ドライバーは強度が高く反応の速い35mmのバイオセルロース振動板を15度の角度を付けて取り付けている。ベースを増強する「Dynamic Acoustic Dumping Tube」、イヤーカップの側面に備えた「Acoustic Pressure Vent」、音の響きを調整するドライバーの前後を覆う部品の形状を細かく調整した「Optimized Front-Rear Cavity Ratio」といった部品/構造をハウジング内に収めているのも特徴だ。
柔らかいメモリーフォームのイヤーパッドを採用することもあり、装着感も良好。35mm伸縮するアームや20度の可動域を持つイヤーカップの角度調整機構を持つほか、折りたたみも可能だ。バッテリー駆動時間は最大100時間。10分の充電で12時間の再生が可能な急速充電機能も持つ。Bluetooth 6.1準拠でLDACコーデックにも対応。ハイレゾ再生とハイレゾワイヤレス伝送の両方の認定を受けており、Dolby Audioにも対応している。発表会では、限定色となるサンセットコーラルとトワイライトブルーのカラーバリエーションも紹介された。
高いノイズキャンセル性能を持つスティック型、通話性能も配慮
「XP1」はマイクが口元に伸びたスティック形状の左右独立型のワイヤレスイヤホンで、適応型のノイズキャンセル機能も搭載。100Hzから1kHzの間の中域で最大50dBの遮音効果が得られる高性能なもので、マイクはフィードフォワード/フィードバック、そして通話用の6基を搭載。形状についても配慮され、傘状のイヤーピースは素材も吟味。装着感の高さも売りになっている。
これもSuperBass 3.0、SuperBalance 3.0を搭載し、Bluetooth 6.1に準拠。マルチポイント接続やIPX4相当の防滴に対応。最大8時間の連続再生(ケース充電併用時で最大45時間)、10分の充電で2.5時間の再生ができる急速充電機能などを装備している。なお、各製品とも複数のカラーバリエーションを備えるが、国内で販売される際のカラーはブラックまたはホワイトになるそうだ。
体験を重視、ユーザーファーストの理念から生まれた製品
発表会ではBaseusの創業者でCEOのShiyou He氏が登壇。Baseusは「ユーザーファースト」を最優先に掲げており、常に良い製品を作ろうと励んできたとコメントした。
そのためにユーザーの利用シーンにあった機能、信頼性を高められる製品の開発に励んできたとする。印象的だったのは「技術は人々に仕えるべきである」という言葉だ。バッテリーや充電関係の製品から事業を始め、さまざまな分野に製品を広げていくアプローチは、Ankerなどにも通じるものがある。
現在は100を超える製品、190を超える工業デザインに関するデザインアワードの受賞、2500以上の特許、100以上の地域での販売を実現しており、全世界で3億人ものユーザーが使うブランドに成長している。
オーディオ分野についても長く取り組んでおり、2024年の実績では中国市場や韓国市場で2位、ベトナムで1位、インドネシア、マレーシア、タイで2位のシェアを誇るなどアジアで強い存在感を示している。加えてトルコ、UAE、ブラジル、ポーランドなど中東・南米・東欧などでもシェアを獲得。高い性能を持ちつつ、リーズナブルな価格で入手できるコンセプトが、世界的に支持されているのがわかる。
Shiyou He氏については個別にインタビューする時間も取れたので、発表会の様子と合わせて紹介する予定だ。
※本記事は取材経費の一部を主催者に負担いただいて作成しています。現地時間の9月5日に始まるIFAイベント関連の情報は特集記事にまとめて掲載いたします。お楽しみに。
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